Arise Coffee Roasters アライズ・コーヒー・ロースターズ
南西ロンドンはパットニーに昨年できたばかりのコーヒーハウス、Arise Coffee Roastersの「About us」のページを読むと、ショッキングな沿革が赤裸々に書かれてあり胸を打たれます。
オーナーのラベンダー・タンさんは、20代から15年続いた結婚生活が夫の浮気発覚で白紙となり、心身ともに傷つき重度の鬱になって自殺を何度も考える最悪の時期を経験します。この時期、彼女を支えていた姉が、コーヒーに情熱を持っていたラベンダーさんにカフェでのアルバイトから始めていずれカフェ・オーナーになる夢を育ててみたらどうかと勧めます。しかしラベンダーさんは長年にわたって専業主婦をしていたためスキルと呼べるものがなかったので、カフェ・チェーンで駆け出しの仕事から始めました。
その後、何年にもわたってコーヒー業界で成功することを夢見続け、コーヒーの淹れ方はもちろん、豆の焙煎やカフェ経営などについても、どんどん吸収していきます。そして昨年、ロックダウン1と2の間に満を持して自身のカフェをオープンしたのです。きっと素晴らしい達成感を得られたことでしょうね ^^
場所はEast Putney駅のすぐ目の前! 新興住宅街として再開発された清潔なエリア、Plaza Gardensの一画に、Ariseは佇んでいます。
扱うのは最上質のアラビカ・タイプのコーヒーのみで、仕入れは世界中から。豆が持つ特性やテイストを損なうことがないよう、毎回少量の豆を低温焙煎してアロマを際立たせます。Arise<生じる/立ち現れる>という店名にも、Authenticity(本物)Respect(尊重)Innovation(革新)Sustainability(持続性)Excellence(卓越)の頭文字の中にビジネスの哲学を込めているようです。
この日はエスプレッソ好きの友人と一緒に訪れたのですが、味の好みを伝えると、その通りに豆をブレンドして淹れてくれるとかで、超絶に好みの味に仕上げてもらって大変喜んでいました^^ ただしこれはエスプレッソのみのサービスで、他のコーヒーのタイプではできないそうです。私も次回はエスプレッソにしなければ!
ラベンダーさんと思われる方がお店にいて少しお話ししたのですが、とても気さくで素敵な方でした。壁にトトロのポスターがかかっているので理由を尋ねると「大好きだからに決まってるでしょ!」と頰を染めていました^^
ウェブサイトにははっきりと「品質にこだわり、コーヒー業界で勢力を広げて成功する」ことが目標だとかかれてあり、フランチャイズにも触れているのでいずれはもう少し店舗が増えるのかもしれません。そうなったら、このパットニー店が記念すべき第1号店です。ここから始まった何かが大きく花開いていくよう、願わずにはいられません。
パットニー付近は昔友人が住んでいたこともあり、レストランやカフェ探検でもたまに行くのですが、イースト・パットニーまで来たのは実は初めて。賑やかなパットニー・ヒルから歩いてすぐだけど、エリアを知らないとイースト・パットニーはなかなか真っ直ぐには来ない場所ですよね。
お天気に恵まれた帰りは、キラキラと光るパットニー橋からの眺めを堪能しつつ、黄金色の光のシャワーを浴びながら橋を渡り、パットニー・ブリッジ駅から電車に乗りました^^