Franzé & Evans フランツ&エヴァンス
“東のボンド・ストリート” と私が勝手に呼んでいるショーディッチのレッドチャーチ・ストリートで、2008年に創業したカフェ・レストラン。もう13年間も営業しているなんてすごい! 創業したての頃にたまに行っていたのですが、ランチタイムは周辺のクリエイティブ層が押しかけてきていつも相当賑わっていました。当時は夜営業にも力を入れていて、どちらかというと夜の方が入りやすいという印象だったかな。レッドチャーチ・ストリートが今のようにカジュアル系ハイ・ファッションのメッカになる直前のお話です。
そのフランツ&エヴァンスが、2015年に日本に支店を出したと聞いたときは耳を疑いました(笑)。美味しいけどなんでこの店?という思いを抱いたからですが(失礼)、今考えるとオットレンギなどに端を発したロンドン風の無国籍サラダ・デリというのは日本にはあまりなかったはずなので、ちょうどニッチ層にスポッと収まったのかな?と今では分析しております。(でも残念ながらこのご時世で昨年の夏に閉店してしまったようです。)
先日、久しぶりに寄ってみましたら、持ち帰り営業をされていて嬉しくなりました。2010年以前に創業したお店で、同じオーナーさん、同じインテリアで頑張っているお店に関しては無性に応援したくなります。
ふとショーウィンドウを見るとイースター仕様にお化粧されたカラフルなカップケーキたちと目が合ってしまったので歩み寄ってみたら、キラキラの笑顔で微笑みかけてきたので(笑)いくつかお持ち帰りしてみました。その他にも当店自慢のケーキ類が数種あり、ロックダウンの町に花を添えていました^^
フランツ&エヴァンスは今も同じ創業者の手にある家族経営のカフェで、イタリア系のニコラさんが共同オーナー。ニコラさんは1990年代半ばからショーディッチに暮らしていて、美味しいコーヒーもケーキもレストランも「何もない」ショーディッチを知る人。そこで自身のイタリアン・ルーツを生かした地中海風デリとアルチザン・ケーキのお店をオープンすることを思いついたそうです。
ショーディッチのこの辺りは、本当に様変わりしてしまいましたが、住人の半数はおそらく以前のままのはずなんですよね。だから庶民的な店もたくさん残っているし、今となってはそのミックス・カルチャーが面白い。確かに10年前からたくさんの外国資本がこのエリアに注がれた。でも別の側面を見れば、地元の労働者階級の若い世代が頑張ってお金を稼ぎ始めているから育っている現在のショーディッチとも言えると思います。ミックス・カルチャーはロンドンの魅力ですが、移民文化だけでなく、新旧世代交代したブリティッシュ・カルチャーの今を目撃できるという意味でも、興味深いショーディッチなのです。
イギリスは来週月曜日から飲食店の屋外スペースが再オープン! フランツ&エヴァンスも以前のようにきっと、活気を取り戻すことでしょう^^
PS
持ち帰りにしたケーキ! キャロット・ケーキのカップケーキがダントツで美味しかったです^^