ロイヤル・シェイクルピア劇場で「ロミオとジュリエット」に感動

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内腿がすごく痛くなり、ロイヤルのフィジオセラピストの指示で即MRIを撮りに行かされた後、その週末にあるスコットランドでのガラ公演のためにまた北へ。1週間でリハーサルをして週末はガラ公演。これが復帰後の初めての舞台でした。ロイヤルバレエのプリンシパル、リースくんの生まれ故郷の小さな街での舞台でした。

舞台も上手くいき街のみんなも喜んで、リースくんの帰郷公演で盛り上がりました!グラスゴーの近くだったのでその足でリーズに行き、ロミオとジュリエットの通し稽古をしてロンドンに戻るとMRIの結果が来てて治療室に呼ばれたんです。そしたら思ったより酷くて……

内腿の筋肉が肉離れしている、しかも半分以上切れてるって言われて……でもガラの後も通し稽古の後もそんなに痛まないしフィジオとドクターを説得してこのことはとりあえずみんなには内緒で舞台をすることに決めたんです。

以前の足首のときよりもすんなり説得できてよかったです。一緒に踊るジュリエットの子はオーストラリア人で、先シーズンもジュリエットを踊る予定だったのが以前に怪我をした膝の調子が悪くなりできなくて、その次はあばらを折ってできなくて、今回がやっと踊れる機会。しかもお母さんがオーストラリアから前回来たのに結局彼女の舞台を見れなくて、今僕ができないって言ったら彼女またできなくなるしお母さんも見れない。僕もすごく頑張って練習して舞台に出たいのに……と説得!

その1週間後にはリーズに戻りメンテナンスしながら、ロイヤルの栄養士とも話をしてどのサプリを取ったらいいかとか食べ物避けた方がいいものとかを色々教えてもらい、最後の通し稽古も無事終えツアー先に行けました!

リーズ最後の週末にはもちろん肉離れしてても散歩! 初めてのヨークシャーデイルズ国立公園はイギリス南部と地形も違うので新鮮でした。広大で美しい!またこの辺りに歩きに来たいです。

ツアー先のスタートはストラットフォード・アポン・エイヴォン。あの有名な「ロミオとジュリエット」の作者シェイクスピアの出生地です。しかも舞台はロイヤル・シェイクスピア劇場なんです! しかもロミオとジュリエット! 舞台は普通の舞台の形じゃなくて傾斜がある……でもこんな機会ないですよ! 舞台への出入りも、舞台前の花道や客席を通って出入りなんて。

内腿も大丈夫で舞台稽古も上手くいき、ストラットフォードでの3回の舞台も上手くいきました。

客席と近いロイヤル・シェイクスピア劇場

ロンドンに少し戻って次の都市はサウスハンプトン、その後はカンタベリー。

ロンドンからツアー先には車で行ったので、ストラットフォードでの休日はバレエ団の日本人数人でコッツウォルズの可愛い町に行きました。本当にコッツウォルズはいつ行っても可愛い!すごくおすすめです!

今回初めて行ったボートン・オン・ザ・ウォーターはほんと可愛くて綺麗な街でした。一番のヒットが町のミニチュアモデル! でも雨で……しかもその日曜日だけが雨! 次の日から天気良くて毎日みんなでなんで休日だけ雨降るの!って怒ってました。さすがイギリスです。モデル・ヴィレッジの動画:BourtonOnTheWater

サウスハンプトンは結構いいサイズの舞台でしたが、あのロイヤル・シェイクスピア劇場の舞台になれてしまったのか楽し過ぎたのか……何か物足りなかったです。だってロイヤル・シェイクスピア劇場は客席から手を伸ばしたらもう舞台なんですもん。お客さんがすぐそこにいるのなんてほんと親近感があって、しかも舞台稽古見てる時ほんとにベローナの街の広場にいる感じがしましたもん! 本当にいい経験させていただきました!

サウスハンプトンは本当に一瞬でした。車で会場に行きクラスして舞台リハーサルを見て次の日の夜に舞台して、その後すぐにロンドンに戻ってきました。車で1時間半くらいなので近いもんです! カンタベリーも2時間以内でいけました。

昔からカンタベリーには行きたくて色々見ていたんですが、これまで行く機会がなかったんで今回行けるのすごく楽しみだったんです。カンタベリーは本当に綺麗な街。歴史のある路地の多い街並みで、大聖堂がどこからでも見えてタイムスリップしたような感じでした。綺麗な川でボートツアーしたり観光しまくりました。

カンタベリー大聖堂

ボートツアー

歪んだ本屋

昔バレエ団のダンサーでバレエミストレスだった友達がカンタベリーに住んでるので、彼女の家で旦那さんと子ども達とみんなで夕食して子ども達とも遊べていい旅でした。カンタベリーでも裏方さん達と交流を深めこれで最後だと思うとすごく寂しいです。ロンドンから電車だと1時間もかからないので日帰り旅行でもおすすめです!カンタベリー是非遊びに行ってください!

カンタベリーから帰って来て次の日にはロンドンのリージェンツ・パークで毎年開かれるアート・フェア「フリーズ」に今年もお誘いしてもらいました。

しかし絵って高いですね!ウィリアム・スコットの絵をすごく気に入っちゃったのですが、数億円もするのであえなく断念w すごくシンプルなんですけどすごく惹きつけられるものがあるんですよね。素晴らしい芸術家っていうものはそういう力を持っていて、その表現の仕方、形にする技術がすごい。僕ももっともっと頑張らないと!

ウィリアム・スコットの絵

秋ということで毎年恒例のオータムウォークも行って来ました。天気がすごく良くて最高でした! 三食弁当と出汁巻卵に鳥の唐揚げ鶏三昧! こうしてピクニックできるのもイースターまでお預けだと思うと寂しいです。今年はドーキングからボックス・ヒルに行き、帰りにパブに寄って帰って来ました。家から電車で30分で行ける大好きなスポットです。

Box Hill

ノーザン・バレエの舞台もひと段落してホッと一息つきたかったものの、ティーチャーズ・コースがノーザン・バレエのツアー中に始まって4週間もミスってしまい、それに追いつくのがすごく大変で。1週間に金曜だけなのですが初めの4日ミスったのは痛かった……しかも800文字(英語)の論文を書かないといけなくてそれが1ヶ月後! クラスとかレクチャーの録画画像を見ながらパワーポイントで勉強の嵐です。

そんな中、急に11月末のカザフスタンであるガラ公演に呼ばれ、そのリハーサルもしないといけなくなって。しかもバレエ団のダンサーのヴァレンティーノくんの新しい振り付けだったので時間がいつも以上にかかる。でもいつも一緒に踊るサラとだったので、そこは安心感たっぷり! 彼女も4年前にティーチャーズ・コースをしたので、色々アドバイスも聞けてよかったです。勉強とバレエの両立を頑張らないといけない……長い2年間になりそうです。

カザフスタンに行く直前にはJALの新しいエアバス350−1000のローンチ・パーティーでゲストで呼んでいただいて、新しい座席に座って感想をみんなの前で言うというイベントに参加しました。JALとは昔から仲良くしてもらってるのでもっといろんな企画やっていけたらいいなぁ。ティーチャーズ・コースで60時間教える実技の練習もしないといけないので、JALお得意様バレエ特別レッスンなんてしたら一石二鳥ですよね!

カザフスタンはまた次回に。寒くなってきたのでみなさんお身体にはお気をつけください。

2024年ももう終わりに近づいてますね。Merry ChristmasHappy New Year!!!

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バレエダンサー。英国ロイヤル・バレエのプリンシパル。兵庫県の平野節子バレエ・スクールで子供の頃からバレエを学び、2001年にローザンヌ国際バレエ・コンクールでの受賞などを経て、2002年に英国ロイヤル・バレエ入団。2008年にソリスト、2012年にファースト・ソリストへの昇格後、2016年、英国ロイヤル・バレエの最高位であるプリンシパルに。高い身長を生かしたダイナミックなパフォーマンスに加えて、陰翳のある繊細な表現ができるダンサーとして高く評価され、数々の主役を演じている。趣味は料理と写真で、休日はアウトドア・ライフを楽しむ。

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1件のコメント

  1. 明けましておめでとうございます!
    2024年は怪我と向き合いながら舞台に勉強に、忙しくも濃い一年だったでしょうか…
    亮一さんのレッスン受けたい!!です^_^
    (大人バレエですが…汗
    宇治金時羊羹のお味が気になります!美味しそうでしたね(๑˃̵ᴗ˂̵)
    日本での2月の舞台観に行きます!
    2025年も亮一さんにとって充実した一年になりますように⭐︎

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