新たなカツカレー時代の幕開け

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Hiden, Camden  ヒデン  カムデン店(移転)

2024年追記:Hidenは、Finsbury Parkへ路面店として移転しました!

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ここのところ晴れの日が続き、暖かいロンドンであります。日もすっかり長くなって17:30くらいまで明るい。なんとなく長く外にいたい、そして散歩をすると気分がよくなる季節ですよね。

ちなみに先日15度くらいまで気温が上がった日は、予想通り半袖族がちらほら(笑)。とはいえ下の1枚目の写真は、昨年春のものなのでもう少し暖かい季節だったかな。ここはカムデン・タウンの有名なマーケットの中でも、比較的新しいBuck Street Marketの様子です。3階のトップフロア!

Buck Street Marketは、輸送用コンテナを組み合わせたエコ仕様のストール・マーケット。比較的若いジェネレーションに人気のあるポップでお洒落なマーケットです^^

このマーケットに昨年、日本人が経営する話題のカレー屋さん、Hiden Curryが登場! Hidenはキングス・クロス(KX)のCoal Drops Yardで3年前に創業している人気ブランド。オープン1年後には、かのフィナンシャル・タイムズの食コラムで取り上げられるという快挙を成し遂げた実力者でもあります。FTでは食文化として意義あるものしか記事にしないと思うので、すごいと思います! イギリス人にも確実に届いてるってことですね。

これはつい先日の様子。2階にあります!

私だって何を隠そう、Hidenカレーの大ファン♡ KX店にはオープン直後に足を運びました!

創業者の1人であり、シェフとして長年活躍してこられた吉山ヒデアキさんが、ご自身のカレー愛を追及される中でたどり着いた秘伝ルーで仕上げる、究極のカレーがHidenです。吉山シェフは日本におられた頃からずっと食業界一筋で、トップレストランの厨房を経験してこられた方。食へのこだわりから、いよいよご自身の味を前面に出していくプロジェクトとして、共同創業者の皆さんとHidenに取り組まれたそうです^^

Hidenカレーはビーフ、チキン・ベジの3種がカレー・メニューの基本。15〜20種のスパイスを配合し(!)、3種とも異なるブレンドでゼロから作るこだわり。現在は吉山シェフの友人でもある宇田大樹(ウダ・ヒロキ)さんが中心となって、全ての工程を監修されています。(お二人は大阪つながり^^  吉山シェフは現在、実質的に事業からは手を引かれているそうです。)

ジャーン! チキン・カツカレー。サクサク感、味のバランスに美味しさに感動しました。

Hidenカレーの特徴? とにかくベースとなるルーが美味い! なんとも言えないコクがあってクセになる絶品ソースなのですが、これが人気ナンバーワンのチキン・カツカレーのベースにもなっています。レンティル豆を使うそうなのですが、なんと油分を使わないレシピなのだとか。それであのコクを出せるとは・・・すごいテクニックです。

カツがさっくり揚がっているのは当然♡ お米はミディアム・グレインで。

そう言えばHidenの正式名称は「Hiden Japanese Curry Lab」なので、やはり「カレー研究所」なんですね^^ 研究を重ねているからこそのお味。至極納得です。

そしてこちらのカムデン店だけの注目メニューであり、ヒロキさんオススメの一品がこちら、チキン南蛮丼♪ こ、これは!♡

特製タルタルソースも美味しい!

日本でいただく上質のチキン南蛮そのもの。いや、日本国内でもこれだけきちんと作るお店って少ないのではないでしょうか。懐かしい正統派のお味を求めておられる方は、ぜひぜひ試してみてくださいね。ローカルの人たちもこの濃厚系さっぱり味がきっと好きなはず^^

そして忘れてならないのが、感動のチキン唐揚げ・・・!

アップで出しちゃう。

独自レシピで作られる鶏の唐揚げは、衣はサクサクでお肉はジューシー。下味も完璧。「ソースを付けずににまずは味わってほしい」というお店の方の思いがわかる気がします。

それは口に放り入れた瞬間から口福がやってくる、素晴らしい唐揚げです。何も足さないで、何も引かないでって感じw  日本にいる方なら、もしかすると「日本のケンタッキー・フライドチキンを思わせる」なんて形容をするのかな^^  家庭でこれだけ美味しい唐揚げ作ってみたいなぁ♪

ここ数年のイギリスでは大きなカツカレー愛が育まれていまして、私のその点について2020年から主だった記事を2本書かせていただきました。

イギリスで日本の「カツカレー」が“国民食”になっている驚きの理由
イギリス人がカツのないカレーを「カツカレー」と呼ぶようになった驚きの理由

記事では日本人が「カレーライス」として親しんできた欧州カレー(つまりインドにルーツを持つ英国のカレー)がそのルーツにあり、イギリスで日本のカレーが受けているのは必然だと結論付けました。

前述したFTのHidenレビューでは、その歴史を際立たせるのに、英国海軍がインド・カレーを好んで食べたことを、日本海軍が軍の強化のために取り入れたかのように書いているのも興味深いところですが^^;  FTのジャーナリストもHidenカレーの美味しさに感動し、筆を取ったということのようです。

日本においては、家庭はもちろんカフェや一部のレストランでは市販ルーをベースに個性を出していくのが普通だと思います。しかるにHidenでは、プロのシェフが研究に研究を重ねてルーを生み出し、伝統の<日本のカレーライス>に近づけ、さらに味を磨いている。そこがHiden Japanese Curry Labの面目躍如たる部分なのでしょう。

現在Hidenはマーケット内の簡易食堂ではありますが、きっとそのうち路面店を持たれるようになると思います。Hiden Curryの味が日本のカレーとしてロンドンっ子たちの記憶に残っていく日も遠くないのかもしれません。だからこそ「新たなカツカレー時代の幕開け」と言わせていただきます。

The First Floor, Camden Buck Street Market, 192-198 Camden High Street, London NW1 8QP

店名Hiden, Camden
最寄り駅Camden Town

住所The First Floor, Camden Buck Street Market, 192-198 Camden High Street, London NW1 8QP
電話番号
営業時間月〜金 11:30 – 17:00 土 11:30 – 19:00 日 11:30 – 18:00
URLhttps://hidencurry.com
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岡山県倉敷市出身。ロンドンを拠点に活動するライター、編集者。東京の文芸系出版社勤務、雑誌編集・ライターを経て、1998年渡英。英系制作会社にて数多くの日本語プロジェクトに関わった後、2009年からフリーランス、各種媒体に寄稿中。2014年にイギリス情報サイト「あぶそる~とロンドン」を立ち上げ、編集長として「美食都市ロンドン」の普及にいそしむかたわら、オルタナティブな生活、人間の可能性について模索中。著書に『歩いてまわる小さなロンドン』(大和書房) 『ロンドンでしたい100のこと』『イギリスの飾らないのに豊かな暮らし 365日』『コッツウォルズ』(自由国民社)。NHK文化センター名古屋教室「江國まゆのイギリス便り」講師。MUSIC BIRDのラジオ番組「ガウラジ」に月一でゲスト出演。チャネリングをベースとしたヒーラー「エウリーナ」としても活動中(保江邦夫氏との共著『シリウス宇宙連合アシュター司令官 vs.保江邦夫緊急指令対談』もある)。Instagram: @ekumayu

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