6コース37ポンド! 究極のコンセプト・ディナーで勝負

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Six by Nico London  シックス・バイ・ニコ  ロンドン

地方都市のことだと思ってぼんやりとその活躍を拝見していたニコ・シメオンさんのコンセプト・レストランが、ロンドンにもやって来ました! 昨年の夏のことです。確か1年以上前にドキュメンタリー番組で彼の特集をしていて「渋い感じのシェフだなぁ」と思った記憶があります。それが昨年からロンドンでも話題に^^

なぜテレビで紹介されていたのか? それは彼が始めたレストランのコンセプトが、現在の業界では大きな挑戦だったから。Six by Nico を一言で表すなら、6コースの上質テイスティング・メニューを、37ポンドの破格値で提供する業界クラッシャー。スター・シェフがもてはやされ、お値段も天井知らずの今のレストラン体験に疑問を呈し、「ファイン・ダイニング体験を、全ての人に!」という思いから立ち上げたそうです♡

シェフ・オーナーのニコさんはグラスゴー出身で、最初のレストランは地元で2011年にオープン。その後、6コース37ポンドのコンセプトで新レストラン「Six by Nico」を2017年にグラスゴーでローンチ。その後の3年でエジンバラ、ベルファースト、マンチェスター、リバプールと主に北部エリアに勢いよく店舗を広げ、昨年はついにロンドン進出。地方都市ならまだしも、フィッツロヴィアの一等地で6コース37ポンドをキープしていく俠気に脱帽なのです〜。

さて、ではお料理をいただいてみましょう♡

素敵なインテリアでした!

ハリウッド・スターのアートでデコレーション。

シェフは5名くらいが働いていました。

6コースのメニューには、毎回テーマを決めて取り組みます。6週間ごとにテーマを変えていくことでリピーターも確保していく作戦なのですね。私が訪れた6月のテーマは「サーカス」! テーブル席に着いたときからサーカスに来たようなワクワクな演出がされていました♪

サーカスはポップコーンで始まり! 左はお楽しみくじ^^

本日のメニュー。

スクラッチ方式のくじでちょっとした幸運試し^^  ポップコーンの突き出しも楽しかった。 そしてこちらが第1のコース!

“Waffles & Ice Cream”

アイスクリームに見立てたチキン・リバー・パフェの周りには、キャラメライズしたピーチ。ポテト・ワッフルで掬っていただきます♡ ラズベリーの彩りも美しく、遊園地を歩きながら食べたくなる愉しさ。第2のコースはこちら!

“Candy Butchers”

ビーフ・タルタル!  なのですが、私はここだけベジタリアンのコースに変えていただきました。その辺りは柔軟に対応してくださるので、ありがたかったです。もちろんベジタリアンの6コースも用意されているのでご心配なく(ヴィーガン・メニューはないみたいですが、事前に相談してみると対応してくださるのかも)。

ベジタリアンのタルタルはビーツでした。ビーツにキュウリのピクルスでアクセントをつけ、熟成パルメザン・チーズでまとめた一品。美味しかったです^^  そして第3のコースはこちら!

“The Illusionist”

チキン・バロティンとフェンネル♡ これは完璧でした。お肉も柔らかく味のバランスも素晴らしく。もっと食べたい! そして第4のコースがこちら!

“a’Crab’atics”

カレイと蟹のトルテリーニです。美しく調理されたカレイ、燻製トマトのコンポート、ベルガモット・ジェル、そして蟹肉入りトルテリーニ。ソースはもちろん蟹のビスクです。この辺りからコースの真価に気づいて至福モードに♡ 次なる第5のコースはこちら!

“The Greatest Show”

こちらがラグー。

スモークした鴨肉。黒トリュフのエマルジョン、鴨足肉のラグー付き。こちらの料理はスモークを閉じ込めた状態でテーブルに運ばれ、透明なカバーを目の前ではずすという素敵な演出があったのですが、動画撮影を優先したらその動画がうまく撮れていなかったという悲しい結果にw  おかげで写真もなし。でもでも、どれも本当に美味しかったです〜。鴨肉完璧でした。

そして最後のコースがこちら。

“Grande Finale”

ピーナッツ・バター・パフェ、ルバーブ・コンポート、ブラッド・オレンジ、わたあめ。プレゼンテーションからして惚れ惚れしますよね。ピーナッツ・バター大好きな私としては最高のデザートでした^^ わたあめも久しぶりに食べたw

ふぅ。いかがでしたか?

ワインをペアリングさせると、プラス33ポンド。合計で70ポンドですね。サービス料を入れても一人80ポンドです。その他にスナックとしておつまみ的なものやパンなども別に注文できます。胃袋に余裕のある皆さんは結構エキストラで頼まれていました。ワインをペアリングさせているテーブルも半数以上ありましたが、もちろん普通にボトルでワインを頼んだってOK。私たちは急いでおりコーヒーも飲まなかったので、お支払いは40ポンド台でしたが、コーヒーまで頼んでゆっくりしても50ポンドくらいだと思います。

何より、テーマを決めたメニューが楽しいと思いました。ロンドン店では、現在は8月8日まで上海をテーマにした6コースを提供中! 今、行ってみたい気持ちになっています。ちょっとした特別な日のお食事にもぴったりですよね。

Six by Nico のコンセプトには、いくつかの素晴らしい利点があると思いました。6コースで多彩な食材や料理を楽しめるところは、日本の幕の内弁当に似ています。「少しずつ色々なものを」楽しみたい私たちにはうってつけのコンセプトですし、栄養的にも優れています。

エンターテインメント性にもあふれているので、デートや記念日にはメニューを選ぶ手間もなく互いに向き合うことができ、お料理が運ばれるたびに新鮮さを呼び込んでくれます^^

そして6週間のあいだ料理するものが決まっており、お店のキャパや予約状況がわかっているなら、食品廃棄も減るはずです。シェフも毎日の調理実践の中で熟練してくるはずですし、新しいシェフの訓練にも向いていそう。Six by Nicoのお料理は、間違いなくファイン・ダイニングのそれです。週7日営業で毎日ランチ+ディナーを提供するので、シェフの数もそれなりに必要になってくるでしょう。将来的にここから素敵なシェフが巣立っていくのかもしれませんしね。

いいところ尽くし♡

ちなみにカナリー・ワーフにも支店ができる予定です。こちらの方は8月9日のローンチから6週間、チッピーをテーマにしたファイン・ダイニングを提供予定! うーん、こちらも気になるなぁ・・・。

注:2023年現在、6コース 48ポンドとなっています。

41 Charlotte Street, London W1T 1RR

店名Six by Nico London
最寄り駅Goodge Street
住所41 Charlotte Street, London W1T 1RR
電話番号020 7580 8143
営業時間毎日 12:00 – 23:00
URLhttps://www.sixbynico.co.uk
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About Author

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岡山県倉敷市出身。ロンドンを拠点に活動するライター、編集者。東京の文芸系出版社勤務、雑誌編集・ライターを経て、1998年渡英。英系制作会社にて数多くの日本語プロジェクトに関わった後、2009年からフリーランス、各種媒体に寄稿中。2014年にイギリス情報サイト「あぶそる~とロンドン」を立ち上げ、編集長として「美食都市ロンドン」の普及にいそしむかたわら、オルタナティブな生活、人間の可能性について模索中。著書に『歩いてまわる小さなロンドン』(大和書房) 『ロンドンでしたい100のこと』『イギリスの飾らないのに豊かな暮らし 365日』『コッツウォルズ』(自由国民社)。NHK文化センター名古屋教室「江國まゆのイギリス便り」講師。MUSIC BIRDのラジオ番組「ガウラジ」に月一でゲスト出演。チャネリングをベースとしたヒーラー「エウリーナ」としても活動中(保江邦夫氏との共著『シリウス宇宙連合アシュター司令官 vs.保江邦夫緊急指令対談』もある)。Instagram: @ekumayu

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