コッツウォルズ・ウェイを歩こう:自宅滞在型の休暇を楽しむ

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イギリスでは5月19日からロックダウン緩和されたので、人の移動も規制が緩み、同居家族以外の人同士で室内でも会うことがOKになりました。

それをめがけて、1年以上前から約束していた友人夫妻とのウォーキング・ホリデイが実現したので、我が家に居ながらにしてステイケーション(地元での休暇の造語)となりました。

コッツウォルズにはコッツウォルズ・ウェイという全長100マイル(約160km)を歩く道があります。

これは、南北に長いコッツウォルズ地方の、北はチッピング・カムデンから南はバースまでを徒歩でつなぐウォーキング・コースです。ちなみに、こういった歩く人のための道をイギリスではフットパスと呼び、全国津々浦々はりめぐらされているのです。

コッツウォルズ・ウェイは、自然豊かな田舎道を抜け、おとぎ話から出てきたような可愛い村や町を通り、ローマ時代やそれ以前の遺跡なども垣間見ながら、昔ながらの方法でテクテク歩く休日を愉しめるコースです。

健脚な本格的なウォーカーなら5日間で歩けるらしいのですが、私たちは、ちょっと寄り道しながらゆったりと休日を愉しみたいということで、10日間を2回に分けて歩くことにしました。

北から南下しても、南から北上しても良いと言われるコースなのですが、私たちは北からバースを目指して歩きはじめました。

こちらが北のチッピング・カムデンの道標です。

バースまで100マイル

今回の旅程は、100マイルのうち北の部分となります。

我が家から小1時間の範囲なので、毎朝車2台でその日のゴール地点に行き、1台に乗り込んでスタート地点へ行くという方法を取りました。なので宿は取らず、毎晩うちに戻って来る形で、まさにステイケーション。

バケーションやホリデーとは、ふだんと違うことをする休日の過ごし方ですから、特別な場所に泊まらなくても友人夫妻と3年ぶりに一緒に過ごすことが、スペシャル、貴重な時間となりました。

フットパスの途中には色々なスタイルの門があります。羊は通れないけど人間は通れるゲートになっています。

ステップを乗り越える形の門。古代遺跡のベラスナップにて

こちらは門がスイングする形の「Kissing gate」

次回、秋以降にローマ時代の温泉があったバースの街を目指し、コッツウォルズウェイ南半分の道のりを歩くときは、B&Bやホテルなど宿を取る予定。田舎ならではの隠れた素敵な宿も点在していますので、それも楽しみ!

さて、初日はいかにも5月らしい気持ちの良い朝にスタート!

出発前に気合を入れている私たち

実は月曜火曜は、まあまあのお天気に恵まれたのですが、水曜木曜とお天気が崩れ、冷たい雨の中を歩くという、いかにも「イギリスらしい」ウォークとなったのでした。なんと雨がアラレになるという場面が2回ほどあり、金曜日は大風注意報が出てしまい、予定を切り上げて4日間でバードリップまで約40km 歩けたところで、残りは次回へおあずけとなりました。

森の中、渓流をわたる橋

40kmとは車でいくと1時間もかからない距離です。ところが、山あり谷ありの田舎やけもの道、農地をぬけてあるくと、お昼を挟んで毎日4〜5時間歩いて、4日間もかかることに驚きます。

コッツウォルズといえば、蜂蜜色の石造りのコテージや家々が有名で、旅行者の方には「絵葉書から出てきたよう」な景観の町や村が人気です。でもイギリス田舎全般にも共通しますが、コッツウォルズの真の魅力は、観光バスが停まらないところにあります。それは、たとえば村と村をつなぐフットパスを歩くことで、体験できると思います。

私有地の農場も、フットパス部分は開放してくれています

どんぐりマークが目印のコッツウォルズ・ウェイ道標をたよりに歩きます

乗馬スクールもあるスタンウェイの村

スタントン村、貴族のお屋敷の門外で、お弁当を食べる私たち

 

悪天候の中、黙々と歩きながら「ロード・オブ・ザ・リング」に登場する昔ながらの徒歩の旅に思いを馳せました。「指輪物語」作者のJRRトールキンはオックスフォード大学で学び、のちに同教授として残ったのでコッツウォルズにもゆかリが深いのです。

「ホビット達は凄いなあ」

と感想を漏らしたら、友人たちには「それって架空の話だよ〜」笑われましたが、高台からの景色をながめると、あながち的外れではないかもと思えます。

緩やかな坂を歩いていくと急に視界がひらけて、世界の広大さを感じたり、車で通り過ぎてしまったら気づかないような動物たちに出会ったりするからです。

スローダウンして歩いているからこそ、目に入ってくるものがあります。

これをお読みのあなたも、たまには電車や車を使わず、ふだん急いで通りすぎている道のりを歩いてみませんか。

アラレが降り凍えそうになった4日目、Nature Reserveのカフェにて。ココアで温まる

追記:今回はこんな日程で歩きました。

1日目 チッピング・カムデン→ブロードウェイ
2日目 ブロードウェイ→ウィンチコム
3日目 ウィンチコム→ダズウェル
4日目 ダズウェル→バードリップ
5日目 バードリップ→(次回に持越し)

コッツウォルズ・ウェイについて関連リンク

全国のフットパス情報をまとめたナショナルトレイルのサイト
https://www.greatenglishtrails.com/en_GB/trails/cotswold-way/

自然環境や歴史的建造物保護のナショナルトラストのサイト
https://www.nationaltrust.org.uk/crickley-hill/features/walking-the-cotswold-way

グロスター州の野生保護団体Wildlife Trustのサイト
https://www.gloucestershirewildlifetrust.co.uk/crickley-hill-eat-drink

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About Author

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ヨガセラピスト、アーユルヴェーダヘルスコーチ。がんフレンズネットワーク主宰。神奈川県逗子市の海辺育ち。2013年から英国ロンドンとコッツウォルズの田舎でのデュアルライフを実践。皆さんが「今・ここ、この季節のじぶん」に必要なセルフケアを選んで実践できるように、身体からのアプローチで習慣を変えるコーチングを得意とする。身体も心もアイデンティティも進化させるオンライン講座、メルマガやブログ記事を英国から発信中。大好きなものは、野草摘み(Foraging)、手作りスキンケア、海、オペラ。 インスタグラム:@mariko.yoga

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