さて「ロイヤルな英国」シリーズ、まだまだ続きます ^^
先日はチェルトナム競馬場について書きましたが、今回と次回はその周辺の宿泊施設についてご紹介していきますね。
今回スポットライトを浴びるのは、元病院を相当な規模でドラマチックに改装したThe Lodge at Winchcombe / ザ・ロッジ・アット・ウィンチカム。オープンしてまだ数年の宿泊施設はチェルトナムから北東へ10キロ弱の場所にあります。歴史あるウィンチカムのヴィレッジからもすぐ、チェルトナム競馬場からもほど近いロケーションにあるため、観光目的の利用だけでなく、レース開催時、あるいは近隣の森で狩猟を楽しむため(!)の拠点にされたりしているようですよ。
はちみつ色のコッツウォルズ・ストーンを使った立派な建物ですよね〜。じつはここ、ホテルではないのです。借りるなら一軒全部、丸ごとどうぞというプライベート宿泊施設で、ホテル形式の部屋貸しはしていないのですが、よくあるセルフ・ケータリング施設なのかというと、そういうわけでもなく。希望すれば三食の食事も用意してくれるビスポークな高級宿泊施設、と言えばいいでしょうか。全部で11室(うち1室は責任者の女性が使っているので実質10室)あるので、家族や友人同士がのびのびとグループでリラックス滞在するのに、まさに打ってつけなのです ^^
お部屋はそれぞれにインテリアが異なり、フラワー系の可愛らしいデコレーションもあれば、ニュートラルなチェック柄を基調としたお部屋もあります。私はちょっとお澄まし感のあるゴージャス系「Charlton Abbotts」という部屋に泊まりました。申し分のない快適さです♪(ただしバスタブのある部屋は少ないので、気になる方は春夏の滞在をおすすめします)
私たち旅の一行は遅いランチタイムに到着したので、とってもヘルシーで美味しいサラダ・ランチを用意してくださっていました。スモークサーモンや生ハム、アボカドやトマトのサラダなど、どれも新鮮で美味。夕飯がとっても楽しみになりました!
個別の部屋貸しはしていないので、ホテルであってホテルではない。とはいっても、とても親切で気配りのできるスタッフの方々が常駐していらっしゃるので安心です。しかも高級ホテルとほぼ同等のサービスを受けられることの証として特筆したいのは、マッサージやエステの設備が整っていること! 私たち全員、それぞれフェイシャルやヘッド・マッサージ、ネイルといったメニューから好きなものを選んで、夕食前のちょっとしたリラクゼーション・タイムを満喫させていただきました・・・ああ、なんてゴージャス♪
そして時間があれば、ぜひ敷地内を散策してみてください。お隣にデイビッドさんのご自宅があり、お話する機会があれば散策のヒントなどもいただけると思います ^^
さて、夕方近くになると、それぞれが部屋から出てきてラウンジに集合。居間的なスペースは4つもあるので、いろいろなイベントに使えそうです。しかもバー設備も完備。この日はウェルカム・ドリンクとして、オーナーのデイビッド・アットウッドさん自らが地元の果物であるスローベリーを使った自家製「Sloe Gin / スロー・ジン」とプロセッコを割ったカクテルでもてなしてくださったのですが、これが上品な甘さで美味しい☆ 「このカクテル、なんて呼ばれてるか知ってる? スロー・ジンで気持ちよくなるから『スローガズム』なんだよね、わははは」と豪快に笑うデイビッドさん・・・とても愉快でユニークなおじさまでした ^^
そしておまちかね、ディナータイム・・・ ^^
この日は専属シェフの方が非常に味のよい3コースを作ってくださいました。前菜はマッシュルームのクレープ。生地が小麦粉じゃなかったのですが、忘れてしまいました、すみません。すごく美味しかったのです。そしてメインはチキン・シュプリームとポテト・マッシュ&野菜付け合わせ。そしてデザートはティラミス。最上等の家庭料理、と言えば、なんとなくお味のイメージが沸くでしょうか? ティラミスはおそらく前日に作りおきしておいたのか、ちょっと水分が多く出過ぎていた難がありましたが、前菜、メイン料理ともに、温かいもてなしという意味でも完璧でした。
快適な一夜が明けて・・・早朝、窓を開けるとこのゴージャスなカラー・・・
建物が建っている敷地の外にも、広大な私有地があります。朝は少しだけ早く起きて、ぜひ散策を楽しんでくださいね。
散歩の後の朝食は最高! 地元産リンゴのピュアなジュースや、コッツウォルズのハチミツが、食卓を豊かに彩ります♪
元々は個人宅として1904年に作られた建物だそうです。それが1926年に病院となり、1948年にNHSの一部となってからもずっと地元の人びとに頼りにされていたウィンチカム病院。2008年に諸々の理由でクローズし、しばらくは資材置き場のように使われていたみたいです。それがついに売りに出されることになり、もともとお隣に住んでいた森林業を営むデイビッドさんが好ましくない開発を防ぐために2013年に購入したのだそうです。当初はどのように利用するのか白紙だったそうですが、このように華麗に生まれ変わりました! 地元の観光業にも貢献する有益な投資だったようです。
さて、ウィンチカムに滞在するなら、決して忘れてはいけないロイヤルゆかりの場所が、このロッジから散策がてら歩いていける距離にあります。それはスードリー城。
ヘンリー8世とアン・ブーリンが初めて出会った場所とも言われている城で、ヘンリー8世の最後の妃、キャサリン・パーが亡くなるまで住んだ城としても知られています。古典的なチューダー様式の美しい古城と、好事家の注目も集める見事な庭園・・・。そして、敷地内には立派な教会があり、そこにキャサリン・パーが眠っています・・・スードリー城は、国王の妃だった人物が、英王室が所有しない土地に葬られている唯一の場所だそうです。ウィンチカムと言わず、コッツウォルズに来られたら一度は訪れてみたい名所なんですね〜。その他、コッツウォルズの見どころはこちらで♪
いかがでしたか?
仲のよい家族同士で、たまにはこんな場所に滞在してみるのも趣きがありますよね。ちょっとした合宿にも使えそうですし、特別なおもてなし招待などには言わずもがな。食事は事前に予約することもできますし、自分たちで用意することも可能。フレキシブルに利用できるので、興味ある方はぜひ問い合わせてみてください。
あ、ちなみにここの当主のデイビッドさんは、ウィンザー城で開かれたエリザベス女王の90歳の誕生日パーティーに招かれたそうなので、ここにもまた、ロイヤルなつながりがありましたね ^^
The Lodge at Winchcombe
Cheltenham Road, Wichcombe, Cheltenham, Glocestershire GL54 5NQ
ロンドン・パディントン駅からチェルトナム・スパ駅まで電車で行き、その後車かバス。
ロンドンから車で約2時間半。
英国政府観光庁ホームページ
https://www.visitbritain.com/jp/ja