Neighbourhood Organic ネイバーフッド・オーガニック
Kentish Townというのは面白い町で、南隣のCamden Townほど観光とごちゃ混ぜではなく、 北隣のHighgateほどポッシュではなく、昔ながらのイギリスらしさを残す中庸の庶民感覚の中に、音楽業界に関連づけられる地元の人々の強い個性が反映されている・・・そんなエリアだという印象を個人的には受けています。
そのケンティッシュ・タウンにこの夏、コミュニティの中核になるような強いアイデンティティを持った大規模なカフェが誕生しています。ロックダウンの最中に立ち上がり、ロックダウン明けに営業を開始したそのカフェは、Neighbourhood Organic。理念は全て、その店名に込められています。有機食材を使った食べ物や飲み物を提供する、地元志向のカフェであります。
元郵便局を利用しただだっ広いカフェは、大きな窓を通して外からも全貌が見えるのでとにかく目立つ! モダンな図書館を思わせるインテリアは、シンプルで無駄がなく、学校や地域のカンティーンそのもの。オープンと同時にノマド・ワーカーたちのハブとなり、粛々と仕事をしたりミーティングを持ったりする地元の人々で賑わいを見せるようになりました。
印象的な空間と並んで特筆すべきなのは、長〜いカウンターに陳列された軽食やスイーツのボリュームとバラエティです。有機食材でこしらえた食アイテムたちはこういった大規模なカフェに似合わない多彩な品揃えを誇り、どんな人の好みにも合致するのではと思えるほど。端から端までズズずい〜と見渡したい誘惑にかられます^^ 写真を撮らせてもらえたので、食のギャラリーをお楽しみください♡
ケンティッシュ・タウンを中心とした北ロンドンのクオリティ情報を扱うeマガジン、kentishtownerによると、オーナーはトルコ人起業家のボラ・メラルさんという方で、地元への寄与を大きな理念として立ち上げたそうです。トルコの方がオーナーだとわかると、何となくスナック類やケーキにそんな趣があるなぁなんて、思いませんか?
個人的に最も気に入っているのは、サラダ類をはじめ食のバラエティが充実していることや、椅子の座り心地の良さに加えて、夜19:00まで営業していることです(ロックダウン中は持ち帰りのみ)。夕方5時、早いところは4時には閉まってしまうイギリスのカフェが多い中で、さすがトルコ系のカフェ! お客さんの需要がよく分かってるなぁって^^ 地元の人々もホクホクのはずです。
しかしこれだけの大量の食べ物ですから、19:00間際まで結構残っているのを見かけます。kentishtownerによると、翌日まで持ち越せない食品に関しては、ホームレスの人々に配給する団体に提供するのだそうです。加えてカフェまで取りにくる地元のホームレスの人々には直接手渡すのだそうですよ。こういう取り組みは他のカフェでもしていることだと思いますが、もっと多くのカフェや飲食店が積極的に取り組んでいくべきことだと思います。
地元に愛される、地元の人々のためのカフェ。これぞ理想のコミュニティ・カフェです。今後はオーガニック食品の販売もしていくようですが、スペースを見る限り、各種イベントなどにも使えそうではないですか? カフェはオープンしたその日から、いかにコミュニティに溶け込んでいくかがカギですよね。ネイバーフッド・オーガニックは、その点ではすでに大成功を収めているのではないでしょうか♡
ロックダウン中はもちろん持ち帰りのみですが、ロックダウンが明けてまた通えるようになることを願ってやみません。