009 | 食品のチョイス #3 添加物

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近年、特にこどもの食品アレルギーやADD/ADHDが急増していますが、その原因の一つが、食品添加物であることは間違いなさそうです。またみんなが日頃食べているようなものに、発がん性や、脳/神経に害を与えるものなどが多くあるので、以下ご参考までに。

 モノソディウム・グルタメート
MSG/E621(グルタミン酸ナトリウム)

美味しさ度アップのため、フレーバー・エンハンサーとして使われているMSG(Monosodium Glutamate)。日本の会社「味の素」が開発し、世界中で使われるようになったもの。そのせいか、日本では未だにありとあらゆるものに入っています。脳と神経を操り、満腹感を阻止するので、肥満度もアップ。MSGの常食は、脳を必要以上に刺激し、うつ、方向感覚の麻痺、目の障害、疲労、頭痛、肝臓/腎臓疾患や肥満のもとになります(1)(2)。原材料の表記を「MSG」とすると売れなくなるため、「seasoning(調味料)」、「yeast extract(イースト抽出物)」や「spices(スパイス)」などと表記されていることの方が多いと思います。MSGは、その他にも思い出せないくらいたくさんの名前を持っています(これらについては別の機会に取りあげる予定です)。ちなみに、日本ではだいたいのものに「アミノ酸等」と表記されています。
食品例:中華・タイ・ベトナム料理、スナック菓子、ドレッシング、ソース、スープなどの加工食品、ソース・ミックス(粉)、ストック・キューブ、ハム類、など
*MSGフリーと明記されていない限りは、名前を変えて入っている可能性があります。怪しいと思うものは買わないのが一番。

 アスパーテーム
(合成甘味料)– E951

アスパーテーム(aspartame)は、ダイエット・コーラをはじめ、ダイエット目的の低カロリーやシュガーフリー商品の多くに含まれている発がん性物質。神経系にダメージを与えるため、知能を低くすることでも知られていると同時に、脳腫瘍・リンパ腫・糖尿病・筋繊維症・慢性疲労・うつ・不安症・めまい・頭痛・吐き気・錯乱・発作などとのつながりが懸念されます(1) 。スリミングのために使っている人が多いのですが、スリミングどころか、肥満の引き金になると報告されています(3)。
食品例(主にダイエット/シュガー・フリー食品):ダイエット炭酸飲料、チューイング・ガム、ソフト・ドリンク、デザート、シリアル加工品、ブレス・ミント、キャンディ、チューアブル・ビタミン剤、咳止めシロップ、レムシップなどの風邪薬、など
*減量ダイエット中の人は、ステビア(少量)を使用している商品を探してみては(4)?

ハイ・フルクトース・コーン・シロップ
HFCS

安価であるため、ありとあらゆるものに入っている可能性のあるHFCS(High Fructose Corn Syrup)。LDLコレステロール値を上げ心臓疾患のリスク値を高める(5)と同時に、肥満や糖尿病の原因に。フルクトースは即肝臓まわりの脂肪になるので、現代の肥満人口増加に加担しているといえるでしょう(6)。また、HFCSは、若い年代層のRA(Rheumatoid Arthritis)とも関係があり、近年の自己免疫疾患急増にも加担しているようです(7)。
食品例:大半の加工食品、パン、ビスケット、キャンディ、フレーバー・ヨーグルト、サラダ・ドレッシング、シリアル/シリアル・バー、など
*できる限りを自家製にするのが、理想的。難しい場合には、自然派手作りのお店やメーカーを探すもの手。

トランス・ファット
Partially hydrogenated vegetable oils/Trans fat

トランス・ファット(Trans Fat)は、LDLコレステロールを上げ、HDLコレステロールを低くします。また、心臓発作やその他の心臓疾患、糖尿病や肥満などのリスクを高めることで知られていますが、加えて脳や神経に悪影響を与えると報告されており、鬱をはじめ、加齢によるアルツハイマーや脳機能低下との関連が懸念されています(8)。
食品例:マーガリン、ショートニング、クラッカー、 ビスケット、その他焼き菓子、ファースト・フード、など
*学生時代に「マーガリンは虫も寄りつかない化学物質」と学びました。オーガニック・バター/ギーかバージン・ココナツオイル、エキストラ・バージン・オリーブオイルや低温圧搾のフラックス・オイル(アマニ油)などを、使用目的に合わせて使い分けるのがいいと思います。

 食品着色料
(Blue#1 & #2, Red #3 & #40, Yellow #6, & Yellow #5 Tartrazine)E133, E124, E110, E102

合成着色料は、もともとはコール・タールから、現在ではペトロレウムから合成され、議論を呼んでいます。こどもの食品アレルギーやADD/ADHDなどをはじめ、IQ低下やがんにも関係があるようです(9)。
食品例:ドレンチ・チェリー、アイスクリーム、キャンディ、フルーツ・カクテル、菓子類、アメリカン・チーズ、マカロニ・チーズ、など
*野菜やくだものなど、名前を見て天然着色料であるのがわかれば、まず安全。特にカラフルな色のついたスイーツや、こども向けのお菓子には、ご注意を。

サルファー・ダイオキサイド
E220(二酸化硫黄)

サルファー・ダイオキサイド(Sulpher Dioxide)による症状は、気管支の問題、ぜんそく、低血圧、しびれ、アナフィラクティック・ショックなど。また、体内のビタミンBとビタミンEも破壊するようです。こどもの摂取は避けるべき(1)。硫黄(サルファー)系の添加物は避けるのが最善策と思われます。
食品例:ビール、ソフト・ドリンク、ドライフルーツ、ジュース、コーディアル、ワイン、酢、じゃがいも系の食品、など
* こどもでも簡単にできるDNAテストで、硫黄代謝の遺伝子を調べることもできます。

 ソディウム・サルファイト
E221(亜硫酸塩ナトリウム)

アメリカのFDA(Food Drug Administration)によると、100人に約一人が食品に使われているサルファイト(Sulphite)に過敏反応を示すとのこと。過敏症の人は、サルファイトが使用されている食品の摂取による、ぜんそく、頭痛、呼吸困難や肌荒れを起こす可能性があるようです(1)。
食品例:ワイン、ドライフルーツ、など
*ワインを飲んで頭が痛くなる人は、もしかするとアルコールではなく、添加物のせいかも?

ソディウム・ナイトレイト/ソディウム・ナイトライト
E250(硝酸塩ナトリウム/亜硝酸塩ナトリウム)

ソディウム・ナイトレイト(Sodium Nitrate)は肉の色を鮮やかな赤にするケミカルですが、消化システムに入ると発がん性物質となります。各種のニトロサミン系の物質となって、血中に入り、広範囲に渡って臓器(特に肝臓と膵臓)にダメージを与えます。胃がんなど、各種がんとのつながりがあります(10)。
食品例:ベーコン、ハム、生ハム、ソーセージ、ホットドッグ、コーンビーフ、魚のスモーク、その他の肉加工食品
*ハムや肉加工食品好きにはうれしくない話ですが、からだをいたわって控えめに。

ファースト・フードには添加物がいっぱい…。

ファースト・フードには添加物がいっぱい…。

BHA/BHT
E320(butylated hydroxyanisole/butylated hydroxytoluene=酸化防止剤)

BHAとBHTは、食べ物の色や風味を保持する酸化防止剤ですが、脳の神経に影響を与え、態度の変化につながり、発がんの可能性もあるようです。両者ともが、体内でがん細胞を作る元となる酸化物質とされています(1)。また、 BHAやBHTとの混合でよく使われている、プロピルパラベンを同時にテストした場合には、酸化物質の増加や遺伝子の損傷などが起きることもレポートされています(11)。
食品例:チューイング・ガム、シリアル、クリスプス、冷凍ソーセージ、ラード、ショートニング、キャンディ、ゼリー、など
*どちらも合成酸化防止剤であるという点で、まず避けたいかも。

ポタシウム・ブロメイト
E924(臭化カリウム)

ポタシウム・ブロメイト(Potassium Bromate)は、主にパンをふっくらさせ、ボリューム感を出すために使われています。動物実験で中枢神経へのダメージに加え、発がん性物質であるため、ヨーロッパ (EU)とその他の国いくつかでは使用が禁止されているようです(12)。パンに含まれる微量でも、人体にとって問題なるとか(13)。 日本では、未だに某大手製パン会社が使用しているみたい?
食品例:パン、ロール系のパン全般
*ポタシウム・ブロメイトが使われていなくても、パン自体、特に工場生産されたものは、お勧めではありません。わたしたちには調べづらい農薬の量も懸念されます。また、その他の品質改良剤/添加物、油のタイプ、糖分/塩分など、その他のチェック項目がたくさん。

フレーバリング
(香料)

食品香料は大きく分けると、フレーバリング(flavouring)と記載されているものと、ナチュラル・フレーバリング(natural flavouring)と記載されているものがあります。フレーバリングはガス・クロマトグラフィーという技術を使って、特定の食品のフレーバーを構成する成分の分子を割り出し、合成的に再現します。では、ナチュラル・フレーバリングが自然由来の香料で安全かというと、そうでもないようです。例えば、GMイーストから作られたMSGでも、イースト自体が天然であるため、原材料のラベルには「ナチュラル・フレーバリング」になる可能性があるそう。また、ダイアセティルという自然界に存在する黄緑色の液体は、バターのような香りがします。そのため、マーガリンやポップコーンなどに使われていますが、高温使用による発がん性もレポートされているようです(12)。逆に、天然オレンジ・オイル(natural orange oil)とか、バニラ・ポッド/エキストラクト(vanilla pod/extract)とか香りのもとが特定されていれば、まず安心。どちらにしても、においだけが存在して、その食品の栄養素が欠けている食品が増える一方。それが、今日の肥満人口増加の原因の一つだという話も耳にしました。合成が天然かに関わらず、なぜ香料が使われているのかを、まず考えるべきでしょう。
食品例:加工食品全般
*前述のMSGは、フレーバリングの別名も持っているので、ご注意を。

原材料を知ることの大切さ

原材料のリストにすべてがわかる形で表記されているとは限らないのですが、買い物の際には、まず上記の添加物が原材料に入っていないかをチェックしましょう。それぞれの詳細に関しては、今後違ったシリーズなどでレポートしようと思っています。

食べることは(断食などの特殊な状況を除いて)、毎日欠かせないこと。毎回の食事(やおやつ)が、その都度間違いなく、よくも悪くもからだに影響を及ぼします。改善の余地がある人は、食べ物の安全度チェックや商品探しを楽しみながら、根気よく少しずつ安全なものに入れ替えてみてはいかがでしょうか?

 

参照:

  1. Foodmatters. (2010). Top 10 additives to avoid. [Online]. Available at: http://www.foodmatters.tv/articles-1/top-10-food-additives-to-avoid (Accessed: 27/02/2014)
  2. Sharma, A. (2015). ‘Monosodium glutamate-induced oxidative kidney damage and possible mechanisms: a mini-review’. Journal of Biomedical Science. 22:93. doi: 10.1186/s12929-015-0192-5
  3. Kresser, C. (2015). All About Sweeteners. pp. 8-10. [ebook]. Available at: chriskresser.com (Accessed: 12/03/2015)
  4. Assaei, R et al. (2016). ‘Hypoglycemic Effect of Aquatic Extract of Stevia in Pancreas of Diabetic Rats: PPARγ -dependent Regulation or Antioxidant Potential’. Avicenna Journal of Medical Biotechnology. Vol. 8, No. 2, April-June.
  5. Stanhope KL, et al. (2015). ‘A dose-response study of consuming high-fructose corn syrup–sweetened beverages on lipid/lipoprotein risk factors for cardiovascular disease in young adults’. Am J Clin Nutr. 2015;101:1144–54.
  6. Cantley, LC. (2014). ‘Cancer, metabolism, fructose, artificial sweeteners, and going cold turkey on sugar’. BMC Biology. 12:8. [Online]. Available at: http://www.biomedcentral.com/1741-7007/12/8 (Accessed: 17/08/2014)
  7. DeChristopher LR, Uribarri J and Tucker KL (2016). ‘Intake of high-fructose corn syrup sweetened soft drinks, fruit drinks and apple juice is associated with prevalent arthritis in US adults, aged 20–30 years’. Nutrition & Diabetes. 6, e199; doi: 10.1038/nutd.2016.7
  8. Ginter E and Simko V. (2016). ‘New data on harmful effects of trans-fatty acids’. Bratisl Med J. 117 (5). doi: 10.4149/BLL_2016_048
  9. Kobylewski S and Jacobson MF. (2010). Food DyesA Rainbow of Risks. Center for Science in the Public Interest: Washington. pp. v, vi
  10. Song P, Wu L, and Guan W. (2015). ‘Dietary Nitrates, Nitrites, and Nitrosamines Intake and the Risk of Gastric Cancer: A Meta-Analysis’. Nutrients, 7, 9872–9895; doi:10.3390/nu7125505
  11. Martín JM, et al. (2014). ‘The antioxidant butylated hydroxyanisole potentiates the toxic effects of propylparaben in cultured mammalian cells’. Food Chem Toxicol. Oct;72:195-203. doi: 10.1016/j.fct.2014.07.031
  12.  Minich, D. (2015). FREE ADDITIVES HEALTH REPORT – 6 Common Conditions and the Additives You Should Avoid [e-book]. Deanna Minich/Food & Spirit. Available at: www.foodandspirit.com (Accessed: 23/09/2015)
  13. Ajarem, J. (2016). ‘Oral administration of potassiumbromate induces neurobehavioral changes, alters cerebral neurotransmitters level and impairs brain tissue of swiss mice’. Behavioral and Brain Functions. 12:14 doi: 10.1186/s12993-016-0098-8
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About Author

大阪府出身、1996年よりロンドン在住。ナチュロパス、ファンクショナル・メディスン・プラクティショナー、ニュートリショナル・セラピスト(mCMA, mBANT, CNHCreg, CFMP)。ハックニー地区にあるコンプリメンタリー・ヘルス・クリニックと並行して、オンライン・クリニックでも活動中。好きなこと:健康的でおいしいものを作って食べること、ナチュラル・ヘルス・フード・ストアでヒット商品を探すこと。好きな色:ピンク紫(夕暮れ時の空の色とか)。好きな言葉:(実現の状態を)見る前に信じること(”You’ll see it when you believe it.” by Wayne Dyer)。

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