イギリスも規制緩和に向けて少しずつ動きだしそうですね。
ロンドン市内でホテル勤務している数名に現在の状況を聞いてみたところ、キーワーカー(医療従事者をはじめとした市民生活維持に不可欠な職種)のために営業を続ける数軒の他、ほぼ休業中でした。状況に応じて少しずつ6月以降に営業再開する予定のホテル、7月までは休業が決まっているところと、今後の政府の方針に応じて柔軟に決めていくようです。
完全に休業していないホテルでも、各部署数名ずつを残して多くのスタッフはFurlough休職扱いとなっているそうです(ファーロウ:政府からの援助で給料の80%<月額2500£上限>が支給される)。ロンドンのホテルで働いている知人は現在、全員休職中です。
また、友人が勤務する市内中心5つ星ホテルは全館休業中ですが、不法侵入を防ぐために完全な空館にせず、セキュリティが常に巡回をしているそうです。またFurlough制度取り扱いなどの新しい事務処理で多忙の経理、そしてその数人の食事をサポートするためのシェフも同じく泊まり込みで、1か月交代でホテルに滞在しているそうですよ。
ホテルが実質ほぼ休業しているのに対し、サービスアパートメントは現在も営業しているところが何件もあります。レストラン営業や毎日の客室清掃がないので、スタッフ数を最低限に抑えられるからということだと思います。4月1日付けで日本より赴任になった上司(私は彼のPAを務めていますが、在宅勤務中の為まだ一度も直接会うことができていません。。)はサービスアパートメントを利用しています。通常サービスの一環である週1回のシーツ替えを、自分で行わなければならないといった対応はありますが、問題なく日常生活を送ることができているということです。
さて、私がロックダウン前の最後にロンドンのホテルに足を踏み入れたのが、3月14日のこと。前回ご紹介したBlue Orchid Hotels Tower Suites ホテルです。朝食をいただいた際のレポートをしますね。
こちらは政府関係者、キーワーカーのために現在も営業しているホテルの一つです。
Blue Orchid Hotel グループ創業者Tony Matharu 氏は、チャリティ業にも尽力し、宿泊箇所をはじめとして食事やハンドソープといった生活必需品の他、本やオンラインコース、セラピーといった心のケアまでキーワーカーに提供しているそうです。新型コロナウィルスの影響によるホスピタリティ業界の打撃は明らかですが、こういったホテルの存在は心温まりますよね。
世界各国の規制緩和が進み、観光やビジネスでロンドンに人が戻ってくる日はいつになるのでしょうか。コロナ後のホテル業界の在り方がどう変化していくのかに注目していきたいと思います。