Farrier ファリア
その昔、馬車が物流や移動の手段だった頃、運河が流れるカムデン・タウンは倉庫街として栄えました。 現在ステーブルズ・マーケットがある場所には、馬たちの世話をする厩舎や付属品を作って販売するお店、蹄鉄を直したり怪我をみたりする馬病院がありました。20世紀半ばまでは馬たちが大活躍していたんですね!
カムデン・マーケットのこちらのリンクによると、最盛期には約800頭の馬たちが出入りしていたそうです。物流の一端を担っていただけでなく、列車を引っ張ったり、列車のパーツを運んだり、乗客の荷物を運んだりもしていたそう。
この4月、ステーブルズ・マーケットの一番奥で、馬病院の跡地に誕生しているのがガストロパブのFarrier(蹄鉄師という意味)。現在グレードIIの保護建築指定となっているその建物は、レンガ造りはそのままに、とってもクールなパブ・ダイニングに変身しています。以前はFEST Camdenのクラブ兼イベント会場だったのですが・・・こちらの方が時代に即している感じがします^^
建物のフロントとバックに屋外テーブルを設置。天気の良い日は外で飲むのもいいですよね。気温が低くても大丈夫。基本的なヒーティングが用意されているので、思いのほか快適に過ごせます。
さて、Farrierのお料理を監修しているのは複数のロンドンのトップ・ミシュラン・レストランの厨房で働いていたアッシュ・フィンチさんです。私たちはロックダウン開け直後くらいに訪れたのですが、お料理は季節によって変わるので現在はまた違ったメニューをお楽しみいただけます。
メニューはアッシュ・フィンチさんがクリエイトして監修し、別のシェフたちが調理をしているのだと思います。概して素敵な仕上がりでしたが、味が濃いと感じるお皿も半分くらいあり、お酒を合わせるために故意にそうしているとみるか、あるいはシェフがスペイン人とみるか・・・。お値段もちょっとしたレストラン並みですので、気になる方は多種類を用意しているバー・スナックでタパス風に楽しまれるのもいいのかも^^
デザートは名物のチョコレート・ムースがおすすめ。今はルバーブを使った季節のスイーツを楽しめるみたいです。
日曜日はぜひサンデーローストを♪ そして月曜日のランチタイムは、ローストの残りを使ったサンドイッチ「ロースティー・トースティー」を提供! 残り肉がなくなるまでサーブするそうですよ。これは食品廃棄を減らすという意味で、なかなか良いアイデアだと思います^^
カムデン・タウン周辺は個性的なパブがいろいろありますが、ファリアはガストロパブとしての顔が強いと感じます。何よりインダストリアルな内装がロンドンらしく素敵なので、ちょっとした記念日にレストラン内の席を予約して、3コースをお腹いっぱい食べるつもりで訪れてみても楽しめるでしょう♪