ガイ・フォークス VS. ミスター・トランプ。11月5日は忙しいのだ。

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イギリスではガイ・フォークス・デー、アメリカでは大統領選挙当日の11月5日。ハロウィンのダークな飾り付けもそのままに、大掛かりなボンファイア・ナイトに浮き足立っている人も多いのではないだろうか。

そう、5日はガイ・フォークス・デーだ。イギリスの歴史に詳しい皆さんなら、ガイ・フォークスという男の名を聞いたことがあるだろう。

1600年代初頭、ジェームズ1世の治世下で国会議事堂として使われていたウェストミンスター宮殿に爆弾を仕掛け、吹き飛ばしてしまおうと画策した北イングランドの一味がいた。プロテスタントの王様がカトリックを弾圧することは許さん!というカトリック教徒のグループが、王様を変えようとしていたのである。

ガイ・フォークスはその日、宮殿地下で火薬の見張りをしていたところ、匿名の手紙によって計画を知った警察によって捜索・逮捕された。1605年11月5日のことだ。爆破はめでたくも阻止されたのである。

以降、11月5日は王の命が救われたことを祝福する日とされ、英国では大きな焚き火(ボンファイア)を作って皆で囲み、浮かれ騒ぐ日になった。

私が渡英した90年代終わり頃は、道が混雑することもなく大きめの公園では無料で簡単にボンファイアを見られたものだが、最近は大掛かりなお祭りとなりイベント・チケットを購入する必要があるなど身近な感じはしなくなってしまった。それでもやはり、ほうぼうから花火の音が聞こえてくると、「あぁ11月だなぁ」と年の瀬の足音にように聴いてしまう。

今年は5日が平日のため先週末に多くの公園でお祭りがあった。5日当日にセントラル・ロンドンで花火が上がるのは、ブルームズベリーの公園のようだ。駆け込みボンファイア&花火。無料なのでぜひ皆さんも体験してほしい♪

Coram’s Fields
93 Guilford Street, London WC1N 1DN

15:30 – 19:00(花火は18:00 – )
https://coramsfields.org/event/fireworks2024/

 

花火は11月の風物詩のようなもの。住宅街でも一般家庭でどんどん花火を上げちゃうのだ。

ところで爆破事件の一味であったガイ・フォークス。11月5日のボンファイアでは彼の人型が炎に放り込まれるなど、このお祭りには少し過激な一面もある。

王室転覆を狙ったわけなので、いわばテロリストの一味。ガイ・フォークスはいつしか謎めいたアナーキストの代名詞となり、こんなお面でも知られるようになった。

 

いつも顔に笑みを浮かべ、何を考えているのかわからない男・・・。現在は誰にでもある自由への希求が、このお面に託されることも多い。


本日5日(UKでは後2時間で)は米国大統領選挙の一般投票日。世界の注目を集めている。

果たしてどちらの候補に軍配が上がるのか。世界はどこに向かうのか。先日、徳永ゆり子さんが投稿してくださった記事を読むにつけ、その流れの先に、今回の選挙結果も紐づけられている気がしてならない。

誰がどの候補を支持しているかも、ある意味とても興味深い。例えばどんな有名人や実業家、あるいは企業が、どちらの候補をサポートしているのか。表では報道されない数多くの事実にも思いを馳せつつ、結果を楽しみに待ちたい。

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岡山県倉敷市出身。ロンドンを拠点に活動するライター、編集者。東京の文芸系出版社勤務、雑誌編集・ライターを経て、1998年渡英。英系制作会社にて数多くの日本語プロジェクトに関わった後、2009年からフリーランス。2014年にイギリス情報ウェブマガジン「あぶそる~とロンドン」を創設。食をはじめ英国の文化について各種媒体に寄稿中。著書に『歩いてまわる小さなロンドン』(大和書房) 『ロンドンでしたい100のこと』『イギリスの飾らないのに豊かな暮らし 365日』『コッツウォルズ』(自由国民社)。カルチャー講座の講師、ラジオ・テレビ出演なども。英国の外食文化について造詣が深く、企業アドバイザーも請け負う。チャネリングをベースとしたヒーラー「エウリーナ」としても活動中(保江邦夫氏との共著『シリウス宇宙連合アシュター司令官 vs.保江邦夫緊急指令対談』もある)。Instagram: @ekumayu

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