Café Kitsuné at Pantechnicon カフェ キツネ・アット・パンテクニコン
カフェもレストランも熾烈なリモート戦線まっただ中。春の再オープンまでもう待てません、という空気がいっぱい流れておりますが、本日はその再オープンが心底待ち遠しいベルグレイヴィアのパンテクニコン内カフェ、Café Kitsuné / カフェ キツネのご案内です♪ (パンテクニコンは略してパンテクでいきます)
北欧とニッポンのカルチャーを反映させたライフスタイルと食の複合施設、パンテクについては3階のレストラン、Eldrをご紹介した際、少し詳しく書きました。このレストランも素敵なのですが、気軽に立ち寄って極上デザートとお茶でオシャレに休憩していただきたいのが、2階のロフト部分にできているカフェ キツネ。口コミだけですでに大人気です。
フランス情報にはとんと疎いわたくし、昨年オープン時に初めて訪れたときは、こちらがパリ発のカルチャー・ブランド<Kitsuné>が手がける飲食部門のロンドン1号店とは知らなかったのでした。もちろんメゾン キツネも知りません。それで猛烈にリサーチしてみました(笑)。日仏デュオによる2002年創業プロジェクトだそうで、音楽からファッション、そして飲食へと手広く事業展開され、大成功を収められているのですね。海外でジャパンが知られていくのは嬉しいものです!
カフェ キツネの注文カウンターは、ローマ・ギリシャ神殿風の圧倒されるようなパンテク・ビルの正面玄関を入り、真正面に構えているのでわかりやすい。言ってみれば建物の顔ですね。カウンター上には軽食のサンプルやケーキ類がズラリ。目移りしてすぐに注文できない可能性もあるので(笑)メニュー構成を知っておきましょう。
日本風の白パンを使った太っちょサンドは軽食人気ナンバーワン! コンフィ・エッグ入りの卵サンド、カツサンド、野菜サンドなどから選べます。オープン直後にはサラダ・ボウルもあったのですが、現在はメニューに残っているかどうか不明。
ケーキ類はロンドン5つ星ホテルで腕を鳴らした専属のギリシャ系パティシエさんが、完璧にクオリティ・コントロールされているそうです。すでに試された方には同意いただけると思うのですが、味の繊細さはもちろん、ディテールへのこだわりや日本的なエレメントを盛り込むセンス、一つの芸術品としてまとめ上げる力量は並大抵ではないと感じます。職人技が、バシッと決まっているんです。
私はフランス系のケーキが大好物というわけではないのですが、カフェ キツネのスイーツたちには敬意を払わずにはいられません。それは決してフレンチ・パティスリーの古典的な教科書に載っているものではなく、力強いクリエイティビティに溢れています。柚子抹茶エクレア、ティー&チェリークリーム・シュー、特製モンブランやチョコ・キャラメル・バーなど定番メニューに逸品が多い中で、私が特に気に入ったのは抹茶クロワッサン^^
抹茶クロワッサンは2度焼きされているそうで、表面はサクサク。中にはちょうどいい甘さの上品な抹茶アーモンド・クリームがぎっしり。そしてこの芸術作品を際立たせているのは柚子を思わせる甘酸っぱいレモン風味のアクセントです。てっぺんにはクリスタライズされたレモンがちょこん。ほのかな酸味とアーモンドが織りなす、危険な誘惑。
そして実は、飲食以外にもパンテクには職人技の見どころが・・・♡ そう、周りを見渡してください。この素晴らしいインテリア・デザインを。
カフェ キツネ、そしてビルの共用エリアをパンテク側と協働でデザインされたのが、ロンドンを拠点に活動されている日本のデザイン事務所なんです! これは本当に嬉しい発見!
デザイン事務所の名前は「DEIK」(デイク)。日本人建築家、塩谷進さん率いるDEIKは、なんと在英日本人なら知らぬ人はいない江戸建設さんとのコラボから生まれた新しいデザイン・チームなのです。
今後は日欧のデザインを知り尽くしたDEIKが設計デザインし、クラフツマンシップにこだわる江戸建設 / EDO Constructionが施工する形で、ディテールまで重視する高品質な空間を創造していくそうです。またDEIKは店舗デザインだけでなく、日本企業のイギリス進出のサポート、ブランディングまで幅広い分野をカバーされているので、イギリスに出店を考えている皆さんに、これは絶対的な朗報!
DEIKのウェブサイトを拝見すると(私はDEIKのブランド名の由来が好きです^^ )、パンテクのデザイン・コンセプトに関わるにあたって、北欧x日本の両国に共通するウッドクラフトを軸にしたデザインにされたとか。もちろんそこには、パリから生まれたカフェ キツネのアイデンティティも絡ませないといけません。つまり、それぞれユニークな個性を融合させる試みがなされているのです。
上の2枚の写真は、DEIKさんについて教えてくださったお友達の旦那様、建築写真家のEdmund Sumnerさんにお借りしました。ありがとうございます!
パンテクは北欧と日本の折衷施設なんですけど、こうして日本人目線で見ると、インテリアにせよ食べ物にせよ、日本のものをより応援したくなっちゃいます^^
余談ですが・・・こちらのPenの記事によると、パリ、ニューヨーク、東京、ソウルなどで展開しているカフェ キツネの支店リストに、我が岡山が参戦しているようです(笑)。古民家を改装したお店はコーヒーの焙煎所も兼ねているとかで興味津々です。次回一時帰国したら寄ってみよう♪