Chiltern Street Deli チルターン・ストリート・デリ
イギリスでは2020年春からずっと飲食業界にとっては不安定な情勢が続いているわけですが、新規オープンも実はちらほらあります。パンデミック前からすでにオープンを計画していたカフェのほか、営業を約束されている食品を扱うグローサリー系ショップのオープンですね。皆さんの住まわれている地域でも1軒や2軒の新顔さんが登場しているのではないでしょうか?
本日ご紹介するお店はパンデミック直前の2019年オープン。マリルボーン地区の居住者コミュニティにサポートされ、力強く営業を続けているお店の一つです。散策途中にこういう佇まいのショップを見かけたら、中に入らずにはいられないですよね ^^
間口はこのように狭いのですが、サンドイッチやパイ、パスタなどのデリ商品から、保存食品やパン、ワイン、リキュールまで意外と多くの品数を揃えており、ご近所さんにはさぞ重宝されていることでしょう。近辺のオフィスに通っている人もいるので、周囲をほんのりと照らすオアシスのような存在になっていると思います♡
イタリア系のサンドイッチやパスタ、パイ以外に、通常時はどんなデリ商品があるのかわからないのですが、パンやケーキの扱いももちろんあります。コーヒーなどのホットドリンクも販売中。私が滞在している間も何人か購入していきました。外では雪がちらつく寒い日でした^^
棚を眺めると英国内およびヨーロッパ各地からアルチザン食品を集めて販売しているようです。これからも各方面から新商品を導入していくようなので、今後の商品展開にも注目ですね^^ 独立店は商品が棚に並ぶまで早いですから。
この日、私の目に止まったのはシュロップシャーはマーケット・ドレイトン村に伝わるジンジャーブレッド「Billington’s Gingerbread」! カウンター上にパッケージを見つけた時は狂喜しました。以前に一度だけ食べた記憶がありますが・・・スーパーでも売っていないのでロンドンではなかなかお目にかかれないのです。
Billington Gingerbreadは長方形の大きな板状になっていて、いただくときにポキっと割るという趣向がなんとも面白いのです。今も創業当時からの古いレシピを使って作られているそうで、安田真理子さんの記事によると、200年前から使われている生地の絞り出し機は現在も健在だそう! こういったアルチザン食品を、いろいろな独立系小売店で発見するのは楽しいものです。
第99話 Market Drayton gingerbread / Ashbourne gingerbread~マーケットドレイトンジンジャーブレッド/アッシュボーンジンジャーブレッド~
できる限り再利用可能なパッケージを使用し、小規模生産者から直接仕入れるスタイルをとっているのは、現代の責任ある小売店としては当然といえば当然ですが、好ましい姿勢ですよね。奥にはカフェ・スペースもあるんです! ロックダウンが明けたら座ってみたい席の一つになりました^^
ウェブでサーチしたところによると、オーナーさんは英伊のデュオ。若き31歳のイギリス人の方(おそらく出資者)は古くからの地主の家柄で、もう一人が業界を知るイタリア人と見ました(笑)。予期せぬ2020年だったと思いますが、コミュニティとともに成長し、長く愛される店になってほしいと願わずにはいられません。