Chapter 2.7
ミニマリズム界のキーパーソンたち・2
前回はミニマリズム・ムーブメントを牽引する男性たちのごく一部をご紹介しましたが、今回は女性編。作家だけでなく、様々なジャンルから選んでみました。
(写真は全て彼らのサイトやチャンネルより拝借しています。)
まずはイギリス勢から。
メリッサ・ケイン
第2話で登場した人気ポッドキャスト・シリーズ『マインド・パレス』のパーソナリティをつとめる彼女は、普段は幼稚園の先生。番組では時おり子どもと接している人ならではのユニークなエピソードが飛び出します。相棒をつとめるジェシカ・リン・ウィリアムズは米ハワイ在住のアーティスト。女友達がカフェや電話で長話するようなカジュアルな雰囲気で、アメリカとイギリスの文化の違いに大笑いしつつ、ミニマリズムについて率直で楽しいおしゃべりを聞かせてくれます。
レジーナ・ウォン
先日ロンドン・ミーティング(第13話)でお会いした彼女はミニマリズムのコンサルテーションやコーチングを行う「Live well with less」を主催。作家としてミニマリズム入門書「A Minimalist Life」を出版されているほか、前回登場した2人組「ザ・ミニマリスト」を招いて英国でツアーを行ったり、英国で行われる様々なミニマリズム関連イベントのファシリテーターとして活躍しています。
そしてまた米国。
フランシーン・ジェイ
ミニマリスト・ライフ、シンプルライフの利点と楽しみを教えてくれる著作『The Joy of Less ※』で知られる「ミス・ミニマリスト」ことフランシーン・ジェイ。母親の立場から家族ぐるみのミニマリスト・ライフを提唱、「余計なモノと手間とケンカを最低限に減らし、楽しみは最大限に」というのがモットー。こんまり先生こと近藤麻理恵さんのママ版といったところでしょうか。片付けのモチベーションと効率がぐんと上がるのは筆者も体験済みです。(筆者註※少ないことの喜び、といった意味)
コートニー・カーヴァー
「プロジェクト333」というユニークなファッション・プロジェクトで知られる彼女。ワーキングママとしてバリバリ働いていましたが、難病を患ったことをきっかけに仕事やモノがどれだけストレスを引き起こしているかを知りました。中でも通勤前のワードローブ選びが朝の一大ストレスになっていることに気付き、闘病生活のかたわら、3ヶ月ごとにクローゼットを見直し、靴、アクセサリーを含めた33アイテムに絞って生活するというワードローブ改革プロジェクト「プロジェクト333」を考案。
限られた数でもちゃんとお洒落が楽しめるし、どのアイテムを組み合わせてもしっくり決まる。目からウロコの作戦でネット上で大反響を呼び、ライフスタイル全般のミニマリズム・アドバイザーに転身しました。著作も多数。もちろん33という数字はあくまでガイドラインで、その人にとって快適なアイテム数を選んで大丈夫。制限をかけることで楽になる。膨大な量の服や靴、アクセサリーをどうにかしたいと思った時はこういった発想の転換が役立ちそうです。
ココ
彼女はオランダ出身ですが現在は米西海岸在住。普段はデザイン、ブランディングの仕事をしているそうです。趣味としてYouTubeチャンネル「Light by Coco」で物質的・精神的に健康で軽やかに暮らすアイデアについて紹介しています。他のYouTubeパーソナリティと比べると更新頻度は低いのですが、衣食住や旅についてなど多岐にわたる内容のすばらしさやビデオのセンスの良さ、カジュアルだけど知的な語り口調もプラスして膨大な数のファンを抱える彼女。長身でモデルのようなスタイルと透明感のあるルックスも人気の秘訣のよう。彼女も上記のプロジェクト333実践者で、彼女のYouTubeチャンネルでは季節ごとに、シンプルでスタイリッシュな私服コーディネートを披露しています。
ジェニー・マスタード
ベルリンでファッション・ブロガー、オンライン・クリエイターとして活躍するスウェーデン人のジェニー(とパートナーのデヴィッド)。真っ白な肌に真っ赤な口紅、眉毛を剃り落としたルックスが特徴的です。彼女は子どもの時からの筋金入りミニマリスト。YouTubeチャンネル「ジェニー・マスタード」とポッドキャストを中心に、ミニマリズムやファッションについて発信しているほか、ヴィーガン向けの美しいレシピ本なども出版しています。
さて、2話に渡ってミニマリズムのキーパーソンたちをご紹介してきましたが、登場した人たちはほんの一部。機会を改めて、建築系や医学系、環境系などのミニマリストたちについてもご紹介できればいいなと思っています。