第7話 ミニマリズムって大変そう?! 

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Chapter1.7
ミニマリズムって大変そう?!

前回、夢のスーツケースの話をしましたが、 実際に旅慣れた人たちの荷造りには学ぶべきものがあります。

「必要なもの、使うものを厳選。困っても現地でまず手に入るから大丈夫。」
「荷物は少なく、お金と時間は多めに 」。

彼らの哲学はシンプルです。やむを得ない場合をのぞき、身軽に、軽やかに。

ワードローブや本棚、引き出しの中身を全部持っていく必要はないですよね。旅先では見るべきところや訪れる場所、新しい出会いがいっぱいです。
ミニマリストたちの人生のスーツケース(前回参照)もこれに似てるのかな〜と思います。

でもやっぱり極端だったり、ものすごく大変そうな気がする?
もしかしたら…

  • モノを捨てまくるなんて資源とお金の無駄!
  • 何もなくなった部屋で寒々と暮らすなんてつまらない
  • 子どもがいるから、パートナーがいるから、仕事・趣味があるから自分には無理。
  • 私は今の生活で満足です!
  • そんな生活、我慢の連続じゃないの?

と感じた方もいるかもしれません。
こんなふうに疑問や反感を持たれた方にも、もうちょっとだけお付きあいいただければと思っています。

それにはこんな理由があります。

1つ目は、繰り返しになってしまいますが、ミニマリズムとはただ盲目的に持ち物を減すことではありません(第5話参照)。確かに持ち物は減りますが、何を捨てるかよりも「何を残すか」にフォーカスします。

そして2つ目の理由。
多くの人が周囲の環境(持ち物、人間関係、仕事、トラブル)の中に閉じこもって、武装しているからなんですね。

え、何のこと?!と頭がはてなマークでいっぱいになったかもしれません。
「武装」というのが大げさなら、自分を守っている、もしくはその環境をよりどころにしている、安全圏にしていると言い換えてもいいでしょう。

たとえば突然引っ越しを余儀なくされたり、あるグループから抜けて新しい人間関係に飛びこんだりするのはちょっと不安なもの。

新学期、転校生1日目、新社員1日目、ランダムな人たちが行き交うパーティの会場、初めてトライするバンジージャンプ…緊張しますよね(ワクワクもするけれど)。

だから他人から今持っているもの(現状)を捨てなさい〜、なんて言われた日には激しく抵抗します。

小さな子どもが、おしゃぶりやお気に入りのぬいぐるみやおもちゃを手放さない、それがないと不安で眠れない…そんな状況に似ています。もちろんそれが悪いことだとか、「そんなボロボロのぬいぐるみさっさと捨てちゃえば?」とせっつくつもりもありません。

それはその人が決めること。
自然にそのぬいぐるみを卒業していく子もいるし、卒業しても素敵な思い出として大切にとっておく人もいます。ある時もういらないやと気がついて誰かにあげたり、何の躊躇もなく捨てる人もいる。人それぞれです。

もしかしたら大人になっても未だにそれがないと不安でたまらない人もいるかもしれませんね。

これは今、自分の周りにある環境についても当てはまります。

もちろん自分が快適さを感じ、完全にリラックスできる安全圏を持つことは大切です。住む所、家族、仲間、仕事、好きなこと、着るもの、食べるもの、持ち物…でもそれが「武装」や「重荷」「鎖」に変わってしまう一線があるということです。

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About Author

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写真家&ライター。東京で広告制作・編集と撮影の仕事を経て2003年渡英。フリーランスで活動中のアーティスト。ロンドンをベースにアーティストや作家をモデルにした絵画的なテイストを持つポートレート制作などを行う。英国をベースとしたエキシビションを開催。日常系ミニマリズム研究家。「あぶそる〜とロンドン」編集長、江國まゆ氏と共に2018年に『ロンドンでしたい100のこと(自由国民社)』(執筆&撮影)、そして2020年には『レス・イズ・モア 夢見るミニマリストでいこう。』を出版。

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