玖保キリコが見た👀 貴族は長靴

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義父がまだ存命で
ベルファストに住んでいた時のこと。
義父を訪ねてその地に滞在中、
彼の用事でとある貴族の御宅に
なぜかくっついて行ったことがあります。

その御宅、
サミュエル・ピープスの日記
(1660〜1669)の中に
新築当時のことが出てくるという
大変古いお屋敷。
羊が草を食む広大な敷地に囲まれ、
すでに廃墟になった教会も
その敷地内にありました。

ちょっと緊張したのですが、
相手はデニムに長靴という
カジュアルな姿。
そしていたって気さく。

「牡蠣が届いたばかりなの。
食べてく?」というお誘いに
ベジタリアンの義父と
牡蠣が好きでない夫を差し置いて
ゴチになる私。

「普通遠慮すべきなのに、
これだから平民は」とか
言われなかったことを祈ります。
牡蠣をもらったせいか
奥様の方しか覚えていません。
義父と約束があったのは旦那様の方。

 

今週の「くるまれてクリスチナ #40」(資生堂「花椿」)はこちらで♪

 

 

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漫画家。東京出身。1996年渡英。ロンドン在住 。代表作に「シニカル・ヒステリー・アワー」(白泉社)「いまどきのこども 」「バケツでごはん」(小学館)「ヒメママ」(マガジンハウス)など。 また「キリコ・ロンドン」「中級キリコ・ロンドン」「ロンドン丼」(角川書店)などのエッセイもある。CDジャケットを手がける他、自身の漫画作品「シニカル・ヒステリー・アワー」のアニメーション映画化では監督も務める。ロンドンのエブリーナ小児病院、聖トマス病院の小児科歯科及び同病院の小児科緊急病棟などのインテリアも手がける。「シニカル・ヒステリー・アワー」「いまどきのこども」の英語翻訳版がeブックで発売中。 白泉社のメロディで「キリコのこばらのこみち」連載中。2022年春から資生堂花椿Web上で連載された「くるまれてクリスチナ」の単行本が最新刊。 インスタグラム:@kubosoko

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