東京メトロは【エリザベス線】で人材を使いこなせるか。

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ヒースロー空港までの新たな大動脈として大活躍中のエリザベス線。パープル・カラーもすっかり定着し、おそらく沿線上に住まわれている皆さんにとっては、すでになくてはならない存在になっているのではないでしょうか。

そんなエリザベス線の「ソフト面」を、なんとロンドン交通局から委託され、日本の東京メトロと住友商事が合同で運営するというニュースが飛び込んできたのは昨年11月。この5月からいよいよスタートします! 契約期間は最長で9.5年だそうです。

とはいえ運営母体はこのために作られた合弁会社GTS Rail Operations で、英国の会社The Go-Ahead Groupが最大の出資者。出資率はGo-Ahead 65%、東京メトロ17.5%、住友商事 17.5%とのことで、母体としては英国のまま。日本の企業に任されているのは、やはり運行の正確さや迅速さなどなのでしょうか。

日本企業のイギリスでの活躍にワクワクしながら少し調べていると、当サイトでも連載してくださっている赤川薫さんが「乗りものニュース」に執筆された記事を見つけました。すごくわかりやすい!

東京メトロ「エリザベス線」が実現した4つの背景とは
https://trafficnews.jp/post/136316/2

今回の入札は4月末まで運営を任されている中国系の会社との契約が切れたことによるようですが、薫さんが読み込んでいるように、おそらく中国系ではない会社に乗り換えたい思いがあるのは事実だと思います。それに世界的に見て東京の地下鉄の複雑さを考えると、その運営ノウハウが注目を集めるのは十分に理解できますよね。

しかし気になるのは「ノウハウがあっても現地の人材で同じパフォーマンスを発揮できるのか?」ということですね(笑)。

イギリスでは、列車遅延の理由として「スタッフの遅刻」とか「スタッフが未出勤」とかが多いだけに(汗)、日本と同じような士気を求めるのは無理があるようにも感じます。何かご褒美作戦とかがないと難しいかもですねw もちろん遅刻や欠勤の原因は、子どもの突然の病気など家族に紐づけられることも多いです。

日本では労働が美徳という考え方がありますが、イギリスでは労働はなるべく避けたい人が多いお国柄。環境を整えても、人材をうまく採用し、仕事よりもプライベートを重視する傾向にあるスタッフを上手にマネージする体制がなければ難しい側面もあるのではないかと思います。いずれにせよスタッフ教育とマネージメントが鍵ですね〜^^

反対に東京メトロの方々も、イギリスの人道的な雇用のあり方を学ぶチャンスかもしれませんね。

私も迅速に動けるエリザベス線は大好きで、とても便利で重要な路線だと思っています。今後もロンドンと郊外地域を結んでいく成長路線ですし、円滑な運行が行われることを心から願っています。東京メトロの皆さん、がんばってください♡

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岡山県倉敷市出身。ロンドンを拠点に活動するライター、編集者。東京の文芸系出版社勤務、雑誌編集・ライターを経て、1998年渡英。英系制作会社にて数多くの日本語プロジェクトに関わった後、2009年からフリーランス。2014年にイギリス情報ウェブマガジン「あぶそる~とロンドン」を創設。食をはじめ英国の文化について各種媒体に寄稿中。著書に『歩いてまわる小さなロンドン』(大和書房) 『ロンドンでしたい100のこと』『イギリスの飾らないのに豊かな暮らし 365日』『コッツウォルズ』(自由国民社)。カルチャー講座の講師、ラジオ・テレビ出演なども。英国の外食文化について造詣が深く、企業アドバイザーも請け負う。チャネリングをベースとしたヒーラー「エウリーナ」としても活動中(保江邦夫氏との共著『シリウス宇宙連合アシュター司令官 vs.保江邦夫緊急指令対談』もある)。Instagram: @ekumayu

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