第3話 英国クリスマス・ショッピング考

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minimalist


Chapter1.3
英国クリスマス・ショッピング考

いよいよ今週末はクリスマスですね〜。みんなそわそわしている感じがちょっと日本のお正月前を思わせます。今回はちょっと脱線して、ミニマリスト的観点からみたイギリスの歳末ショッピング考を。

ヨーロッパ圏では24日をお祝いする国もあるようですが、イギリスでは25日がクリスマス本番。各地に散らばった家族が一堂に会し、ツリーの下に山と積まれたプレゼントを一つずつ開けていきます。 お屠蘇みたいに朝からシャンパンを開けちゃったり。そしてプレゼントの後は七面鳥ディナーが待っています。

この集まりのためにイギリス人が買い込むプレゼントの量といったら日本の比ではありません。パートナーや家族だけでなく、親戚縁者や友人の分までいれると10個以上なんてザラ。 お店はもちろんめちゃ混み。オンラインショップもパンク気味。食料品やラッピングペーパー、お酒なんかも買いだめしておかなくてはなりません。

そんなわけでクリスマス当日はともかく、その前のショッピングのことを考えるとうんざりするというイギリス人は結構多いもの。借金してでも(!)25日に何か渡さなければという風習、意地悪くいうと「強迫観念」がクリスマス商戦を支えているともいえます。

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いっそのことお年玉みたいに現金でも渡した方が理にかなっているようにも思うのですが、クリスマス・ギフトはやっぱり箱に入ってきれいなラッピングペーパーとリボンがかかっていないとサマにならないと考えてる人が多い。
とにかく何か買う。相手の欲しいものかどうかというのは二の次。数が多すぎるのでゆっくり選んでいる暇がないというのが本当のところです。

ちなみにイギリスでクリスマス期に店が一斉に閉まるのは25日だけ。実際にはプレゼントを渡す人全員と25日に会う訳でもないし、慌てなくてもそんなに困ることはないのですが。(コンビニは通常営業しているところも多い。)

そして26日にはジャジャーン♪と全国的にセール開始 。今度は多くの人が「お得だから」という理由でショッピングに繰り出します。だから1月のイギリス人は金欠気味。

カレンダーに「クリスマス」という名前の祝日があるだけ。なのに多くの人が「店が閉まってしまう!」「(プレゼントを渡して)体裁を保たなくてはいけない!」「今なら得だ!」といった理由で 奔走する。考えてみれば不思議なものです。

…ちょっとシニカルな見方をしてしまいましたが、なんだかんだいってもクリスマスに大勢で集まったりプレゼントを開けつつワイワイ騒ぐのは楽しいもの。

○ミニマリスト=シンプルでスタイリッシュなデザイン・色のプレゼントしか受け付けないorあげない
○ミニマリスト=お金がない=ケチ=プレゼント嫌いor モノに興味がない

…というわけではなく「もらう・あげる」の両方とも、金額とは関係なく価値があるものにしたいと願うのが ミニマリストのプレゼント。

相手にあまり合っていないものを贈って負担を与えたくない。人から贈られたものを処分するのも、いらないのに大切に持っておかなくてはいけないと感じるのも、ちょっと気が重いものだからです。

「モノ」じゃなくってもプレゼントってできるはず〜。
ということで、次回はクリスマス直前ではありますが「ミニマリストのギフト・ガイド」をご紹介したいと思います。

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About Author

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写真家&ライター。東京で広告制作・編集と撮影の仕事を経て2003年渡英。フリーランスで活動中のアーティスト。ロンドンをベースにアーティストや作家をモデルにした絵画的なテイストを持つポートレート制作などを行う。英国をベースとしたエキシビションを開催。日常系ミニマリズム研究家。「あぶそる〜とロンドン」編集長、江國まゆ氏と共に2018年に『ロンドンでしたい100のこと(自由国民社)』(執筆&撮影)、そして2020年には『レス・イズ・モア 夢見るミニマリストでいこう。』を出版。

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