「イギリスの伝統的なティールーム」と聞いて、あなたはどんなお店を想像しますか?
私なら、何はさておき「ちょっぴり垢抜けない雰囲気」が漂っていることが第一条件でしょうか^^ それから紅茶がティーポットとカップ&ソーサーでサーブされていること。スコーンとヴィクトリア・サンドイッチを扱っていること。あとはハムサンドやクランペット、ベイクド・ポテトなどの基本アイテムがあり、フレンドリーなウェイトレスさんが常連さんを適当にさばきながらテキパキと仕事をしていることなど。いやいや、条件を挙げればキリがありませんね。
High Street Kensington駅近くにあるThe Muffin Manは、上記で挙げた条件をほぼクリアしている「本物の」伝統ティールーム。1963年の創業当時の面影を、今も残している味のある空間なのです。こういったティールームは現在のロンドンでは本当に貴重な存在となってしまいましたし、じっさい、ケンジントンでは一番古いティールームだそうですよ。
ライトグリーンの清潔なテーブルクロスできっちりと覆われた丸テーブルに着いたら、さぁメニュー選び。たくさんの定番アイテムが並ぶ中で、真っ先に目に飛び込んできたのが「The Original Muffin Man」というサンドイッチでした(離れた席に座られたご婦人方が選んでいたのを、実は耳ざとくキャッチしたのですが^^; )。これはチキンやベーコン、トマトなどをサンドした一種のクラブ・サンドイッチです。
それから、評判の「デヴォン・クリーム・ティー」を。こちらはスコーンを「トースト」してサーブしてくれるという当店自慢のスコーンなのです。
サンドイッチは「トーストしますか?」と聞かれてイエスと答えたのですが、これが大正解。こんな美味しいサンドイッチを食べたのは久しぶりというくらい、パシッと決まった味のコンビネーションでした。シンプルだけど全てがフレッシュで調和していて・・・サンドイッチの完成品と呼びたい ^^
正直「伝統のイングリッシュ・ティールーム」で何を “期待していないか” というと、味なんです(笑)。この期待を裏切る美味しさがとてもよかった。その期待は、スコーンでも心地よく裏切られました。厚みのないプレーンなスコーンは半分にカットされ、トーストされて出てくるのですが・・・カリッとした食感がクセになる美味しさ! 皆さんもオーブンで温めるのではなく、一度グリルやトースターでトーストしてみてください。きっときっと、違う境地へと連れていかれます・・・♪
帰りがけに、3名の常連さんらしきとても上品な身なりのグループが、でっかいボウルに入ったホット・フードをそれぞれ注文していました。興味津々で何か聞いてみたら、シーザー・サラダだったのです! 「ここのは最高よ!」そんな風に教えてくれました。ホッカホカでとっても美味しそうだったので、次回はぜひシーザーサラダも頼んでみたい♪
シンプルな料理をこれだけ上手に調理できるってすごいなぁ。職人さんの領域です。もっと試してみたい正統派イングリッシュ・メニューがいっぱい。ティア4の現在は持ち帰りのみに対応しているようなので、お近くの方はお試しあれ〜。
店名のMuffin Man。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、イギリスの古い童謡(ナーサリーライム)「The Muffin Man」から来ていると思われます。
Do you know the muffin man,
the muffin man, the muffin man?
Do you know the muffin man,
who lives on Drury Lane?
でもフランク・ザッパの方だったりしてw
ちなみに童謡に歌われているマフィンはイングリッシュ・マフィンのことで、甘いマフィンではありません。