犬たちは、夏のベストな過ごし方を知っている

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暑くなってきましたねー。
みなさんは、夏、好きですか?
ヨシエは、大好きです!

中華まんを蒸しているせいろの中にいるように汗が噴き出し続ける日本の夏も、それに比べるとずっとドライで、ひたすらじりじりと焼かれる感のあるイギリスの夏も、どちらも同じくらい好き。
イギリスでも、近年どんどん夏の暑さが増しているため、一般家庭でもエアコン導入を検討中とか、そういう話が友人たちとの会話に出てくるほどにもなってきています。

このあいだは、(そのうち新しく建てようと計画中の)ガーデンアトリエのショールームに行ったら、そこでもエアコン付きオプションの紹介をされたりしたなあ。

とはいえ、うち、アラン家は、Lee (夫) も新陳代謝を良くするためにサウナに通うくらい暑さに強い人だし、キッズも幼少時から定期的に日本(福島)の盆地の蒸し暑さになじんでいるので、イギリス暮らしの夏には各部屋に扇風機を出して、寝る時はアイスパックを枕や脇の下に仕込んで寝て、暑さとうまくやっていっていく、そんな心意気でおります。エアコン、けっこう高いしね … 。

それはさておき、今日も犬の話

暑いと、ドッグウォーカーは、いつもよりさらにフレキシブルにお散歩プランを練るようになります。

「ヨシエ、今日は暑すぎるから、もしうちの子が散歩に行きたがらなかったら、庭でトイレだけさせて、家の中でおもちゃで遊んでもらえる?」「OK!様子を見て、外に行きたがっていれば森に連れて行くね」なんて飼い主さんとの携帯メッセージのやり取りも多くなります。

午前中早い時間のお散歩予約の子だったら、アスファルト道路もまだそこまで熱くないし住宅街を通ってフィールドに向かうことができるのだけれど、お昼に近づくと、もうアウト。

とても道路を歩かせられる温度ではないので、犬たちの家からまっすぐ車に乗せて、木陰の多い森や水辺を目指します。

あと、毛の多い子と、犬種により、もともと寒い国にいるはずの子(ハスキーとか)、鼻面の低い系の子(うちのマーゴもそう)はとくに高温に弱いので、なるべくずーっと木陰にいれるような行き先を見つけます。

というわけで、森へ着くと、犬たちはいつものように大興奮で車を飛び降りて、お散歩のはじまり。

森の中は、ひんやりと気持ちよく、高い木々の葉っぱから射す光が地面につくる美しい影や、鳥のさえずりが、すでに極上の癒し空間。

犬たちの真似をして、いつからか、ヨシエもお散歩中に犬たちの目線に合わせて座り、地面や切り株や花や葉っぱ、石や苔、あらゆるものの匂いを嗅いだり素手で触ってみることが日課となりました。

乾いた木の皮の匂いは、使いこまれてそろそろ洗濯の時を待つ枕の匂いに似ていたり、図書館でひとりで本を開いて過ごしていた時の記憶や、子供時代のいとこたちとのお泊まり会の記憶や、お気に入りの赤ワインからも嗅ぎとれたことのある匂いだったり。

少し湿った地面の匂いからは、「ああ、今、生きてここにいるなー!」という実感と活力が足もとからムクムクとたちのぼってきて、そこに、どこからかバニラのようにほんのり甘い匂いや、わずかに鉄っぽい匂い、水を含んだ空気と、ちぎったばかりの葉っぱの匂い、そよ風が運んでくる向こうの放牧場か農場からの肥料の匂い、などなど、毎日すこしづつ違う匂いと記憶のイメージがつながるのも楽しい。

そんなこんなしているうちに森を抜けて水辺に着くと、犬たちはさっそく、思い思いに遊びはじめます。

ボールと泳ぎが大好き派の子は、何十回でもヨシエが川に投げ入れるボールを取りに行き、戻ってきてはブルブルと水しぶきをまき散らし、そしてまた「早くボールをまた投げて!」とひと吠え。

泳がない派の子は、水際をうろうろしたり、ちゃぽんと前足だけ入れてみたり、そうしているうちに水から上がってきた子のブルブルを浴びてけっきょく全身びしょ濡れになったりするので(ヨシエも)、毎回大笑いしてしまいます。

その中でも、毎回ひと際笑わせてもらうのは、うちのマーゴ

彼女、水たまりや小川を見つけると、すうっと音もなく入っていき、スフィンクスのようなポーズになり水に体を沈め、しばらく水浴をするのがお気に入りなのです。

まわりでほかの犬がどんなにはしゃいでいようとも、完全に「瞑想でもしているのでは?」という風貌で微動だにしないマーゴは、ヨシエのヨガをやる時の、いいお手本にもなっているのでした。

これからどんどん暑くなると、水辺で遊ぶ時間も増えるので、ヨシエもそろそろ、水に入れるアクアシューズ(ウェットスーツみたいな素材でできた、ゴム底の海水浴用の靴)をひっぱり出して、水しぶきな毎日への準備を万端に!

今回のスケッチは、小川でなごみ中の、バングルとマーゴ

みなさんも、暑い毎日を、楽しくのりきりましょうー♪

ヨシエのインスタグラムのストーリーズでは、イギリスでの犬散歩中の森や小川の風景を時々シェアしています。イギリスの自然散策気分を感じてみたい方は、この記事の下の「ブログ」ボタンからご覧くださいね。)

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About Author

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1979年、福島県生まれ。漫画描きやDIY、動物のお世話を楽しむ子ども時代を経て、日本大学獣医学科在学中に進路を変え、ESMOD JAPON東京校でファッションデザインを専攻。 アパレル業界に勤務後、2006年より東京を拠点にイラストレーター・コラージュ作家「ヨシエ」 の名で作品の発表をはじめる。 絵本「世界にたった2人の仕立てやさん」の雑誌 Spoon. への掲載以来、書籍イラスト、広告・展示・イベントのコラージュや布ハギレの立体作品、ファッション・インテリア柄デザイン、オーダーメイドのアートワークなどを数多く手がける。 2014年から、アーティストの Sarah Bellisarioと組んだデュオ ‘Sas and Yosh’ でのデザインも担当しており、商業・病院施設などの壁画、書籍挿絵や柄デザインなど、デジタルイラストレーションをイギリス国内外へ発信している。 近年は、自然からインスパイアされた光と影のコントラストの中に自分なりの人生哲学を織りまぜ、それをペインティングやドローイング、切り絵や色とりどりの素材ハギレ、柄で表現することに興味があり、色と素材と遊びながら模索中。 ロンドン郊外の小さな歴史ある町に家族と暮らして10年以上になる現在、愛犬マーゴをきっかけにはじめたドッグウォーカーとペットポートレート制作もライフワークに加わり、笑いと発見の溢れるリズミカルな毎日を楽しんでいる。 著書絵本は「ヨシエフォンデュ」(角川書店)、「ポンポルトンタン」 (祥伝社)、「ツキミモザ」「ギイドロとマレンカレン」(Skyfish Graphix)、「ハッピーイースター」 (くもん出版) 他。

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