英国アンティーク博物館、BAM堂々オープン!→ 9月23日

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秋の観光シーズンを迎え、そろそろイギリス旅行に行きたいな〜という読者さんも多いかと思います。今日は趣向を変えて日本にいながらにして英国気分を味わえる英国アンティーク博物館をご紹介します。

JR鎌倉駅から若宮大路に出て、海を背にぶらぶら歩くこと約10分、鎌倉八幡宮に向かって右手に黒いロンドンキャブ(タクシー)が見えてきます。その背後には、細長いモダンなファサードのすっきりした小ぶりのビルの全面にはBAM(Britidsh Antique Museeum) のロゴが目を引きます。ここは鎌倉に2022年9月23日オープンの英国アンティーク博物館。一足先に内観させていただき、館長にもお話を伺いました。

公式ウェブサイトから

 

 

館長の土橋正臣さんは、ロンドンキャブを10台も所有する英国アンティークコレクターです。20年以上前からイギリスを訪ね、その古き良きモノを次世代へ引き継ぐ精神に共感したという、公私ともに認める英国文化のファンでおられます。

アンティーク家具の輸入業をするかたわらロンドンキャブ以外にも、家具やシルバーをはじめ膨大なコレクションを抱え、その一部を博物館として一般公開することになったそうです。

全4階の館内は、2階ジョージアン・ルームから見学開始。明かりを落とした中で圧巻のシルバーコレクションと150年以上前から英国紳士の足元を守ってきたジョン・ロブ ロンドン本店の地下を再現した古い靴木型100コ以上が展示されています。

 

3階はシャーロック・ホームズの居間、書斎とベッドルームをロンドンのシャーロックホームズ博物館と提携して、当時の様子を完璧なまでに再現してあります。ファン垂涎のビクトリア時代の初版本コレクションだけでも、シャーロキアンが泣いて喜びそう。

4階ビクトリアン・ルームには、アンティークのピアノなど楽器や家具が展示されています。土橋館長がみずから巨大な蓄音機を手で巻いて、最近お亡くなりになったエリザベス女王の生年1926年当時のウェストミンスター寺院の鐘を聴かせてくれました。

館内は、英国アンティークを各階ごとに特色を見やすく展示してあるので、イギリスファン、ホームズファンの方は、ぜひ足を運んでいただきたいと思います。

内部にたいして外側は、古都になじむような古き良きモノの香りをモダンにアレンジしてあり、八幡宮の鳥居や若宮大路にも違和感のないたたずまいです。

 

これは鎌倉にゆかりの建築家、隈研吾氏の建築で、日本の伝統、とくに鎌倉彫を意識した木のぬくもりを現代的に取り入れたファサード(前面)は館内のアンティークを鑑賞するためにあえて窓をなくしたそう。

隈研吾氏は、スコットランドのダンディに2018年完成したV&A美術館分館の建築も手掛けていて、筆者も2年前に川辺に立つ大きな船のような建築を体験して来ました。

この2つの博物館建築は、本当に対照的です。

大と小。石と木。

ただ共通していることは、どちらも周囲の環境や文化的文脈に違和感なくとけ込んでいること。

じつは、個人的に感激したのは、最上階のティールーム(茶室)でした。これがまさに日英の文化融合の印と感じたからです。スコットランド出身で、アーツ&クラフト運動で有名なチャールズ・マッキントッシュ風のテーブルと椅子2脚で立礼式茶室の趣となっています。

美術館全体では窓のない建築なのに、ここだけは縦に細い窓を切るという憎い演出。ここから八幡宮と三の鳥居がまるで掛け軸のように、借景として眺めることができる仕掛けなんです。

八幡宮の裏山(扇谷)は60年代に住宅地として破壊されそうになったところ英国の環境保護団体ナショナル・トラスト運動に影響を受けてうまれた、古都の景観を保護する運動によって守られたということで、ここでもイギリスと古都鎌倉のご縁を感じます。

この茶室の床は12世紀のイギリスのオーク材、壁はやはり800年前の日本の木材と和紙だというから驚きです。建築前調査で、北条氏邸があったというこの土地から発掘された鎌倉時代の木材と和紙を生かした独特の空間となっています。

「いつかここでお茶会などできたら良いですね」と、まだ具体的な計画はないけれど……と土橋館長のお言葉でした。

BAN鎌倉のテーマは「次世代へ古き良きものを引き継ぐ」。

そのためには、人々の手によって愛でられて、時を経て使い込まれたモノ達に触れてほしいと思います。もしかしたら傷があるかもしれないけど、本物とはそういうものかもしれません。

イギリス人は100年以上経たないとアンティークとは呼ばない、とよく言います。古き良きモノを、大切に手をかけて使うことが、究極のサステナビリティなのかもしれません。

使い捨て文化とは真逆のアンティークの世界、ぜひ本物に触れる時間を楽しんでみてください。

英国アンティーク博物館
www.bam-kamakura.com
神奈川県鎌倉市雪ノ下1-11-4-1

2022年9月23日オープン
開館
:火〜日 10時〜17時(最終入館 16時30分)
休館:毎週月曜(祝日の場合は開館、翌日閉館)
料金:大人 1,300円 中学・高校生 1,000円 小学生 500円 幼児無料

「隈研吾 鎌倉に小さな英国アンティーク博物館をつくる訳」隈研吾監修 土橋正臣著
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About Author

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ヨガセラピスト、アーユルヴェーダヘルスコーチ。がんフレンズネットワーク主宰。神奈川県逗子市の海辺育ち。2013年から英国ロンドンとコッツウォルズの田舎でのデュアルライフを実践。皆さんが「今・ここ、この季節のじぶん」に必要なセルフケアを選んで実践できるように、身体からのアプローチで習慣を変えるコーチングを得意とする。身体も心もアイデンティティも進化させるオンライン講座、メルマガやブログ記事を英国から発信中。大好きなものは、野草摘み(Foraging)、手作りスキンケア、海、オペラ。 インスタグラム:@mariko.yoga

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