懐の深い英国紳士のようなラベンダー

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梅雨明け宣言も出て真夏の寝苦しいおり、いかがお過ごしですか?
イギリスも今週は30度超え!うだるような暑さです。

夏バテしないためにも、ストレスを溜めないためにも、夜はぐっすり寝たいですね。
そんな時、役立つのがラベンダーの香りです。

今月は、ラベンダーの花を使った生活の知恵をご紹介しましょう。
とくに、不眠、ストレス、虫除けという3つの用途についてまとめます。

初夏に花を咲かせるラベンダーは、イングリッシュコテージガーデンには欠かせない花です。昔から乾燥させたものが、いろいろな用途に使われたようです。

たとえば16世紀のチューダー朝最後の女王エリザベス1世の時代。当時、海外との交易が活発になり、経済発展とともに都市人口が増えて黄金時代とも言われましたが、ベストなどの病気も大流行しました。エリザベス1世が城外を見回るような時は、臣下に命じてラベンダーの花を撒き散らしたとか。もちろん、消毒の効果を狙ってのことです。

ラベンダーの花は初夏に、薄紫色の穂がスーっと伸びて、つぼみをたくさんつけます。花が咲き出すと蜜蜂がたくさん寄ってきて、なんとも豊かな気持ちになります。

派手さは無いもののヨーロッパの田舎らしい花で、たいていのお宅の庭にはラベンダーが植わっているものです。

なかでも、南フランスはプロヴァンスのラベンダーが有名で、後ほどご紹介するラベンダーワンドの習慣も、テューダー朝の当時、イギリスより先端を行っていたフランスからもたらされた習慣のようです。

ちなみに香りはラベンダーの種類ごとに異なります。フレンチラベンダーに比べてイングリッシュラベンダーは、中年のイギリス紳士のようなイメージです。華やかなフランス淑女にたいして、もう少し落ち着いた香りというか……ですから男性にも違和感なく使っていただけると思います。

紳士では無いですが、うちの息子たちが受験生だったある年、試験前に体調を整え、ストレスに負けないようにと乾燥ラベンダーの花を小袋に詰めて、学校の寮に戻る息子たちに持たせました。

女々しいとか、カッコ悪い〜とかいって使ってもらえるか疑問でしたが、まったくの杞憂でした。ラベンダーの香りでストレスも落ち着くと、息子たちばかりでなくお友達にも好評でした。まさかティーンの男子にリクエストともらうとは思いませんでしたよ(笑)。

眠りを誘うためにラベンダーを枕元におくのは昔からのおばあちゃんの知恵なのですが、最近ではアロマセラピー界でも、精油の成分分析により不眠・抗ストレス効果が科学的に裏づけされているようです。

ちなみにラベンダーの香りは虫が嫌うので、樟脳代わりに引き出しやタンスに忍ばせることもできます。

悔しいことに、蛾など虫たちはカシミヤやアルパカなど高級素材を好んで食べるんですよねー。虫食いになった無残なセーターを見て、翌年からはラベンダーを使うようになりました。

市販の合成香料が苦手なわたしにはピッタリ。服にもほのかに香りが移るのです。そういえば、むかしの日本にも匂い袋とか香を焚きしめるという奥ゆかしい風習がありました。

しばらく置いて香りが薄くなってきても、捨てないでくださいね。そのままお風呂に入れて手でもんだりすると入浴剤として使うことができます。

乾燥ラベンダーとマリゴールドをエプソンソルトに混ぜたバスソルト

小袋のサシェにするのが一番簡単ですが、もう一つここでご紹介するのは昔ながらのラベンダーワンドです。

茎が乾燥する前に形にしないと折れてしまうため、こればかりは生の収穫したばかりのラベンダーが必要です。大きいと見栄えはしますが、作るのが大変。今回は9本位のラベンダーを束にしてリボンを巻く形で作ってみました。

ビクトリア時代の女性たちも、こうやって虫除け用にラベンダーを乾かし、大切な洋服大切なや洋服やリネン類が虫に食われないようにしていたそうです。

いつも感心するのは、昔の人って、いかに観察力に長けていたのかということ。

おそらく、観察していろいろ試してみて、これがこんなことに効くと知識を積み重ねる。そんな風に、親から子へ、師から弟子へ、脈々と受け継がれていった知恵があるのだと思います。

どこの土地でも、どんな文化でも、人類が受け継いできた知恵があります。

ふだんわたしは、アーユルヴェーダのセルフケアをご指導してますが、古代の原理原則を踏まえて、応用するときは現代のわたし達にあうよう、本質を見るように心がけています。

(まるごとセルフケアの実践にご興味あるかた、こちらからどうぞ。無料のFBグループに参加リクエストして頂くリンクです)

各地の昔ながらの知恵を尊重しつつ、住む土地と文化、またじぶんのDNAや慣れ親しんだ日本の食文化も大切にしながら、先人の知恵を賢く今に活かす。その心意気は同じだなとラベンダークラフトを作りながら、昔に想いを馳せています。

では、皆様もぐっすり寝て夏バテしないよう、どうぞご自愛下さいませ。

<追伸>我が家から車で15分のところにCotswold Lavender というラベンダー・ファームがあります。様々な種類のラベンダーを栽培していて、精油や乾燥花、ラベンダーのクラフトなども販売しています。今年の夏はファームの一般訪問は終了していますので、来年の初夏ぜひ足をお運びくださいませ。

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About Author

ラベンダージョーンズまりこ

ヨガセラピスト、アーユルヴェーダヘルスコーチ。がんフレンズネットワーク主宰。神奈川県逗子市の海辺育ち。2013年から英国ロンドンとコッツウォルズの田舎でのデュアルライフを実践。皆さんが「今・ここ、この季節のじぶん」に必要なセルフケアを選んで実践できるように、身体からのアプローチで習慣を変えるコーチングを得意とする。身体も心もアイデンティティも進化させるオンライン講座、メルマガやブログ記事を英国から発信中。大好きなものは、野草摘み(Foraging)、手作りスキンケア、海、オペラ。

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1件のコメント

  1. ラベンダーの香りは、ストレス対策として、時々使っていましたが、
    エリザベス1世の時代がラベンダーの黄金時代と呼ばれていたとは、ちっとも知りませんでした。
    そんなに以前から、ラベンダーの効用が知られていたとは。。。
    フレンチ・ラベンダーとイングリッシュ・ラベンダーとの香の違いも、初めて知りました。
    ラベンダーの紫も

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