6月の婚礼。

0


6月の花嫁。このタイトルで以前、本にエッセイを書いたなぁ。そう、こんなことを書いたっけ。

「イギリスの6月は一年のうちで最も輝かしい季節。若葉が伸び、バラが美しく咲き誇るある晴れた日、人生における最大のイベント、結婚式を執り行いたいと願うカップルは数知れない」と。

先週土曜は、まさにそんな日だった。前夜の雨がウソのように晴れ上がり、暑すぎず、冷えすぎない爽やかなお天気。まぶしく輝かしいイギリスの6月そのまま・・・最高に恵まれたこの日、近年とてもお世話になっている友人カップルの熟年婚が執り行われた。彼女は6月の花嫁になったのだ。

会場はホクストンにあるMuseum of The Home。これは素敵なチョイスだった。

裏手にあるガーデンを利用した緑したたる式場。準備万端!

私は光栄にも、花嫁の着付けの様子をカメラに収めるため、プロのカメラマンさんが来られる少し前にお邪魔し、幸せのお裾分けをいただいた。

丁寧な着付けの様子、花嫁のチャーミングな笑顔、日本の伝統美や静かな高揚感、その場の調和の全てを、しっかりと記録させていただく。白無垢の上に、あでやかな鳳凰が飛翔する古典柄の打掛をはおる花嫁。式の間、このオレンジがかった黄金色が太陽の光に映えて、実に美しかったのだ。

見事な打掛。エネルギー高い。

新郎新婦が身支度を整えている間、外の式場ではどんどん準備が進んでいる。今回は花が大きなテーマ!

実際のお式の間、私は動画撮影係となっていたので、残念ながら写真がないのであった。右は式の後の記念撮影。それにしても晴れてよかった!

郷愁あふれるアイルランドの民族音楽がバックグランドに。新郎のルーツに敬意を表している。

華やぐレセプション・パーティー♪ ドレスを眺めるのも楽しい。

あっという間になくなってしまうカナッペ。回ってくるとつういつまんじゃう。

レセプションの食事は屋根の下で・・・ここにも見事なお花が・・・歓談も進み、祝福ムードが最高潮に。

花嫁のこだわりなのか、イギリスらしいナチュラルなアレンジメントが本当に素敵。ガーデンから摘んできたものと思われる。

新郎新婦、両サイドのベストパーソンのスピーチも感動のうちに終わり、食事を終え、ますます歓談が進む。

何もかもがスムーズで、整い、美しく、不調和がなく、愛にあふれた1日だった。まるでこれからのお二人の人生を祝福するかのように。

3コースのお料理も考え抜かれた内容。美味しかった^^


私は幸せな気持ちでいとまを告げ、家路につく。家に戻って、英国的な空間で着付けをしてもらう花嫁の写真をゆっくりと整理していると、なぜか胸が熱くなり、涙が出てきた。なぜだかわからないのだけれど・・・。

完全な調和がそこにあった。花嫁ははっとするほど美しい。同時にあっけらかんとしていて、これから自分の人生に起こる全てを受け入れているように見えた。穏やかで、齟齬がなく、静かな愛と確信と、力強さのようなものが混じり合い、軽やかな調和を見せていたのだ。

会場のスタッフの皆さんも、誰に指図されることもなく、自然体で自分たちの役割を全うしていた。主役の二人、ご家族、ゲストも含め、誰一人としてその場の空気を乱すことがなかった。それは完璧な婚礼の儀だった。

翌朝、うちにやってきていた花嫁のブーケは水を吸ってシャキリと生き返っていた。そして信じられない芳香を放ち、家中を前日の幸せで満たしてくれたのだった。

改めてお二人に、おめでとうを言いたい。どうか末長く、お幸せに^^

Share.

About Author

アバター画像

岡山県倉敷市出身。ロンドンを拠点に活動するライター、編集者。東京の文芸系出版社勤務、雑誌編集・ライターを経て、1998年渡英。英系制作会社にて数多くの日本語プロジェクトに関わった後、2009年からフリーランス。2014年にイギリス情報ウェブマガジン「あぶそる~とロンドン」を創設。食をはじめ英国の文化について各種媒体に寄稿中。著書に『歩いてまわる小さなロンドン』(大和書房) 『ロンドンでしたい100のこと』『イギリスの飾らないのに豊かな暮らし 365日』『コッツウォルズ』(自由国民社)。カルチャー講座の講師、ラジオ・テレビ出演なども経験。これまで1700軒以上のロンドンの飲食店をレビュー。英国の外食文化について造詣が深く、近年は企業アドバイザーも請け負っている。チャネリングをベースとしたヒーラー「エウリーナ」としても活動中(保江邦夫氏との共著『シリウス宇宙連合アシュター司令官 vs.保江邦夫緊急指令対談』もある)。Instagram: @ekumayu

ウェブサイト

Leave A Reply

CAPTCHA