ロンドンの正しい夜食

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昔と比べると随分と味覚が変わったような気がいたします。歳を重ねると食べ物の好みも変わってくるのでしょうけれども、例え同じ食べ物でも随分と美味しく感じるものが増えてきたような気がいたします。

基本的にわたくしは食べ物の好き嫌いがほとんど無いのですが、どういうわけだか日本に住んでいた頃は、枝豆、そら豆、ピーナッツなどそのまま食べる豆はほとんど口にいたしませんでした。豆だけは一つ二つ口にいたしますとなんだかお腹がいっぱいになってしまったのです。枝豆は相変わらずピンとこないのですが、今では豆は大好物の一つで、ひよこ豆、レンティル、キドニービーンズ、グリーンビーンズ、ラナービーンズなどを普段の食事を作る時によく使い、えんどう豆やそら豆なども外食をいたしますと食べる機会がとても多いです。味噌、醤油、納豆、油揚げはロンドンでも毎日のように食卓に出て参ります。

先日、夜半にOld Streetに向かって友人と歩いていた時のことですが、小腹が空いていたものでBrick Laneの ‘Bagle Bake‘ に飛び込みました。あきれたことにその時ちょうど持ち合わせがなかったもので、スモークドサーモンとクリームチーズのベーグルを友人に買ってもらったのです。まぁこのベーグルの美味しかったこと❤️ そういえば20年前は、実はこのベーグルもあまり美味しいと思っていなかったのです。色々なものを口にする機会が歳を取るごとに増えて味覚が洗練されてきたのでしょうか? 何を食べても美味しい枠が広がって楽しいことが多い一方で、それだけ体躯が一回りずつ大きくなるのが口惜しゅうございます。

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洋画とグラフィックデザインを専攻したのち、イラストの道へ。縁あって英高級紙「The Times」の挿絵イラストを担当。同紙から数多くの依頼を受け、新聞のタイトル欄にエリザベス女王と並んでイラストが印刷される。児童福祉に関わる団体をはじめ、クライアント・ベースの仕事をするフリーランスのイラストレーター。4年に渡ってロンドン動物園で週に一度ボランティア活動にいそしんだ経験があり、動物イラストは本物からのインスピレーション。

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