The Chelsea Pig チェルシー・ピッグ
今年もまた、フェスティブ・シーズンがやってきましたね〜。イギリスでは自宅勤務している人も含めて皆がとっても楽しみにしているのが、クリスマス恒例の飲み会なのではないでしょうか^^
幹事さんたち、今年はいったい、どんな素敵な場所を見つけてくれるでしょう♪
クリパと言えばパブ! しかし今年はちょっぴり趣向を変え、あっと驚くような個性派で決めてみてはいかが?
私が最近訪れた中でダントツ個性的で、かつお料理も美味しかったのが、チェルシーの静かな住宅地の中にあるThe Chelsea Pigです。
スローン・スクエア駅からまっすぐ伸びるKing’s Road。ゴージャスなクリスマス・ショッピングを堪能しつつ、西へ西へと歩いてください。テムズ川に向かって住宅街に入って行くと、豚のシェイプをアイコンにしたとってもハンサムなパブが出現!
ここはその昔、Pig’s Earと呼ばれたレトロな可愛らしいパブだったのですよね。私も何度か足を運んだことがあります。しかし2020年にパンデミックの影響でクローズ(味のある看板を拙著『イギリスの飾らないのに豊かな暮らし365日』263ページで使いました^^)。そして昨年になって登場したのが、お化粧直しをしてコンテンポラリーになったチェルシー・ピッグなのであります。
「現代的」と言っても、この地にはすでに17世紀後半からパブが存在していたそうです。現在の建物になったのはヴィクトリア朝まっただ中の1892年。チェルシーでも最古類のパブとして住民たちから大きな支持を得ています。
新オープンにあたっては、家具や革製品の世界的なデザイナーであり、共同オーナーでもあるティモシー・オールトン / Timothy Oultonさんが、その独特の世界観をインテリアに反映させました。現代にふさわしくダークでシック、ディテールを見るとちょっと風変わりで、しかもラグジュアリー。パブというよりもバーと呼ぶ方がふさわしいのかもしれません。
中でも最も目を引くフォーカル・ポイントは、宇宙飛行士が水中遊泳する水槽タンク! これはティモシーさんのワークショップにも設置されていたもので、独自色を発揮しています。
等身大の宇宙飛行士の周りを、オレンジ色の金魚たちがゆったりと泳ぎ回る様子はとってもシュール。見事なアートピースです!
お料理にも、インテリア同様の哲学が見て取れました!
ヘッドシェフはフィオナン・フラッドさん。地元産の野菜や季節のフルーツをふんだんに使った、キラリとアイディアが光るお料理を提供してくれます。例えばパルメザン・チーズとアーティチョークのカスタード・クリームに生野菜をディップする一品は秀逸。味に奥行きを感じるカスタードの中にはさらにグースベリーのコンポートが。新鮮なお野菜を滑らかなクリームにたっぷり付けてどんどんいただきましょう。
クリーミーなブラータ・チーズは焦がし洋ナシのピュレ、ミカン、ヘーゼルナッツという面白い素材と一緒に。とっても繊細な一皿なのです。
メインのお料理もとても美味しかった! ジューシーにグリルされた地鶏の柔らかベイビー・チキンは、アプリコットのピュレと一緒に。そして絶品だった鹿肉のパイ。肩肉をじっくりと煮込んでパイにしているのですが、お肉はホロホロ、そしてシチュー自体の味がなんともクセになるコクある美味しさ。この季節、ぜひともオーダーしていただきたい品です。
デザートは甘さを覚悟でトリークル・タルトにしてみたら、予想通りの甘さ^^ これは日本人には少し単調で甘すぎるかも。他にもクレームブリュレなどもあるので気の向くまま選んでくださいね。
クリスマス・メニューは11月28日から提供! ソーセージとパネトーネの詰め物をした七面鳥のバロティーヌなど、定番料理を現代風にアレンジした豪華な面々が揃う予定です♡
イブにはウェルカム・シャンパンとともに3コースのセットメニュー(@80ポンド)を。プルーン&ステムジンジャーのチャツネと温かいジンジャーブレッド添えた鴨レバーのパルフェ、 セラーノ・ハムで巻いたモンクフィッシュ、シグニチャーでもあるマーマレードのブレッドプディング&シナモン・アイスクリームなど、ひとひねりあるお料理がクリスマス前日を盛り上げます。
ちなみに今週末は限定でサンクス・ギビングのご馳走も! パンプキンを使ったスイーツは外せませんね〜^^ 興味ある方はぜひ!
ティモシーさんらしいレザー・ソファを置いたバーエリアもあり、食事前後のリラックスタイムにピッタリ。
グループなら2階のトロフィー・ルーム / Trophy Roomでゆったり過ごすのもあり。もちろんデートにも使えるスマートさがあるので、クリスマス時期以外でも重宝しそう♪
家族や友人たち。久しぶりに見る顔。一年でいちばん温かい季節を祝うために親しい魂たちが集まるこの季節。戸外は寒くなっても、パブで身を寄せあえば温かく心地よいもの。
今年はちょっと趣向を変えて、ミュージアムみたいな素敵パブに集まりませんか?
2024年追記:オーナーさんがまた変わっているようです。ガストロパブであることは同じ!