H.J. Aris エイチ・ジェイ・アリス
今をときめく東のヒップなダルストンに、2016年に誕生しているジャンク山盛りのヴィンテージ・ショップ兼カフェ・バーがこちら。古い生活雑貨や家具、レコードや置物、アートなどが所狭しと並べられ、コーヒーやカクテルをいただくテーブルさえも売り物だという味のある空間。活気ある猥雑な街でレトロ〜な雰囲気にどっぷりと浸りたい方、そして自宅のインテリアを個性あふれる仕様に変えたいと思っているあなたは、ぜひぜひ一度訪れてみていただきたいイギリスらしいショップです。
それにしても「H.J. Aris」なんて、ショップというよりも司法書士の事務所のような不思議な店名ですよね。ちょっとネットで調べてみましたら名前の由来に行き当たりました。
ビルとしては1868年に建てられたようです。日本はちょうど明治維新の年(!)、イギリスはヴィクトリア朝中期で活気のあった時代です。当初からパブとして造られたようで、19世紀末から第二次世界大戦開始の時期まで、40年に渡って同じランドロードが経営していたようなのです。それが、ヘンリー・ジョン・アリス氏(Henry John Aris)。
長らく貧困により治安がよくないことで悪名高かったエリアですから、この時代に40年間に渡って西ハックニーでパブを経営するというのは、よほど肝が座っていなくてはできないことだったはず。きっと町中の犯罪因子たちが集まってきては儲け話をしたり、よからぬことを企んでいたでしょうから^^ そんな彼らを見て見ぬふりをしながら客として扱い、ときにケンカの仲裁に入り、まとめ上げる力量が必要だったはずなのです。Henry John Arisという名前の前に “Legendary”(伝説の)という枕詞がつくほど、ひとかどの人物ではあったようですよ。
20世紀初頭のある裁判をめぐる資料の中にHenry John Arisさんの名前を見つけたので、きっと証人か何かとして招聘されたのでしょう。そんな歴史に敬意を表して、H.J Arisという名前になったわけですね。イギリスらしい名付け方です^^
このお店で扱っている古いアイテムを眺めていると、ハックニーに暮らす人々のインテリア・センスがよく分かります。ただのジャンクではなくて、歴史を感じるものや、ストーリーを持つもの、空間にパワフルなエネルギーを取り込めるもの。そんな視点で選ばれるであろう個性ある雑貨たちは、名のあるミュージアムで展示品を見ているときと同じ高揚感を与えてくれます。
家にしろ家具にしろ、まっさらなものに関心を示さないイギリス人は多いですよね。十分な分析をしたことはないのですが、A.J Arisのような店に来ると、古いものが持つ魔力に気づかざるを得ません。
入り口入ってすぐのところにバーがありまして、そこで本格的なコーヒーやアルコール類を扱っています。軽食も取れるみたいですよ。
というわけで、なんとも言えない魅力をたたえたA.J Arisなのです。お近くにお越しの際は、ぜひお運びくださいませ^^
2件のコメント
MARIKOさん♡
個性あるカフェ、いっぱいあります♪
ご案内しますよん。
あ~ここも行ってみたい♡
いいカフェあり過ぎますね(^^)