ロンドンの中心部にある広大な公園といえば「ハイド・パーク」。市民や観光客、そこに住むリスや鳥たちの憩いの場であります。
そしてここ大阪に「大阪のハイド・パークっちゅうたら、靭(うつぼ)公園やで〜」と、ボーダーポロをサラリと着こなした紳士がひとり。コーディネートされた彼の時計と靴紐もセンスよく輝いています。5月に靱公園のイングリッシュガーデンに咲き誇るバラを鑑賞してきた私は、その紳士の説に「そや!その通り!」と思いました。
彼の名は 吉田 博さん。大阪のハイド・パークといわれる靱公園の南にある、マニアックなアロマキャンドル・セレクトショップ「ワンオーバーエフ」の店主さんであります。
以前、靱公園のバラ園のお話を紹介した時に、読者の方から「靭公園近くのキャンドル専門店がお気に入りです!イギリスのキャンドルも多数。靭にいらしたら是非!」とのメッセージを頂戴し行って来ました!(ありがとうございます♡)
「あ〜いい香り!」
ショップに入ると一歩二歩と足が先へと進みます。テスターサンプルが様々な香りを放っているのに、バランス良い心地よさで満たされています。香りの配置を意識したくつろぎ空間です。
そして顔を上げると爽やか笑顔の吉田さん。その品格と爽やかさは身にまとう洋服からも感じられます。
それもそのはず! 吉田さんがファッションに興味を持ち始めたのは中学生の頃。亡きお父様が、メンズショップに勤務されていた影響もあり、気がつけばメンズアパレルに就職。そののちレディースの英国ブランドのライセンス企画を担当しました。出張で英国各地を訪れ、英国ファッションと英国ライフを肌で感じたそうです。
なかでも行く先々でセッティングしてもらったマナーハウスホテル(貴族の館などを改築したホテル)はどこも素晴らしく、食事、環境、ホスピタリティー全てが完璧でした。そしてどの部屋にもポプリがあり、その香りに癒されたそうです。部屋のドアを開けた瞬間に漂う心地よい香り。この出会いが潜在意識としてあり、これが現在のアロマキャンドルショップに結びついたのは言うまでもありません。
ショップを訪れたのが6月。エリザベス女王即位70周年のお祝いプラチナジュビリーの頃でした。というわけでイギリスをはじめいくつか気になるブランドのキャンドルをご紹介しましょう。
こちらは1991年にイギリスで設立されたストーングロウのプラチナジュビリーエディション。【ハニーサックル&ゴールデンアンバー】は、スイカズラとスモーキーでウッド系の落ち着いた香りのアンバーとのブレンド。【スィートヴィオラ&シダーウッド】は甘いフローラル系のヴィオラに爽やかでスパイシーなシダーウッドをブレンドしています。
吉田さんはデイフラワーキャンドル【イラン&オークウッド】の再入荷は難しいと思って諦めていたそうですが、なんとか手に入れることができたそうです!
オーストラリア発グラスハウスのキャンドルは、2つの芯でロウをまんべんなく溶かすので、最後まで香りを楽しむことができます。ブルーの箱の【キプロス】は、男性的な爽やかなフレグランスですが、なぜか女性に大人気なんだそうですよ♪
イギリス・イーストサセックスにあるイングリッシュ・ソープ・カンパニーは、 ロンドン南西部にある王立植物園キューガーデンとコラボにより生まれたアロマ石鹸やキャンドルの会社。ベジタブルオイルをベースに植物性グリセリンやシアバターを含んでいます。売り上げの10%はキューガーデンに寄付され、この庭園の保存と研究に寄与しています。
こちらはインテリアデザインメーカー・ファイヤードアース社とワックスリリカル社とのコラボから生まれたティ―ライトキャンドル・コレクション。すでに英国では廃盤となっているそうです。コロナやウクライナの影響もあり、積み残されていた【グリーンティー&ベルガモット】が7月末に入荷しています。
こちらは、手軽に薪ストーブ感覚を楽しめる「ちいさな まきストーブ ランプ」。重量652グラムの本格派です。虫が嫌うといわれているシトロネラオイル入りキャンドルと組み合わせると、天然虫除けアロマに。ゆらゆら揺れる炎に、頭も体もリラックスできますね。
虫除けキャンドルとセットでキャンプに持って行く人が多いのが、アメリカ製 ハースウィック。香り、見た目、木の芯(ウッドウィック)によるパチパチ音が特徴です。自宅でキャンプ気分も味わえます。
こちらはイギリス、ヨークシャーにある老舗バスケアメーカー フィカーツのハンドクリーム【グリーンティー】。手につけると、ベタつかず浸透力の強さを感じます。ほんのり香る甘さが、本来の爽やかさを際立たせます。残念ながら日本の代理店の事情で、在庫がなくなり次第、日本での展開は終了する商品です。
絶大な人気を誇るイタリア発ルディのマヨルカコレクションのハンドソープ。見た目、陶器だけれど陶器ではありません。デザイン、クオリティ、プライスの良さがお客様に支持される理由。ハンドクリームもおすすめです♡
ワンオーバーエフでは、さまざまな生活空間の中で生きるキャンドル、そしてフレグランスをご提供しています。灯りやアロマが織りなす素敵なライフスタイルが、ここにあります。お店で、またはオンラインショッピングで、あなただけのお気に入りを探してみてはいかがでしょうか♪
ここで吉田さんに質問!
ナミヘイ 「お店に来られるお客様の中で、一番多い質問はなんですか?」
吉田さん 「せっかくお部屋がいい香りになったのに、フーッと息を吹きかけて消したらコゲ臭いにおいがして、せっかくのいい香りが台無しになっちゃうのどうにかなりませんか?というお悩みですね。」
その解消方法とは?
吉田さん 「火を消す際は息を吹きかけるのではなく、燃えている芯を溶けたロウの中に浸けて消してください。その際に使用するのはお箸でも、ピンセットでもなんでもいいです」
ちなみに吉田さんは爪楊枝を使っているそうですよ。こうすれば、いやなコゲ臭は全くしません。「但し、浸けた芯は必ず元に戻しておいてくださいね!」(なるほど!)
自分の中で敷居が高く感じていたアロマキャンドルのお店でしたが、全くそうではなかったことを今回体験しました。キャンドルとは?香りとは?色々お話したい方は一度このお店の扉を開けられることをお勧めします。
「日本国中探してもこれだけの種類をそろえたショップは存在しません!」
キャンドルの炎に魅せられ、あっという間にアロマキャンドルの専門店をオープンされた吉田さん。
お店の名前「ワンオーバーエフ」は、実は「エフ分の1の揺らぎ」という学説の英語名なんだそうです。では「エフ分の1の揺らぎ」って一体なんなのか?
『世の中の事象、現象はすべてある一定の周波数で形成されているのですが、中にランダムにその周波数が変化することがあるそうです。この変化を「エフ分1の揺らぎ」といい、このランダムに狂うことが実は人間の五感には非常に心地よいそうです。小川のせせらぎ、木の葉を揺らす風の音などの自然現象もあれば、宇多田ヒカル、徳永英明などの声も、この「エフ分の1の揺らぎ」を持っていると言われます。そんななかでも「キャンドルの炎の揺らぎ」はもっとも典型的な現象です。夏の灯火会などに、自然に人が集まるのもそのせいかも・・』(Amebloキャンドルショップオーナーのつぶやきより)
読者の方のメッセージで立ち寄ることになった一軒のキャンドルショップ。店主さんの人生を知ることで、アロマキャンドルという新しい世界に一歩、足を踏み入れることになりました。
この記事が掲載された頃、私は関西で夏休みを過ごしている予定です。ふら〜っと、大阪のハイド・パークといわれる靱公園の南にある、マニアックなアロマキャンドル・セレクトショップ「ワンオーバーエフ」さんを再訪してみようかな。
「おっ!来たね〜」
そんな吉田さんの声が聞こえてきそうです。
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【 1/f ワンオーバーエフ 】
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