ミュウミュウの魔法

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その昔、学生というステータスでロンドンにいた時、スーパーブランドの商品を並行輸入している業者のために、商品購入のアルバイトをしたことがある。

ブランドは、その生産数を制限することで、希少価値化して、絶対人気をキープしている。だから正規店は常に品薄状態で数が足りない。その時代は、特に日本での購入者がかなり多く、商品数とのバランスがあわなく、おそらく少し高くても並行輸入品を購入していた人もいたようだ。

こちらの正規店でもそれを嫌って、1人2点までしか購入できなかった。だから、アルバイトを雇って購入数を増やして対処していたのだろう。

流れはこうだ。バイトに応募した者が、ブランド店が並ぶナイツブリッジの近くで集まる。カタログから購入してほしい品物を見せて説明。その後、人質??としてパスポートを渡し、購入する代金を受け取る。というのが仕組みだ。

早速店に入り、言われた品物を見つけ、吟味もしないで即購入した。
その時代の店員がそうだったのか、店員の誰もの態度が、お高く止まり、冷たくツッケンドン。さらに私は、欲しくて購入しているオーラがなかったせいか、それとも身なりに合わない子が買いに来た=並行輸入のための購入者と見透かれていたのか、ともかく意地悪さを感じるぐらいいやな〜印象を持って店を出たっけ。

なんだか心が荒むので、その仕事は1度限りで辞めた。その時のトラウマがあるのか、スーパーブランドは、本当に自分が購入する気がないなら店に入りたくない。と思っている。

そんな訳で、ウインドウショッピングだけでも満足しているけど、先日、連れがいたせいか、それともあまりにもかわいい靴を見つけてしまったのか、つい、フラフラっとミュウミュウのショップに入ってしまった。

店内の写真を撮っていたら、「撮影はダメよ!」と優しく諭されてしまったので、1枚しかお見せできないけど、これがミュウミュウの靴たち。
以前、入った姉妹店のプラダは、写真を撮っていても咎められなかったのにな。

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いろいろ見ていると、すごく形のいい、しかもマスタード色のエナメル靴を見つけた!
「その靴素敵でしょう?。履いてみる?」となんとも自然に声をかけてきたショップアシスタントについ「Yes!」と言ってしまった。

この日は、ミュウミュウで買い物なんてするつもり、いや立ち寄るつもりもなかったので、スニーカーを履いている!
私が気になった靴を履くにはストッキングが必要。

このショップアシスタントは、それもしっかりチェックしていたようで、靴とともに、ストッキングもしっかりと持ってきた。

それが、なんとも素敵なのだ。綺麗な色合いの靴箱の上に、そのミニチュア版という感じで小さな箱に、アイロンがかかったように美しく綺麗にシワなく折りたたまれたストッキングが入っている。

さすがだ。憎らしい演出をするのが、スーパーブランドなんだな〜。。。とつくづく感心した。
(あれ、ミュウミュウはスーパーブランドに入るかな?まあ、いっか)

この時は、もう心の半分くらいミュウミュウのファンになっている。
そして、履いてみるとなんだか歩きやすい。。。

確かお値段は£580だったかと。
そうなるとちょっと慎重になってしまう。この色は、特徴があるだけに服を選ぶよな〜。オールマイティーでないよな。。やっぱり黒が無難かな。。。などなどと買う気もないのに真剣に迷っていると「黒は当たり前の色でつまらないわよ。でも、履いてみる?」とあのショップアシスタントちゃん。

そして、ふかふかの絨毯の上に座り込んで、私にああでもない。こうでもない。と色々とアドバイスをくれる。全然タカピーでない。超フレンドリーで、親身。その上、美しい!
この親近感が、妙にいいのだ。だんだんとそのムードに飲み込まれ、買いたい気持ちになってくるから不思議だ。
きっと彼女はトップセールスガールだ。

ここでハッと!我に返り、一度この場を離れて色について考えてみようと思い、「ちょっと考えさせて。また来るわね。」というと、「このサイズは、最後の1つだからね〜。」としっかりと釘を刺されたけど、全く嫌味がない。
うーん。これはセールストークなのか、それともやはり今でも生産数の制限をしているのか、それとも人気でたくさん売れたのか、先週店頭に並んだという割にストックがないようだ。

そして、ミュウミュウを後にした。

過去のトラウマが一気に消えた日だった。
うん。これでスーパーブランドにもどんどんと入っていこう!と思わせてくれた貴重な体験だった。

追記:まだ、あのミュウミュウの靴は私の靴箱に並んでいません。

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About Author

カミングス惠子

日本パーソナルカラー協会正会員。パーソナルカラー/骨格スタイル・アドバイザー。JPCA講師。グラフィックデザイナー、化粧品会社のマーケティグを経て渡英。若いときは何でも似合っていたファッションが、年齢を重ねるうちに、似合わないモノがあると実感。いままで派手な色と選ばなかった口紅の色が、自分によく似合った驚きから「パーソナルカラー」の勉強を。また、自分色を着ていてもなぜか、似合わない理屈を知りたく「骨格スタイル分析」を学び、現在、ロンドンで個人セッションやセミナーを開催。www.style-lab-london.com

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