男のチラリズム。ロンドン発の男性下着ブランド「ヴェラロフ」が熱い!

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地味なオモテ地に、こだわりのウラ地。「真の江戸っ子は見えないところにこだわるもんよ」。な〜んて。

現在開催中のロンドン・ファッション・ウィークに先立ち、チェルシーのサーチ・ギャラリーを借り切って行われた国際ファッション・トレード・ショーで、そんな江戸っ子の粋を感じる究極の「隠れ」ファッションに出会ってしまいました。 今日はその興奮をお伝えしたい!

この業界トレード・ショーは「Scoop」と呼ばれ、すでに12年に渡って開催されている恒例のお祭り。毎年イギリス国内だけでなく世界各地からデザイナーやバイヤーが訪れ、⾼級レディース、ラグジュアリーホーム、ビューティー、ライフスタイル、メンズコレクションなどを網羅した250 を超える先進的なブランドによるコレクションが集結します。今年は私もご縁があって訪れましたが、その華やかさに圧倒されました。ファッションの世界ってやはりいいですね〜。

このレッドカーペットで気分あがった^^

この規模のお部屋が、たっくさんあります! 私は気になったイタリアやカナダのブランドの方とお話ししました。

そこで・・・なんと日本の出展者さんにばったり。女性のスタッフさんがいたのでレディースかと思ったのですが、男性用下着のブランドでした。驚。聞くとロンドンでデザインし、日本で縫製・生産されているとのこと。つまり日英のコラボ・ブランドとして完璧、クオリティはお墨付きってことなのです。

この時点で、すでに興味津々。

なんてカラフルなボクサーブリーフ! ダ、ダルマ柄!?

見ているだけで楽しくなるような男性用アンダーウェアが並んでいました。

■日本人女性デザイナーがロンドンで創業

女性の私には分からない世界のはずですが、プロダクトがあまりにも個性的で魅力があったので、スタッフの方に思わず根掘り葉掘りお話を伺ってしまいました。そして、「女性には分からない」なんて思ったことが恥ずかしくなってしまった。なぜって、このクリエイティブな男性下着は、若き日本人女性デザイナー、ライカさんが真心を込めてデザインしたものだったからです〜!

物語を聞くにつれ、どんどんこのブランドに心惹かれていきました。

ブランド名は「VELAROF / ヴェラロフ」。ロンドンでファッションを勉強され、現在も在住されているファッション・デザイナー兼プロデューサーのライカさんによって2020年10 ⽉に創業。

ヴェラロフって聞きなれない言葉ですよね。これは“勇敢” という意味の古英語「FELAR.F」と、現代英語の“勇敢”VALIANTを掛け合わせた造語なんですって。身に着ける男性に、勇気を与えるアンダーウェア。そんな思いと実践がそこに、決然と形になっておりました・・・。

カラフルでコンテンポラリー!

■無重力の軽やかさ、遊び心あふれるコンテンポラリーなデザイン

VELAROFの特長は、マテリアルとデザインの両方に見て取ることができます。まずは素材。髪の⽑よりも軽量で速乾性のある最⾼品質のマイクロファイバー⽣地は抜群に伸びがよく、型崩れもしにくいのが特徴。その手触りはシルクよりも滑らかでコットンよりも柔らか、つまりとっても着け心地の良い素材だということです。そして縫製デザインを工夫することで、シームレスな履き心地を実現しているのだとか。私も触ってみましたが、肌にしっくりくる滑らかさ♡ 抜群のフィット感が想像できます。

そして何より、プリント柄のデザインがすごい

パッと見は、すごく現代的。カラフルでいろんなパターンをデザイン化しているようです。しかしよ〜く見てみると・・・

⽇本の伝統⽂化を感じる要素がちらほら。例えば「吉原つなぎ」と呼ばれる伝統の幾何学模様にレオパルド柄を合わせた新作は、ビビッドなピンク色とも相まって、とてもプレイフルでコンテンポラリー。吉原つなぎは良縁のシンボルと言われているので、このアンダーウェアを着けることで縁を担ぐことになるわけです^^

その他にも禅をコンセプトにしたダルマ柄、菊菱模様をモチーフにしたダマスク柄、琵琶湖のカモフラージュ柄、永遠を意味する麻の葉や幸福の象徴であるストレリチア、フラミンゴなどをあしらったデザインなど、着けているだけで気分が上がるような下着を目指しているそうです。確かに一日を元気に過ごせそう!

エコにも敏感です。製造⼯程には再⽣可能エネルギーを使⽤し、一着の販売ごとに1本の木を植樹するプログラムに参加して二酸化炭素排出量の相殺に務めているそうです。

左上から時計回りにダルマの「THE ZEN DARUMA」、琵琶湖の「CAMOUFLAGE LAKE」、菊菱模様の「IMPERIAL KIKU SILVER」、五七桐紋の「YEN JOY」。公式ホームページより。

■創業秘話! セクシーでワイルドに行こう

深くは知り得ない男性下着の奥深さに「なるほどな〜」と相槌を打ちつつお話を聞いていると、デザイナーのライカさんご本人が登場! ラッキーにもご自身から創業秘話を伺うことができたので、ぜひここでシェアさせてください。

「下着って外からは見えないでしょう? とてもプライベートなものです。隠れた部分に気を使ってお洒落をするってとてもセクシーだし、素敵だと以前から思っていたので、下着の世界を掘り下げていくことにしたんです。すぐに男性のオプションが断然少ないことに気づき、ヴェラロフのアイディアを思いつきました。

どんな下着が求められているのかを知るために、毎週グリーン・パークに通って男性への聞き込みリサーチを始めました! ゆうに100名くらいには話を聞いたと思います。そしてほとんどの男性が、ホワイト、ブラック、グレーのいずれかのモノクロ下着をつけていることを知りました。どうしてもっとカラフルじゃないんだろう?という疑問が、このブランドの出発点にあります。カラフルで楽しいデザインの下着を身に着けることは、きっと心理的にも影響があるはずだと。

洋服が気持ちに影響を与えるように、下着も人の気分に強く影響する要素です。だからブランド名に<勇敢>という意味を反映させ、その下着を着けると心がポジティブで大胆になれるようなものをデザインしようと思いました。

ヴェラロフの下着は、一度着たら病みつきになります。ゴムの部分は何度洗っても伸びたりしないですし、少量の水で洗えることも、とてもエコ。人にも地球にも優しく、出張中にも便利な素材なのです。この商品は本当に自信作なんです。ヴェラロフで毎日を刺激的に、そしてワイルドな気持ちで過ごしていただきたいですね」

☺️☺️☺️

「公園で男性に下着について尋ねるなんて、本当に変な女性だと思われていたと思います」と笑うライカさんは、パッションの塊のような方でした。お話を伺いながら、女性が男性の下着をデザインする意義のようなものについて漠然と理解し、私はその日、一つ賢くなった気がしたのです。

日本ではすでに阪急百貨店などで扱いがあるそうです。日本円で5,940円、ポンドでは39ポンド。英国ではオンライン販売をしつつ、今後ロンドンのデパートからスタートしていくそうですよ。 まずはリバティー、そしてセルフリッジズ・・・いろいろな場所でヴェラロフが見られるようになるといいですよね。

日本とイギリスがこんな分野でもコラボしているのは、嬉しい限りです。こんなベンチャーなら応援したい! 実際にサンプルを手にとってみたい方は、ヴェラロフさんに直接聞いてみてください。

男性は自分へのご褒美、女性にとっては男性へのプレゼントにぴったりですよね。レオパルド柄のアンダーウェアを贈ると、良縁を結べるかもしれません^^

JAPAN サイト https://velarof.co.jp
UK サイト https://velarof.com

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About Author

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岡山県倉敷市出身。ロンドンを拠点に活動するライター、編集者。東京の文芸系出版社勤務、雑誌編集・ライターを経て、1998年渡英。英系制作会社にて数多くの日本語プロジェクトに関わった後、2009年からフリーランス、各種媒体に寄稿中。2014年にイギリス情報サイト「あぶそる~とロンドン」を立ち上げ、編集長として「美食都市ロンドン」の普及にいそしむかたわら、オルタナティブな生活、人間の可能性について模索中。著書に『歩いてまわる小さなロンドン』(大和書房) 『ロンドンでしたい100のこと』『イギリスの飾らないのに豊かな暮らし 365日』『コッツウォルズ』(自由国民社)。NHK文化センター名古屋教室「江國まゆのイギリス便り」講師。MUSIC BIRDのラジオ番組「ガウラジ」に月一でゲスト出演。チャネリングをベースとしたヒーラー「エウリーナ」としても活動中(保江邦夫氏との共著『シリウス宇宙連合アシュター司令官 vs.保江邦夫緊急指令対談』もある)。Instagram: @ekumayu

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