Michael Nadra Primrose Hill マイケル・ナドラ プリムローズ・ヒル店
プリムローズ・ヒルの閑静な住宅街にあるリージェンツ運河沿いの優雅なレストラン。以前、サルディニア料理のSardo Canaleがあった場所に、2012年秋にオープンしました。ここは半地下ロケーションで洞窟のようなアーチ型天井が趣のあるダイニング・ルームが売り。加えてテーブルが行儀よく並ぶパティオ席も暖かい晴れた日は人気です☆
シェフの名を冠するレストランと言えば相当な自信と実力が必要ですが、ゴードン・ラムジーさんのPetrus、ブルース・プールさんのChez BruceやLa Trompetteといったロンドンでも指折りのフレンチの名店で名声を得たマイケル・ナドラさんだからこそ、堂々とその名を掲げることができるのでしょう ^^
ナドラさんが手がけた最初のお店は2005年、西ロンドンのChiswickにオープンしました。最初は魚介に特化したFish Hookという名のレストランでしたが、5年後に晴れてMichael Nadraに。フィッシュ&チップス以外のメニューも大充実させ、ブリティッシュ、ヨーロピアン、アジアンのテイストをほどよくミックスした洗練のモダン・ヨーロピアン・レストランに大改革! プリムローズ・ヒルの当店も同様のコンセプトを引き継いでいます。
この日のランチはパティオに面したコンサーバトリーで。雨降りの午後でも明るく食事をいただけました♪ 自家製と思われる美味しいパンをいただきつつ選んだセット・メニュー(2コース22ポンド、3コース27ポンド)の前菜は、季節のサラダとケールやホウレンソウの入ったグリーンのスープ。サラダはヘリテージ・トマトや生ニンジンが入り、シトラス・ドレッシングでしゃきっと瑞々しくいただけるはずが・・・せっかくのトマトやリーフに生気がなかったのと、ゴート・チーズ・ムースやドレッシングの味がいまひとつで残念な出来・・・が、友人が頼んだスープはなかなか深みがあり美味しかったです ^^;
気を取り直して挑んだメイン・コースは、海老入りダンプリングやパクチョイなどを添えてアジア風ロブスター・ビスク・ソースでいただく蒸しスズキ。通常、この手のレストランでアジア風の品をいただくのはとてもリスキーなのですが・・・これが大当たり! 魚は丁寧に下ごしらえされており、生臭いどころか皮まできれいに全く臭みなく食べられたところにシェフの優れたテクニックを感じたシグニチャー・ディッシュ。おそらく微量の醤油か魚醤が混ぜられたアジアン・テイストなロブスターのビスク・ソースは絶品、ニンジンとショウガのピューレとの相性もよく、ナドラさんのアジア料理への理解の深さが伺える一品でした♪ 友人が頼んだホロホロ鳥のローストは濃厚なマデイラ・ソースから色よくローストされた根菜まで冬らしい一品。お味見させてもらいましたが、お肉の火の通り方も素晴らしかったです。
デザートはトリークル・タルトのクロテッド・クリーム&ラズベリー・アイス添え、パッションフルーツの爽やかクリームを重ねたミルフィーユのブラッド・ピーチ・ソルベ添え。トリークル・タルトはちょっと甘すぎる感じがしましたが、その他はすべて味のバランスが考え抜かれた佳品揃い☆ 経歴を見るとナドラさんはペイストリー・シェフの経験もあるみたいで、この美味しさは納得でした。
隣テーブルのカップルが6コースのテイスティング・メニューをオーダーしていたのですが、48ポンド(ランチ)であの内容は相当お得。試してみる価値ありです!
Chiswick店はすでにご近所に愛される地元になくてはならない店に成長しているようです。プリムローズ・ヒル店はロケーション的には苦戦を強いられるでしょうが、ご近所リピーターを獲得して、ぜひがんばってほしいと思わせる良店でした ^^