Belle Epoque Newington Green ベル・エポック ニューイントン・グリーン
どこからどう見ても完璧なローカル・カフェ「ベル・エポック」♪ もう20年も、キャノンベリー駅から歩いて10分程度の緑のスクエア、ニューイントン・グリーンで昔ながらのフレンチ・ペイストリーを作り続けています。
オーナーさんはパリのダロワイヨで修業を積んだマスター・パティシエのフランス人、エリック・ルソーさん、そして奥様で食品衛生の専門家でもありジャーナリストとしても活動していたトルコ人のフルヤさん。クラシック・フレンチの技術を駆使して作る味よく見目麗しいケーキたちが2009年にセルフリッジのバイヤーの目にとまり、以来10年に渡ってかのフード・ホールにケーキ類を卸し続けていることからも、そのクオリティをお分かりいただけると思います。
このニューイントン・グリーンのオリジナル店は、19世紀半ばに建てられたビルにぴったりとフィットしたレトロな造りがとても魅惑的。週末にここでキッシュを食べたりケーキを頬張ったりすることが、きっと人生の幸せを噛み締めていることと同義なんだと心底思える場所です。
フランスらしさを感じる名物の四角いキッシュはサーモン味がおすすめ。タルト類ならミックス・ベリー! アーモンド・クロワッサンも定番人気の品のようですね。ベル・エポックの真髄は “フレンチ・クラシック” にあり、クラスト生地が焼き締められていない場合もあって現代的な技術を取り入れた商品に比べると「あれ?」と思うこともあるのですが、これは好みの問題なのかもしれません。事実、常連さんたちはここのタルト類が大好きですから^^
2014年にイズリントンの一等地に出した旗艦店では、どちらかというとクリームたっぷりの繊細なケーキ類を主に扱っています(もちろんオリジナル店でも扱っていますが、こちらの方が圧倒的に品数が多いようです)。こういうケーキ類からはパティシエたちの素晴らしいクリエイティビティを感じることができ、心から楽しんで作っている様子が目に浮かぶようですね^^
こちらの2013年時点でのインタビューを読むと、ご夫婦で切り盛りすることの難しさや、乗り越えてきた様々な困難についても触れられています。ロンドンという大きな街で一つのパティスリー・ブランドを20年に渡って継続し、ファンを獲得し、拡大し続けていく難しさ、その大きな意義。どれほどの思いがそこに込められているか、考えるだけで胸がぎゅっとなりますが、彼らのケーキを見ていると創造の愉しさも伝わってきて羨望と敬意を感じます^^ やはり好きなことを続けていくことに意味があるのですね!
来年2022年で20周年を迎えるベル・エポック。これからの20年もそこにあり続けて欲しいと思えるロンドンの宝物です。