かくもビミョーな獣医エクスペリエンス(前編)

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イギリスで猫を飼っているみなさん、獣医さんに満足されてますか? 私は正直言って今ひとつです☹ そんなこともありまして、今回はこれまでの獣医体験の巻。

これまたレスキューセンターのアドバイスに素直に従いまして、タムタムとラミーを飼い始めてまもなく最寄りの獣医に登録しました。また万一、大怪我をしたり厄介な病気にでもなったりした場合、本当にシャレにならないほどの医療費が必要になるという話はあちこちからよく聞いていたので、レスキューセンターから薦められたペット保険「Petplan」にも加入しました。こちらはひとまず1年間の契約で、1ヵ月に£30ちょい(2匹分)を分割で支払うプランです。レスキューセンターからの紹介ということで、最初の2ヵ月間は無料サービスが付いていました。

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このPetplanなら、毎年更新すればラミーとタムタムを生涯補償してくれるそうです

獣医に登録する際に、夫が「ノミ予防トリートメントについてちょっと聞いてみる」というので、おまかせしたところ(私一人だったら、実際にノミが発生するまで予防トリートメントの必要性など思いつかなかった)、月イチでやったほうがよいというアドバイスを受けました。屋内飼いだし大丈夫だろうとつい高をくくりたくなりますが、知らないうちに人間が外からノミを持ち込んでいることもあるらしく、ノミが発生してしまってからでは遅いとのこと。わざわざ猫たちを連れて行かなくても、トリートメント剤を獣医で購入すれば自分たちで処方できるということだったので、獣医でおくすりをもらってきました。

このトリートメント剤、日本でもよく知られているものかと思いますが「アドバンテージ」という、猫の首のうしろにスポット滴下するシロモノでして、けっこう強烈なニオイがします。しかも滴下してしばらくすると、まるでその部分に油でもたらしたかのように、徐々に毛がテカテカと湿ってきて、猫たちも非常に鬱陶しがり、必死で首をひねって患部を舐めようとしたり、時に狂ったように床を這いずり回ったりして、見ていて可哀想になります。加えて、うちは2匹なので、互いにグルーミングでもしておくすりを舐めてしまったらアカンということで、処方する日は最低数時間は別々の部屋に隔離しておかねばならず、毎回けっこう大がかりです。

性格が単純で食いしん坊のタムタムはいまだにエサにつられて無防備になり、比較的簡単にスポットさせてくれますが(しかしその後、大暴れ)、賢いラミーはこれを数回経験して以来、少しでも怪しい雰囲気になると ー 例えば私たちが突然ドアを閉めて、手におくすりを隠し持っている状態で猫なで声で近づいて行ったりすると ー すぐにその空気の変化を感じ取って(いやはや本当にもって鋭い、真の動物的勘でございます)、ものすごい速さで逃げるようになってしまい、最近ますます手がかかるようになってきています。何かもう少しクセのないおくすりとか、簡単にできる方法なんかがあるといいんですけどねえ。

それはさておき、このおくすり、市販されていて、Amazonなんかでも£10ちょいぐらいで買えることが後に判明したのですが、最初に獣医で処方された時は、確か2〜3倍ぐらいの金額を支払いました。実は、別件で違うおくすりを処方された時も後に市販されているものだったことがわかったので、以来ネットで安く購入するようにしています。多少の上乗せは初診料の一部と考えて納得するとしても、あまりの金額の差にちょっと愕然としちゃいますね。

まあでもこれは、比較的よくある話のようなので、とりあえずよいとしても。

この1年間、2匹とも特に大きな病気や怪我などはしていませんが、2度ほどタムタムに事件が起こりました。

まず最初は、夏のある日のことでした。少し前から異常なほど頻繁にトイレを訪れるものの、用を足している気配がなく、不快そうにしている症状がタムタムに見られ、心配していた私たち。ネットで調べたところ膀胱炎の疑いが濃厚だったので、いよいよ初めて獣医に連れて行くことに(ドキドキ)。

当初、運悪く混み合っていて3日間ぐらい待たなくてはならない状況だったのですが、予約を入れた翌日に再び獣医から電話があり「膀胱炎で尿路結石にでもなってしまっていると万一手遅れになる場合もあるので、やはりすぐ診ましょう」とのことで、その日の夕方に急遽、慌てて病院へ。

レスキューセンターから初めてうちまで連れてきた時は、電車に乗ったりもしたのに全く物怖じしなかったタムタムですが、以来、一歩も家の外に出たことがなかったせいか、はたまた体調不良で不安が募っていたところにキャパオーバーな状況に追い込まれたせいか、ケージにはすぐ入ってくれたものの、外に連れ出した途端にケージの中で「ハッハッハッハッ」とものすごく荒い呼吸をしはじめ、聞いたこともないような只事ではないトーンで「みゃお。みゃお。みゃお」と鳴き続けるので、私たち(というか私)もややパニック状態になり、歩きながら必死で話しかけたり、水を与えようとしたりしたものの、一向に状況は変わらず。

いくらうちから歩ける距離だといっても、尋常ではない状態の小さな野獣が入ったケージを運びながらの20分ウォークはけっこうしんどく、今回ばかりはUber(個人タクシーのようなものですね)でも利用すればよかったと後悔しているうちに、なんとか獣医に到着。ふう。

担当医は若い女医さんで、とてもいい人だったのですが、パニクるタムタムに少々手こずったせいか、私たちへの問診だけで「膀胱炎」と診断(実はタムタムは道中お漏らしをしていたので、尿路結石などの可能性はなく、ひとまず安心ですと言われた)。また、タムタムの体重を測ったところ、少々太り気味なので、食事に気をつけることと、タムタムはもともとストレスを感じやすい性格とのことで(ストレスは膀胱炎の原因にもなりうる)、なるべくストレスの原因をつくらないようにしてあげてくださいとも言われました。

ストレスかぁ……。だいぶ好き勝手にのびのび暮らしてるように見えるけど……まあ、何にストレスを感じるかは人(猫)それぞれですからのぅ。

そんなこんなで、膀胱炎のおくすりを処方してもらい、診察は終了。再びケージに入ってもらい、往路もまたゼーハーしながら、どうにかこうにか帰宅。

し、しかし、実はここからが大変だったのであります!!

(つづく)

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About Author

旅行誌や情報誌、広告等の編集&ライターの仕事を経て2005年に渡英、デヴォン州に約9ヵ月、ロンドンに約4年滞在。2008年頃からベースを弾き始め、バンド活動を開始。2010年より東京—ロンドンを行き来し、2014年に結婚を機に拠点をロンドンに移す。現在は主に翻訳ローカライゼーションの仕事をしながら、DIYパンク/インディポップ/ガレージポップ系の複数のバンドで活動中。 Etsy shopオープン中です:https://www.etsy.com/uk/shop/TubbingRummy

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