冬のナイアガラ。命がけのアフタヌーン・ティー! 王子ゆかりのホテルに恋して。

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昨年のクリスマス時期はアメリカとカナダが歴史的な大寒波に見舞われ、私と娘がその瞬間を目の当たりにしてしまったお話は、少し書きました

12月23日正午にはトロントからナイアガラに到着しましたが、すでに暴風雪警報が発令され、外を歩けるような状態ではありませんでした。強風に押される経験をしたのはこの時が初めてです。両足が風に取られ自分ではどうすることもできませんでした。あの時目の前に柵がなければ、私はどこまで風に流されていたのだろうかと思うと恐ろしくなります。ホテルはカナダ滝が真正面に見える部屋を選びましたが、視界は全て真っ白、何も見えません。かすかに真下の道路が見える程度です。夜の花火の打ち上げも全てキャンセルとなりました。

真夜中にホテルの窓から外を見ると、滝を映すイルミネーションで冬のナイアガラがぼんやり、浮かび上がっていました。

翌24日、滝から車で20分ほど北上したナイアガラ・オン・ザ・レイクへ移動です。クリスマスイヴにアフタヌーンティーを楽しもうと宿泊するホテルで予約を入れていますが、この場所から移動できるのかというくらい寒波は勢いづくばかり。交通手段はウーバーしかなく、通常40ドルのところ寒波のせいで200ドル近い料金提示がされていました。これに乗らないとアフタヌーンティーに辿り着けない。イヴの日に危険を顧みず運転してくれることに感謝して、金額を考えずウーバーに乗り込みました。猛吹雪の中、滝の周辺をしばらく走ったかと思うと、いきなり雪も風も止み眩しい太陽が差し込んできました。暴風雪地域を抜けた穏やかさに驚き、また警報のため冬のナイアガラが全く見れなかったことだけが悔しくて、これは仕方なかったのだと自分をなだめつつ、アフタヌーンティーに気持ちを切り替えることに努めました。

ナイアガラ川の河口、オンタリオ湖に面した街、ナイアガラ・オン・ザ・レイク。この地は19世紀、イギリス植民地時代のアッパーカナダ(現オンタリオ州)の首都が置かれ、イギリス風の歴史ある建物が今も多く現存する小さな街です。ランドマークの時計塔が立つクイーン通りには、可愛いギフトショップや帽子屋さん、カフェやレストランが軒を並べています。

この時計塔は第一次世界大戦で戦死した地元民の慰霊碑として建てられたもの

雪景色の中、一際エレガントに輝くレンガ作りの建物「Prince of Wales Hotel(プリンス・オブ・ウェールズ・ホテル)」。私達はジョージ5世が皇太子時代に滞在した歴史あるホテルでアフタヌーンティーと宿泊を満喫するのです♪

ビクトリアンスタイルのクラシカルなホテルは、エントランスからフロントロビーまで重厚で豪華絢爛。細やかな装飾や動植物モチーフ、ガラスなどの華麗なデザインが、優雅でありながら落ちついた空間を見せてくれます。

客室にはアンティークの家具やラジオが配置され、今にも語りかけられそうな秘密めいた額縁の絵にも時代を超越した雰囲気を感じます。

さて正午をまわりました。やわらかいピンクを基調とした壮麗でエレガントな部屋 The Drawing Roomでアフタヌーンティーの時間です。

中央には暖炉があり、絨毯にはプリンス・オブ・ウェールズの紋章。各テーブルの一輪のピンクのバラはクリスマスイヴの日をお祝いしてくれています。私達はバーガンディ色のどっしりとした布張りの椅子に深々と腰を下ろし、気分もまさにビクトリアンでした。

はじめにシグネチャーブラックとピーチ&クリームのお茶をチョイス♪
ゴールドのふちに、何色ものお花が咲いた清楚なイギリス製のカップ&ソーサー、クイーンアンとヴィクトリアが並びます。クイーンアンには、ピーチの自然な甘さとバニラ香るホワイトティーを。ヴィクトリアには、フレッシュなダージリンとコクのあるアッサム ティーのブレンドを注ぎました。

贅を尽くしたティースタンドの華やかなこと!銀器に盛られたストロベリージャム、バター、クレームフレーシュ(サワークリームの一種)のたっぷりさに大満足。

娘がアレルギー体質のため、2種類のトラディショナル・アフタヌーンティー($48)を準備してもらったのですが、代わりに出てきたものがクロワッサンのサンドイッチが三つには驚きました!除去してもらったことは非常に有り難かったのですが、ん〜〜〜これはきっと全部食べきれないかもしれません(笑)

「出来立てスコーンだから先に召し上がれ♪」と言われました。サルタナレーズンが入ったジャスミンティーの香りがするハウスメイドスコーン。焼きたてだったのでバターがじんわり溶け、さらに美味しさが増します。濃厚でいて爽やかな酸味のクレームフレーシュは、スコーンの甘さを引き立ててくれました。

下の段のサンドイッチは、白パンにみずみずしいキュウリと、黒パンにはスモークサーモンとクリームチーズを挟みました。黒パンの種類はわからなかったのですが、酸味のあるどっしりとしたパンでした。

クロワッサンにはターキーとスイスチーズを挟んだシンプルなサンドイッチです。大きなフォカッチャに色鮮やかなハラペーニョアボカドを広げたトーストは、辛いけれどパリパリ食感でピリピリと美味しかったです。

上の段のペイストリーは4つ。
チョコレートヘーゼルナッツタルトにミントの生クリームが添えられていて、チョコレートとミントの相性は抜群!クリームの色がミント色じゃないところが意外性があって面白かったです。

チョコレート好きの私は一口でフレンチマカロンを食べました♡生姜やシナモンが入った大きなジンジャーブレッドクッキーは、さぞかし私達の体の血行をよくしてくれたことでしょう(笑)バナナケーキはしっとりふんわりリッチな味わいでした。

アレルギー体質の彼女には、上の段にココナッツマカロン、ジンジャーブレッドクッキー、シュガークッキーが乗せられていました。

大きなスコーンから食べ始め、三つもあるボリューミーサンドイッチは娘も食べきれす、ぺイストリーもあわせでお部屋に持ち帰ることにしました。

ナイアガラまで来るのなら、もう少し足をのばして「プリンス・オブ・ウェールズ・ホテル」に宿泊しようと計画し、まさか大寒波の中、向かうことになるなどとは思いもしませんでした。見たこともないデザインの銀器のティースタンドを目の前に、栄華を世に示してきたホテルのティールームでアフタフーンティーしていることが夢のようにも思われました。ハプニング続きでもクリスマスイヴのアフタヌーンティーを存分に楽しむことができ、生涯忘れえぬ思い出となりました。娘がぽろりと「日本は恋人同士でクリスマスを過ごすのが主流だけど、やっぱり私は家族で過ごしたいな」と言いました。そうだね、来年は家族揃って日本でクリスマスのお祝いをしよう♪

 

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【 Prince of Wales Hotel 】
住所:6 Picton Street,PO Box 46,Niagara-on-the-Lake,ON, L0S 1J0, Canada
電話番号:905 468 3246
URL:https://www.vintage-hotels.com/prince-of-wales/

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兵庫県伊丹市出身。東京都在住。主婦時々パートタイムジョブをこなす。子育て期をニューヨーク、ロンドンにて駐在生活を送る。思いつきのその日決めで行動する一匹オオカミ派。『成るように成る』をモットーに今世を生きる。水泳・ジョギング・登山・ウクレレ・映画・ライヴ鑑賞・奉仕活動と未知なる自分を今後も探求し続ける。Instagram: @n_amihey

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