イギリスに来てまだ3、4ヶ月頃、当時2人しかいなかった日本人の友人に連れられてカムデンタウン(Camden Town)という場所にある「寿司若」という日本食レストランに連れて行っていただきました。
すごい偶然なのですが、僕の恩師である藤井敬吾先生が、僕が留学する20年ほど前に住まれていた地域でもありました。
数え切れないほどご馳走していただいた心優しい大将と女将さんへのお礼も兼ねて、たくさんの出会いと偶然が重なった「寿司若」(残念ながら2020年に惜しまれながら閉店されました)について少しお話ししたいと思います。
当時かなりの貧乏学生をしていた僕は1日3食ミューズリを食べていたので(詳細はこちら)、たまに無理して電車代を貯め、寿司若のカウンターに座らせてもらい、メニューだけ見て何も頼まず(頼めず)お茶をずっと飲んでいると、見かねた大将が、
「シデ(ヒデ)、これ食え!」
「えっ!ありがとうございます!」(←確信犯)
と、いつもお刺身やお寿司をご馳走して下さいました。大将、ご迷惑をおかけしました…w
話がズレますが、どれくらい貧乏だったかと言うと、日本からギターの後輩くんがGuildhall School of Musicに留学していた時に、学校の近くのケバブ屋さんに連れて行き、隣のテーブルの人が残していたチップス(太めのフライドポテト)を
「これ、食べていいよ!」
と勧めるくらい貧しい(?)生活をしていましたw
さらに話がズレますが、寿司若があるカムデンタウンに、イギリスが誇る老舗の Dr Martens(ドクター・マーチン、もしくはドック・マーチン、ドックスと呼ばれるイギリスのブーツですが、どうやらイギリス人も省略して呼ぶのが好きなようです)の本社があり、この10数年、コンサートでも普段の生活でもこのブーツを愛用しています:-)
僕のイギリスデビューCD「FOUR SPRINGS」は、寿司若の2階の畳席で演奏している写真と、お世話になった方々や彼等の作品がジャケットに使われています。大将にもバック インレイ部分に写っていただきました!:-)
寿司若でパーティーがあるという時はよく誘っていただき、ギターを弾く代わりに豪華な食事をご馳走していただいていました。
パーティーでの演奏はもちろんコンサートと違いBGM的な要素もありますが、かわりに演奏の良し悪しがダイレクトに聴き手から伝わるという意味でとても勉強になりました。
特に、聴いてもらおうと大きな音で弾くことは全く意味がなく、パーティーでは特にそうですが、話し声が大きくなるという効果しかありませんw
ギターとピアノ、ヴァイオリン、またオーケストラや大きなアンサンブルで演奏する時も全く同じで、力んだ演奏は魅力が半減して音量も半減するという事を寿司若で身をもって学びましたw
普段、人や物に接する時も同じかもですね〜。強制しようとしていたり、無理をしていたり我慢をした言葉や動作(演奏)は相手が怖がったり離れたり、もしくはそういう状態が自分に返ってきたりという事が多いような気がします。
歌の伴奏やアンサンブルでギターがうるさ過ぎて良いコンサートにならなかったり、話し相手や友人、家族、人や動物、物の気持ちが離れてしまうのはそんな状態でコミュニケーションを取っている時に起こる事が多いと、寿司若で気付かせていただきましたw
最近、音楽仲間であるMC一寸法師さん、イベントを企画・開催されているGIG CONNECTIONの方々や友人達と「寿司若会」というのを作り、理由をつけては会って話や打ち合わせをしているのですが何と先日MC一寸法師さんからこんなサプライズが…!
毛筆で「弦師(ストリング・マスター) 武本英之(タケモトヒデ)」さらには大将にも↓
いつも本当にお世話になってます!20年近くにわたり撮りためた写真の一部をご覧下さい!;-)
まずは食べ残しのチップスを勧められた永田参男氏との写真から…。
最近はカムデンの地域でライブ・イベントをオーガナイズしているCamden Live さんからよく声をかけていただきロックな人々に混じってライブをしています!
英語ですが、インタビューがこちらから見れます。