40 Winks
世界で名だたる雑誌から、「世界で一番美しいプチホテル」、「世界で50の行くべき場所」や「ロンドン一官能的、愛らしい宿」といった大絶賛を受けているプチホテル、40 Winks を訪問してきました。
最寄駅はロンドン東のStepney Green 。バングラディシュ系が多いアジア人居住区で、イーストロンドン最大級のモスクもあり異空間が広がっていますが、お洒落で個性的な独立系映画館 Genesis Cinema でも知られ、近郊にこだわりカフェ等も増えつつあり、金融街シティにも近いことから最近人気が出てきているエリアです。
オーナーのカータ氏の出迎えにより、一歩中に入った瞬間に広がったのが、魅惑的な仮面舞踏会のような世界。息をのむほど艶やかで一瞬のうちに異空間に入り込んだよう。
「日本と同じで、入り口で靴を脱いでスリッパに履き替えてね」とスリッパを差し出され、日本文化を知っている方なのかなと親近感が湧きました。個性的でおしゃれな靴のコレクションの横に自分の靴を並べたとき、ふとこれから舞踏会に参加するかのような錯覚に陥り、華やいだ気持ちに。
最初に案内していただいたのが、ダイニングルーム。遊び心を刺激されるような魅惑的なインテリアに圧倒され、ここでも不思議な国のアリスの世界に迷い込んだような感覚に。“個性的”とはまさにこういったインテリアのことを言うのでしょう。
オーナーのカーター氏は著名インテリアデザイナーで、25年程前に当邸宅を購入後に改築し、抜群の美的感覚と世界中から集めたこだわりの家具が注目を集め、映画や雑誌等の撮影に幾度となく利用されていたそうです。
撮影に来たクルーや俳優、モデルなどから宿として利用できないかというリクエストが多々あったということ、近年のリーマンショックを機にした金融危機の影響もあり、約10年前の2009年に、満を持して最上階2部屋とバスルームを宿泊用としてプチブティックホテル業を開始したのだとか。
映画やファッション業界のセレブ達もお忍びで滞在するのはもちろん、日常とはかけ離れた世界を体験してみたいという人々が、世界中から集まる知る人ぞ知る隠れ家的宿となっています。このインテリアなら納得です!
日本人宿泊客も多いとのことで、最初は恥ずかしがって口数の少ない人もカーター氏の温かい人柄や日本とはかけ離れた雰囲気の中で次第に心が解き放され、会話を楽しむようになっていく姿をよく見かけますよとのこと。
ここではゲスト全員がVIP 。セレブも私のような一般人も同等のおもてなしをカーター氏から受けるため、職業や国籍、人種といった垣根がなくなって打ち解けていくのもマジカルな瞬間です。
一度宿泊するとリピーターになる人が多いとかで、その滞在を「ライフチェンジ エクスペリエンス(人生の転機となった)だった」とのお礼状が届くこともあるそうです。日本のこけしもプレゼントとしてダイニングルームに飾られていました。
映画、建築やファッション業界の人々も魅了してやまないカーター氏の見事なコーディネートを肌で感じることのできる部屋の数々をご案内いたします。
最上階にゲストルーム2部屋があります。
ダルブルームは185£(朝食、VAT20%込)とロンドン市内中心でこの質の高さからするとかなり良心的な料金設定。カーター氏がお金では得ることができない、人や場所との出会いが生み出す感動を提供したいという気持ちの表れだそうです。
料金も115£(朝食、VAT20%込)とコスパ抜群。ロンドンではなかなかおひとりさまにふさわしいシングルルームに巡り合わないのですよね。
両部屋ともMarshall & Stewart社の英国産ハンドメイドベッドを利用していて寝心地抜群。そしてシルクのような肌触りのエジプト産オーダーメードのベッドリネンと合わせて心地よい眠りにつけるようにという細やな演出が見事です。
自宅にいるようなくつろぎを味わって欲しいという配慮から、テレビやミニバー、セーブティーボックスといった通常のホテルで見かける設備はなく、各部屋の鍵もありません(安全上今までは全く問題ありませんでしたが、この点が気になる方にはおすすめできないかも。。)
Wifi以外は現代のテクノロジーから離れた時間を過ごすには最適な空間となっています。コーヒー&紅茶はダイニングルームで好きな時間に作ることができ、アイロンも必要に応じて貸出してくれます。
オーガニックプロダクト中心のボディーソープやシャンプー、ヘアードライヤーはバスルームに常備されていて自由に利用可能です。
他人と同じバスルームを共有することに対して問題はないのかと質問したところ、「ハネムーンのカップルや、家族連れ、著名人などはプライバシー保護のために両部屋を貸し切りますよ。それ以外の宿泊客はバスルーム共同と分かって予約してきていますし、他の部屋の人とコミュニケーションを図る機会ともなり、プラスにとらえる人が多いようです」とのこと。両部屋予約しても280£とロンドン中心の4-5つ星ホテル1部屋分の料金で、決して高くはないと思います。
ホテル予約サイトからの受け付けはほぼ取らず、オーナー自ら予約受付、問い合わせにメールで丁寧に対応。到着時のお出迎え、朝食時の接客までこなしています。
システム化された多くのホテルとは相反する昔ながらのサービスときめ細やかなおもてなしは、日本文化と通じることが多いとカーター氏が話してくれました。実はカーター氏の最近結婚なさった奥様は日本人とのこと。親近感がぐーっと湧いて今回の出会いの感動が倍増しました。
「ロンドン東部にある、客室わずか2部屋という小さな空間でこれまで何千人もの人と人の出会いがあり、文化の出会いが生まれている。そんな瞬間を提供できることがこの上ない幸せです。万人受けしようとは思っていませんが、この宿のコンセプトに賛同して来てくれる人には最大限のおもてなしで迎えていますよ」というカーター氏の言葉が心に沁みました。
ホテル名の40 Winks とは、英語で「うたた寝」の意味。その名のとおり、日々の雑念を忘れて夢の世界のような非日常のひとときを味わうことができると思います。 通常のホテル滞在とは異なる出会いや経験、インテリアデザイナーの極上のセンスに触れ感性が磨かれる体験をしてみたい方におすすめの宿。通年を通して人気のため、予約と同時に宿泊費の支払いが必要となります(カード支払い可能)。キャンセルポリシーがチェクイン日の20日前までとなっている旨ご承知おきくださいませ。
ホテル名 | 40 Winks |
住所 | 109 Mile End Road, Stepney Green, London E1 4UJ,UK |
最寄り駅 | Stepney Green ( District , the Hammersmith & City lines )駅 より徒歩3分 |
ホームページ | http://www.40winks.org/ |
電話番号 | +44 (0)20 7790 0259 携帯:+44 (0)7973 653944 |
メールアドレス | reservations@40winks.org |
部屋数 | 2 |
宿泊費 | シングルルーム £115 , ダブルルーム£185 ,両部屋貸し切り£280 (コンチネンタル式朝食、VAT20% 含) |
喫煙室 | 無。中庭では喫煙可 |
車椅子対応客室 | 無。各階への移動は階段のみ |
チェックイン | 14:00 |
チェックアウト | 11:00 |
Wi-Fi | 建物全体で利用可能。利用代宿泊費に含まれる |
日本語スタッフ | 無 |
ホテル施設 | ダイニングルーム、中庭 |
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