Abuelo アブエロ
コベント・ガーデン・マーケットのすぐ裏手に、見過ごしてしまいそうなキュートなカフェが今年春になってオープンしています。名前はAbueloアブエロ。パッと見の字面とサウンドが日本人に馴染みがないだけに、 私も何度か前を通って気になっていたものの再リサーチに戸惑ったりしていましたが ^^; ようやく、その素敵な全貌の一端を垣間見ることができました。
細長く緩いL字型になっている店内に入ると、外から見ていた時よりもさらに好感度がアップ。木の温もりを大切にした家具、ナチュラルな色合いで自然を描いた本物のペインティングで飾られた壁、瑞々しいたくさんの植物、そしてエスニックな風合いを強調する暖かい青磁色のラグやクッション。かなり好みのインテリアだったので、そこにいること自体が喜びになるような体験となりました ^^
ここはオーストラリアとアルゼンチンにルーツを持つオーナーたちが経営するオージー・カフェなのですが、調べてみると飲食業界ではかなりのベテラン・プレーヤーだということがわかりました。どうやら1980年代に始まったオーストラリアにおける現代コーヒー文化を確立した立役者らしいのです。オーナーの1人は、もともと建築デザインが本業で数々のカフェをシドニー・ベースでデザインしていたところ自分たちでも飲食業界に乗り出そうと始めたら大ヒット。一時期は5つの影響力のある人気カフェを経営し、モダン・オーストラリアンの黎明期に貢献したのだとか。またもう1人の共同オーナーはアルゼンチンのペイストリーが専門で、その味をいまのロンドン店でも味わえるようです。
こういったバックグラウンドからお分かりのように、主力はブランチ風の食事。どれもヘルシー感があり、食材もできる限りオーガニックを使っているというから安心です。ベジ、ビーガン、ローフードといった現代的なキーワードとともに、コンフォート、ジョイフル、パワフルといった言葉でも表せそうなメニューはすでに大評判! この日いただいたブランチ/ランチ・メニューも野菜たっぷり、かつカラフルで満足度の高いお皿でした ^^
共同オーナーさんには女性が多いということで、インテリア、プレゼンテーションを含め全体的にガーリーなイメージですけれども、お客さんの男女比は半々といったところで、私たちが訪れた日はお一人様男性客も複数が美味しいケーキ&コーヒーを堪能しておられました。
さて、入り口すぐのカウンター上にディスプレイされているケーキ類から逃れるのは、甘いもの好きにはちょっと困難かもしれません ^^ 見た目が可愛く甘さも十分にある伝統ケーキは、ぜひ信頼おける南アメリカ産の豆を使って確かなオージー・テクニックで入れるリッチでスムーズなコーヒーとともに召し上がれ♪ また、カフェでありながらも夜は10時頃までオープン。17:30からメニューが変わり、アルコールと一緒にヘルシーで栄養たっぷりの小皿料理を楽しむことができます。
ちなみに店名のAbuelo アブエロはスペイン語で「祖父」という意味。こちらもやはりオーナーさんの1人に影響を与えたおじいさんに由来するそうですよ。こぢんまりとした店ですが、食事とコーヒーが美味しい独立系カフェが好きなあなたなら、きっと虜になることでしょう ^^