第8話 「自己ベスト」がこわい私たち

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minimalist


Chapter1.8
「自己ベスト」がこわい私たち

今週のヨーロッパは氷河期の始まりか?なんて騒がれるほどの大寒波中で、普段それほど寒くなることのないロンドンでも珍しく雪が降っています。週末なら積もってもいいかな〜、と甘く見ていてはいけないのかしら。

前回は、ミニマリズムに反発を感じる心理について書いてみました。

すご〜く簡単にまとめてしまえば「自分の存在が脅かされるような気がする」から。
単純に「そんなのやりたくないよ、めんどくさいし、時間もないし。」って思うのも、アクションを起こしたくない、安心ゾーンを外れたくない思いからだったりします。べつに名指しで「君、ミニマリズムでも取り入れて人生なんとかしなさい」なんて言われていなくても、なんとなくムカッとしたりするんです。

自分の快適ゾーン、安全圏。

もちろん今自分のいる環境や持ち物、人間関係が本当に大好きで、その人のパワーの素になっている方も沢山います。その一方で、よい方向であっても変化を恐れたり、素の自分がむきだしになってしまうことを恐れて、現状に無意識にしがみついている人も結構多いもの。

その先が自己ベストなバージョンの人生だったとしても、です。

何かにチャレンジして失敗したり、気になる人やグループ、組織に声をかけて拒否されたり変な人だと思われることを恐れている。いつも行くお店やオーダーするメニューを変えるとか、習い事を始めるとかはできるけど、自分にとって重要な変化ほどアクションを起こすのが怖いものなのです。

だってメニュー選びで失敗なら笑って済むけど、大切なことで失敗したら立ち直れないもの〜!!
うまくいったり一歩前に進んだり、周りにサポートしてもらえるってことも全然ありえるんだけど、自分が傷つくという想像の方が怖くて、足がすくんでしまうんです。

前回登場したバンジージャンプと一緒。…あ、そっか。それで私は飛べないんだわ(←高所恐怖症)。

だから自己ベストな人生にあこがれはあっても「私はそんなのいらないもん」「あ〜ムリムリ」「○○だからできる訳ないでしょ」とそっぽを向いていることもあるんですね。そして必死に現状維持しようとする。人間って不思議〜。

たとえば仕事を変える、何かを始める・やめる、結婚する・離婚する、子どもを持つなど変化には不安がつきものだし、エイっと踏ん張る体力&気力が必要です。これまで試したことがない色の服を着たりするのもちょっと勇気がいりそうです。

それは自分がいままでに築き上げてきた世界やルールをいったん破って、新しい環境や体験に身を置くことになるから。しんどさもある一方ですばらしい世界が広がる可能性があるし、失敗することだってある。でもそういうしんどさや失敗って、今の生活にだって存在していませんか?

…ちょっと大風呂敷を広げてしまった感がありますが。

まあ、何か大きな決断をするかはともかく「今の自分に必要なのものは何かな? 自分にとってこれは価値があるかな? 自分を引き止めているものはなにかな?」と問いかけることを繰り返していくと物理的&精神的にどんどん身軽になっていきます。足取りも軽くなり、スキップもジャンプも気軽にできるようになる。「あれ、なんでこんな重いもの持って歩いてたんだっけ?」と気がつく時が来る。

軽やかに夢の人生を生きる。
やっとこのコラムのサブタイトルが登場しました。(ジャーン!)

それがミニマリズム的思考&ライフスタイル。

次回はいよいよ実際になんでモノが増えるのかということについて考えてみようと思います♪

※質問・感想などありましたら、下のコメント欄か私のサイト経由(コンタクト・フォーム)でご遠慮なくメッセージを送ってくださいね。

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About Author

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写真家&ライター。東京で広告制作・編集と撮影の仕事を経て2003年渡英。フリーランスで活動中のアーティスト。ロンドンをベースにアーティストや作家をモデルにした絵画的なテイストを持つポートレート制作などを行う。英国をベースとしたエキシビションを開催。日常系ミニマリズム研究家。「あぶそる〜とロンドン」編集長、江國まゆ氏と共に2018年に『ロンドンでしたい100のこと(自由国民社)』(執筆&撮影)、そして2020年には『レス・イズ・モア 夢見るミニマリストでいこう。』を出版。

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