北ロンドンの人気住宅地、クラウチ・エンドに2013年に登場して以来、あれよあれよという間にロンドンのオシャレ地区に3店舗を展開する快進撃を続けている独立系カフェ(2店舗目はハイバリー、3店舗目のノッティング・ヒル店はロックダウンの影響でオープン直前状態)。
フリーランスや自営業の人々が多く住むクラウチ・エンドでは、カフェをオフィス代わりに使う人も多く、さらに小さな子どもを連れた親御さんがバギーで出入りすることも多いファミリー・エリアでもあります。昼間もなんらかの活動が活発に行われていて、独自のカフェ文化が大きく花開いているんですね。
オーナーさんによってそれぞれ特徴があり、お客さんもそれぞれお気に入りもあると思うのですが、このBeamがオープンすると「どうしてここまで人気が出るのか?」とびっくりするほどクラウチ・エンダーたちがこぞって行きたがった店であり、7年経った現在もその人気は衰えていません。
このBeam Crouch End店に関して、ロックダウン緩和後にびっくりしたのは、なんと左隣にあったHoneycombという名前のカフェを呑み込んで拡張していたことです。全くオーナーさんも違うカフェなのに、すごい荒技で合体w 中に入ると壁を打ち抜いてすっかり繋がっていました。大家さんが同じであることが条件だし、本当に勢いのあるカフェしかできない技。おそらくロックダウン中に隣のカフェが廃業し、大家に交渉し、プラニング・パーミッションを取り、工事を進めたんだと思います。飲食店が苦戦を強いられている中で、すごくないですか? 尤も以前から目をつけていたのでしょうけど・・・。今ではすっかり馴染んで、うんと昔から横長のカフェだったみたいに堂々としています^^
「どうして人気があるのか不明」と思っていた理由は、まずインテリアが今ひとつ洗練度に欠けること。イギリス人はヴィンテージ家具のミスマッチが大好きでうまく仕上げるのですが、この店はただの中古家具を適当に並べただけみたいな印象です(笑)。
それから食事もスイーツも「コレ」という大きな特長はなく、盛り付けもどちらかというと大味なんですよね^^; ただしコーヒーはAllpressの豆を使っていて、なかなか安定して美味しい。もちろん食事も美味しくいただける範疇です。特徴があるとしたら、オシャレ系でありながら食事のボリュームがそこそこあることでしょうか。
インテリアに関しては、オーナーさんがクラウチ・エンド在住のトルコ・ルーツの母子であることから、本当に自分たちが好きなテイストでまとめているだけなのかもしれません^^ 同様にメニューはロンドナーが好む地中海系。朝食やブランチにトルコっぽいニュアンスが漂っていますし、スタッフの大半がトルコ系の皆さんです。
私自身は一種の野暮ったさや閉塞感が気になっていたのですが、お隣のカフェと合体した途端に光が多く差し込んでブライトになり、ぐっとコンテンポラリーな感じに生まれ変わりました! まるでOliver Bonasのショールームみたいですw
さぁ、ここから考察です。なぜクラウチ・エンダーたちがこのカフェにいそいそと通うのか。
あくまで個人的な洞察なのですが、人は「キレキレのポッシュさ=よそよそしさ」を嫌う傾向にあり「どこかパーフェクトではない」部分に親しみを感じること、ヘルシーな地中海料理をリーズナブルなお値段で提供していること、料理にある程度ボリュームがあること、席数が多いので家族やグループで気軽に立ち寄れること、スタッフがフレンドリーであることなどなど・・・でしょうか?
食事はまだ品数を試したわけではないので、もっとブランチ的な人気メニューを試してまたここで追加レポートしておきます!
写真で色々な角度からお見せしましたけれど、やはり大味な感じがしますでしょ? ^^ それでも大勢の人が毎日出入りするヴィレッジでもトップの人気を誇るカフェ。隣のハイゲートほどポッシュではなく、フィンズベリー・パークほど庶民臭さが強くない。気取らないトレンディ加減が人気のクラウチ・エンドらしい、中庸テイストがよろしいようで。