世界トップクラスのレストランを渡り歩いて研鑽を積んだ後、わずか21歳で独立して以降、ひた走ってきたスウェーデン人シェフ、ニコラス・エクステド/ Niklas Ekstedt さんの初めてのUKレストラン。2021年末にオープンしています^^
場所は五つ星ホテルが立ち並ぶセント・ジェームズ地区の東側。2019年末に創業したハイアット系列「Great Scotland Yard Hotel」のホテル・レストランとして、北欧のファイン・キュイジーヌを発信して存在感を見せつけています。
現代的なラグジュアリーを追求するグレート・スコットランド・ヤード・ホテルに、エクステドさんのアプローチがぴったりと合致しているのですね〜。
シンプルなスカンジナビア風インテリアで、カジュアルかつ、とてもリラックスできる空間。特に冬は暖炉のそばで食事をいただいているような、森の中のログハウス的なイメージも少しあって、とっても落ち着きます。
そして、特殊なオーラを放つ直火焼きシステムが、レストランの全てを表しているかのよう。厨房内には特注の炭火&薪焼きグリルを、そしてダイニング側に直火釜を設置。この二つがフル稼働し、いい仕事をしてくれます!
最初にやってきたサワードゥパン。一緒に登場したバターに目が釘付け! 左の写真は大量のバターを保存している元の器で、ここから少しだけ別の小皿に取ってくださいました♡
スカンジナビア風のレシピで手作りされているというバターはとっても濃厚で、豊かな自然が育んだ味。まさに森のバター!
スターターの中から、ベイクしたトラウト(鱒)、ジュニパーで風味付けしたケールを添えたビーツをチョイス。
メインには菊芋(エルサレム・アーティチョーク)、そしてガチョウの胸肉を。
ロンドンでは今、ガスや電気などの調理器具を一切使わない直火調理レストランが大きな注目を集め、シェフたちは引っ張りだこ。何軒かの精鋭がしのぎを削っているのですが、このエクスドはシェフの育った大自然にインスパイアされているところも、大きな特徴。
例えば菊芋は松の葉で、ガチョウは干し草で燻して嗅覚を心地よく刺激し、いつしか心は森の中へ。食材によってスモークする素材を変えていくのは北欧流なのか、エクステド風なのか。素晴らしいアイディアだと思いました。
もう一つ、北欧料理の特徴として、厳しい冬を乗り切るための優れた発酵食品とピクルスの歴史があります。エクステドでは、この直火・発酵・ピクルスを完全にマスターしたシェフたちが働いているのです。
ふだんはストックホルムにいるエクステドさんに代わり、このロンドンのお店で全幅の信頼を寄せられているのが、同じくスウェーデン人のヘッドシェフ、セレス・アンダーソン / Theres Anderssonさんです♡
幸運にもセレスさんと少し言葉を交わすことができたのですが、とても明るくおおらかの女性で、こちらまで朗らかな気持ちになりました^^
こちらのインタビュー記事によると、ストックホルム郊外で育った彼女は子どもの頃から野菜を育てたり、お母様の料理の準備を手伝ったりすることが日常で、直火料理についてはスウェーデンではさほど特殊なことではないと言っています。バイキング以来の伝統なのですって。
さぁ、デザートに選んだのは、直火焼きのベイクド・アラスカです♡
真っ白な雪のようなメレンゲに包まれたアラスカに、北欧の蒸留酒アクアビットをさっとふりかけ、火をつけます。すぐに青白い炎に包まれ・・・まるで魔法の国のウィンター・デザート。ローズマリーの香りもほのかに漂い、冬の食卓が一気に森の恵みで華やぎました^^
ストックホルムの本店「エクステド」は2011年にオープンし、2年後にミシュランの星を獲得。北欧で最も注目されているシェフの一人が贈る暖かいレストランです♡
テイスティング・メニューは6コースで115ポンド、3コースは85ポンド。記念日にいかがでしょう?(この訪問は少し前なので現在はメニューが変わっていると思いますが、ボナペティ♡)