Chapter 3.6
ミニマリストにまつわる5つの神話
ミニマリストと聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか?
今回は「ミニマリストって○○なんでしょ?」という、ありがちな先入観や固定観念、いわゆる「ミニマリスト神話」について取り上げてみたいと思います。
神話その1「持ち物が異様に少ない」
ミニマリスト、イコール「持ち物の数を厳しく自己制限し、ストイックに生きている人」という印象を持つ人が多いよう。ミニマリズムには戒律もルールもなし。彼らは自分に不必要なものをスッパリ手放して、大切なものを大切にしているだけ。メイクが大好きだから、レコードを集めているからミニマリストはムリ、という訳ではないのです。
ストア派の哲人たちや修行者など、宗教や思想上の理由から厳格な制限や鍛錬を自分に課している人たちも存在しますが、これらはミニマリズムとは違っていると考えてくださいね。
神話その2「真っ白な部屋に住んでいる」「モノトーンしか着ない」「常にノーメーク」
これも誤解です。モノトーンでもナチュラル系でも鮮やかなカラーやパターンなど何でもあり。自分の人生なのですから、好きなものを選んで好きなものを飾ればいいのです。「ミニマリストだから○○はダメ」と自分で自分を縛る必要もありません。
神話その3「ケチ・貧乏」「買い物ぎらい」
ミニマリストになると確かに余計なモノは買わなくなりますが、だからといって買い物を憎んだり否定している訳ではありません。好きなものに全力でフォーカスするので、これまでのように大して必要ないモノや見栄の為にお金を使うことがなくなり、本当に欲しいものにどーんとお金を使うことができるようになるというメリットもあります。経済状況が好転する人が多いのも興味深いところ。これは時間や人間関係、仕事に関しても同様です。
また、「ミニマリストは貧乏でケチ」という先入観を持つ人がいる一方で、「(例えば)スタイリッシュな北欧デザイナー家具が自慢のお金持ち」と考える人もいて面白いなあ〜と思います。ミニマリズムと経済状態や家柄、宗教などは一切関係ないのです。
神話その4「ベジタリアン、またはビーガンである」
菜食主義者はミニマリストという先入観は、私が暮らしている英国をはじめ英語圏の国々でよく聞くフレーズです。健康や環境への配慮から食をシンプルにしようと考え、ベジタリアンやビーガンになる人は確かにいますが、これはミニマリストに限ったことではありませんものね。
神話その5「潔癖性・几帳面」
「ミニマリスト=全てを管理下においてコントロールしなければ気が済まない潔癖性の完璧主義者」。これも大ウソですね。
様々なコントロールやしがらみから自由になって軽やかに、好きなように生きることができるようになるのがミニマリズムです。
…以上、よく耳にするパターンを取り上げてみました。
私たちは日々、様々な観念や先入観を持って生きているものですが、これらが全て正しいかというと、そうでないことも多い。最初に知ったことが正しいと信じ込み、それらを基準に物事を判断してしまったり、自分の限られた範囲での経験を全てに当てはめてジャッジしてしまうといったことも起こりがち。
そこで、頭のミニマリズム改革を起こすために効く言葉。
「本当にそうなの?」
さて、この言葉に打ち勝って残る考えはどのくらいあるのでしょうか。そして本当に、絶対に、その考えが必要でしょうか?