今年も残すところあと2週間、ロンドンがまるで無人都市のようになってしーんと静まり返るクリスマスも、もう目の前ですね。
イギリス、というか欧米で「クリスマスといえば」なアイテムのひとつに、アドベント・カレンダーがありますよね。もともとはその名の通り、アドベント期間(キリストの降誕を待ち望む期間)を数えるためのものだったようですが、モダンワールドにおけるアドベント・カレンダーは12月1日から25日までとなっているのが通例で、毎日その日の日付の小窓を開けてクリスマスデーまでのカウントダウンを行うというわけです。最も一般的でスーパーなどでも各種売られているのが、各小窓にチョコレートが入っているもので、主にクリスマスを心待ちにしている子供に買い与える「もういくつ寝ると」的なチョコ・カレンダーですね。
とはいえ、大人で、クリスチャンでも何でもなく、クリスマスに特に人並み以上の思い入れがあるわけでもないのに、この「日めくり」がもたらすちょっとしたワクワク感がいまだに好き、という私のような人もいるでしょう。まあかくいう私も、これまで積極的にアドベント・カレンダーを買い求めるほどではなかったのですが、今年は何かの買い物のついでにこんなのが目に入ってしまって、つい入手してしまいました、ふふ。
このカレンダーを手がけているレスリー・アン・アイボリーは、ご覧のとおり、目を見張るまでのリアルで綿密な猫の絵で知られる、英国の猫専門画家です。イラストレーション・ブックやカードから陶磁器にいたるまで、さまざまなグッズが販売されているので、どこかで見たことがあるという人も多いのではないでしょうか。
細部に徹底的にこだわった筆使いに猫たちへの愛が感じられる彼女のユニークな絵は、一度見たら忘れがたいものがあります。猫の絵もさることながら、緻密で鮮やかな背景画も特徴的。全国紙のコンペに入賞して注目を集めた当初のデザイン構想は「ペルシャ絨毯の上にいる、自宅のペルシャ猫の再現」だったそうですが、テキスタイル・デザイナーだった母親の影響もあるようで、大英博物館やV&Aで文様や布地パターンのリサーチに多大な時間を費やし、自身のアートに反映させているそう。この独特の背景画によって、猫が持つ神秘性やコズミックな雰囲気がさらに強調されているように思います。
80歳を越える今も精力的に制作を行っていて、自身のウェブサイトを立ち上げたのも2年前のことだそうです。ちなみに動物愛護のボランティア団体Caring for Animalsのオンラインショップで、レスリー・アン・アイボリーのクリスマスカードを各1ポンドで販売しています。って、今さらクリスマスカードは遅いですね(でもクリスマスは毎年やってきますから、来年用に買っておいてもいいかも?)。買い物に便利そうなビニール製のショルダーバッグなんかも売ってますよ。ほかにも猫をはじめとするいろんなアニマルグッズがとても控えめな値段で売られていて、売り上げはアニマルレスキュー費用に使われるので、気軽にチャリティに貢献できます。興味のある方はぜひチェックしてみてください。
あ、ついでにおなじみ、Celia Hammond Animal Trust への寄付はこちらからどうぞ!
最後になりましたが、非常にスローペースな更新にもかかわらず(汗)、今年もお付き合いくださいましてありがとうございました。ではではみなさま、楽しいクリスマスを、そしてよいお年を!