第3話 Battenberg cake ~バッテンバーグケーキ~

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イギリスおかし百科


<バッテンバーグケーキ>

茶色一色の地味なケーキが多いイギリス菓子にしては珍しく、ピンクと黄色が色鮮やかなお菓子 「バッテンバーグケーキ」。これがあるだけでお茶のテーブルが一気にぱっと華やぐ貴重な存在。

スーパーのバッテンバーグ、そしてマジパンのパッケージにもバッテンバーグの絵が☆

スーパーのバッテンバーグ、そしてマジパンのパッケージにもバッテンバーグの絵が☆

どんなケーキかと言いますと~まずはプレーンのスポンジ生地を作り、半分には食紅でピンクに色付けしてオーブンへ。焼きあがった生地は細長くカットしてジャムで市松に張り合わせ、周りをぐるりとマジパンで包みます。イギリス菓子の中では少々手の込んだ作りなので、おうちで作るというよりは市販品を買ってくる人が多いかも。それでも、近頃のベイキングブームのおかげか、手作り派のために、バッテンバーグ専用の4つにパート分けされた専用の型も売っていたりはします。

専用の型 そして自分で作るなら~たまにはピスタチオやチョコレートフレイバーなどにしても楽しい♪
専用の型 そして自分で作るなら~たまにはピスタチオやチョコレートフレイバーなどにしても楽しい♪

イギリスの北部ではそのステンドグラスのような見た目から「チャーチウインドーケーキ」などとも呼ばれていますが、「バッテンバーグ」。。。こちらは可愛らしい見た目に反してちょっと厳つい響きですよね。一体この名前はどこから来ているのか気になりませんか?Battenburg と綴ることもあるのですが、こうなるといっきにドイツ風の香りが漂い始めます。このケーキの由来は~
時はヴィクトリア時代までさかのぼり~1884年ヴィクトリア女王の孫娘Princes Victoria とドイツのBattenburg家の子息 Louisの結婚式を祝って作られたケーキと言われています。4つのパートがそれぞれLouis 本人とその兄弟Alexander、 Franz Joseph、そしてHenryを表しているそう。・・・というのが定説ではあるのですが~この説はどうもありがちな後から良きに作られた話しなのでは、、、と近頃は異議を唱える人も。

手作りするならこんな感じ☆

手作りするならこんな感じ☆

というのもよくよく調べてみると、その結婚式が執り行われた当時のバッテンバーグのレシピは今のように4つではなく、9つのパーツを市松模様に組み合わせたものだということが分かったから。今の形に近い4つのパーツからなるものもあったにはあったのですが、名前がバッテンバーグではなく 「Neopolitan Roll」 となっていたり、1900年に入ってからの料理書でもまだバッテンバーグと名のつくものは9パーツの市松模様。しかもどこにも結婚式とこのケーキの関連を示す文書が発見されていないのです。ということで、結局バッテンバーグケーキとビクトリア女王の孫娘の結婚式とは関係がないのでは~と言われ始めています。ただ、実はその結婚式の翌年、1885年にも今度はヴィクトリア女王の末娘Beatrice と先のLouis Battenburgの兄弟Henryとの結婚式も執り行われており、このバッテンバーグ家との二つのめでたいウエディングと、気持ちドイツ風のこのお菓子が後々関連付けられて先の話しが作られたのではないか、、、と言う訳なのです。

なかなかビビットカラーなバッテンバーグ☆

なかなかビビットカラーなバッテンバーグ☆

こういったお菓子の名前の由来や、どこが元祖とか、何が真実かはさておき、いろいろ想像をめぐらせながらお菓子を食べていると、さっきまで頭にあふれていた日常の雑事が消えていってしまっていることに気づきます。
これがイギリス菓子マジック☆
イギリス菓子の魅力のひとつだったりします♪

 

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About Author

yasuda mariko

宮城県仙台市出身☆ 2008~2012年イギリスにてイギリス文化&イギリス菓子を大吸収するかたわら、日本で主催していたお菓子教室をつづけていたところ、あぶそる~とロンドンの編集長に出会う。 現在の居は巡りめぐって宇都宮。イギリス菓子教室 'Galettes and Biscuits' にてイギリス菓子の美味しさ&魅力を静かに発信中☆ http://galettes.exblog.jp/

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