ザアザア雨の昼下がり。私は犬たちとフィールドへ出た

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アーティスト活動のことで、なんとなく空回りな感覚が生まれてモヤモヤしていた、ザアザア雨の昼下がり。

愛用の黒い長靴と、お気に入りのモーヴ色のレインコートを着て、ウディとバングルといつものフィールドへ。

空を見上げて顔に浴びる雨粒は冷たくて、でも前よりも生温かくなっていることに気づく。

バングルのもじゃもじゃ毛からは絞っていないモップみたいに水が滴り、お散歩を終える頃にはボディも半分の細さになっていて、まるで別犬のようなその姿に大笑い。

泥だらけになったタオルを添えて二匹を家に送り届け、次はアーニーとビイとベティの家へ。
緑地へと続く誰もいない路地裏では、雨の中、水たまりで羽根を洗う小鳥に出会う。
犬たちが水たまりを避けて歩くそばで、水たまりを思いきり蹴ってみる。

緑地で犬たちが地面の匂いを嗅ぐあいだに、灰色の雲のすきまから白い光が差し込み、その光と雨の中を黒い点々の鳥の群れが横切っていく。
それはひとときの出来事で、すぐにまた灰色の空に戻る。

ビイのブルブル水しぶきをかけられたアーニーの渋い表情や、地面の匂いを堪能しすぎて長い垂れ耳がドロドロになったベティのなんともいえない表情に、また大笑い。

帰り道には、街路樹の枝先にもう桜が咲き始めていることに気づく。
家に入る前にタオルで拭かれるのを本気で嫌がる犬たちの表情がおかしくて、またまた大笑い。

びしょ濡れで自分の家に戻る頃には、モヤモヤした感情はきれいに洗い流されて、とても恵まれた気持ちに満たされていた、そんな雨の犬散歩。

熱いシャワーとコーヒーをおともに、午後の作品づくりもはりきれそうです。

イギリスでアートと
ドッグウォーカーの仕事をして
暮らすアラン ヨシエの
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犬散歩中に見る風景を、
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*インスタグラム:@yoshiemilkallan.art

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About Author

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1979年、福島県生まれ。漫画描きやDIY、動物のお世話を楽しむ子ども時代を経て、日本大学獣医学科在学中に進路を変え、ESMOD JAPON東京校でファッションデザインを専攻。 アパレル業界に勤務後、2006年より東京を拠点にイラストレーター・コラージュ作家「ヨシエ」 の名で作品の発表をはじめる。 絵本「世界にたった2人の仕立てやさん」の雑誌 Spoon. への掲載以来、書籍イラスト、広告・展示・イベントのコラージュや布ハギレの立体作品、ファッション・インテリア柄デザイン、オーダーメイドのアートワークなどを数多く手がける。 2014年から、アーティストの Sarah Bellisarioと組んだデュオ ‘Sas and Yosh’ でのデザインも担当しており、商業・病院施設などの壁画、書籍挿絵や柄デザインなど、デジタルイラストレーションをイギリス国内外へ発信している。 近年は、自然からインスパイアされた光と影のコントラストの中に自分なりの人生哲学を織りまぜ、それをペインティングやドローイング、切り絵や色とりどりの素材ハギレ、柄で表現することに興味があり、色と素材と遊びながら模索中。 ロンドン郊外の小さな歴史ある町に家族と暮らして10年以上になる現在、愛犬マーゴをきっかけにはじめたドッグウォーカーとペットポートレート制作もライフワークに加わり、笑いと発見の溢れるリズミカルな毎日を楽しんでいる。 著書絵本は「ヨシエフォンデュ」(角川書店)、「ポンポルトンタン」 (祥伝社)、「ツキミモザ」「ギイドロとマレンカレン」(Skyfish Graphix)、「ハッピーイースター」 (くもん出版) 他。

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