手軽でシックなデリ・カフェが、生誕25周年のサマセット・ハウスにオープン!

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Aram  アラム

芸術の秋。ストランドの文化施設、サマセット・ハウスに行きませんか? とはいえ私にとっては食欲の秋でもありますので♪ 食の芸術を目指します! つい3週間前、サマセット・ハウス内に注目のデリ・カフェ、「Aram」が誕生したので、さっそく行ってまいりました♡ 

「Aramアラム」とは?

これは中東の古代オリエントで栄えた商業圏の人や言語を指す言葉なんです。シリアの古都、ダマスカスはアラム人たちが造ったと言われているのですね。ちょうどメソポタミアやエジプトに文明が栄えていた時代のこと。古代文明好きとしては、この命名はブルブルっときますね^^(日本は縄文時代くらいですかね。)

商売がうまくて頭の良かったアラム人や、彼らが使ったアラム語は、一時期大きな勢いを持っていました。デリ・カフェ「Aram」のシリア人のオーナーさんの果てしない思いが感じられます。

その頃からいうとかなり時代は下ってしまいますが、ロンドンにも文明がやってきましてw 16世紀頃にサマセット・ハウスの原型ができます。サマセット・ハウスって何気にレストランやカフェが充実していて、アート目的でなくても楽しめるのが私もお気に入り。宮殿のような建物ならでは(昔は本当に王族が住んでいたのですが)、どの飲食ブランドもここにくればすっかりゴージャスな装いになってしまうのです〜。

サマセット・ハウス! いつも前庭で催しやっていて、この日も設営か撤退で賑やかでした。なので寄り写真ですが、広大な敷地です。あとちょっとで恒例のスケートリンクも登場しますね^^

Aramの入り口! すっきりとしたデザイン♪ カウンターはサラダとケーキ、ペイストリーでにぎやか。ここは主にシリアの食を扱います。

ペイストリーもおかず系ありで嬉しい^^

さすがのサマセット・ハウス。高い天井とシックな内装がゴージャス♡ 大きな窓から自然光がたっぷりと差し込みます。

メニューはキッチンで調理してくれる温かい料理から、中東の香りがするサラダ類、ペイストリーやケーキなどから構成され、その彩りに圧倒されます。興味津々でシリア風のカフェご飯を注文し、やってきたのがこちら♡

右はひよこ豆や赤ピーマンのコンフィ、ザクロなどが彩りを添えるナスのサラダ、タヒー二・ドレッシングは惜しみなく。ピタパンが合うはず!

自家製トラウトとポテト・ロスティ、ポーチド・エッグのお皿。ロスティが焼きたてだともっとよかったのにな^^

ザアタル風味のクロワッサンのサンドイッチ。卵とハロウミ・チーズでボリューミー!お腹いっぱい。美味しい♪

シリアの食を中心に、トルコやキプロス、ヨルダンなど、様々な中東地域からインスピレーションを得ているカラフルなお料理たち♡

入り口のカウンターで迎えてくれる各種サラダは、盛り合わせやタンパク質との組み合わせでバランスよくヘルシーにいただくことが可能。ローストしたナスのサラダも具沢山でしっかりとした味わい。ピタパンもあるので注文すればよかったのかも^^

中東のスパイス、ザアタル風味の特製クロワッサンで目玉焼きやハロウミ・チーズをはさんでいただく一品は、リッチで満足度が高いので、さっぱりとしたニンジンのサラダなどと合わせるときっとパーフェクト♪

勢いづいて、私たちはデザート2品も頼んでしまいました。そしてこれに驚かされます!

ブリオッシュのフレンチトースト+タヒーニ入りのクリームを添えて。これがクセになる美味しさ!

カウンターには中東ならではの素材を使った焼き菓子類がいっぱい。クオリティ高い!

デーツのバノッフィー!再構築風。デーツ・ピューレ、シャンティーイ・クリーム、新鮮なバナナ、そしてオーツ。全部合わせるとかなり美味しい。朝食にも!

このローズとピスタチオのケーキはクオリティ高い。中にレッド・フルーツのジャムも入っていて甘さ控えめ♡

満場一致で本日のナンバーワンになったのが、ブリオッシュをフレンチ・トースト風にしたデザート。添えてあるのはタヒーニ入りのクリームで、これが絶品。デーツのシロップもよく合います^^ きょうびこれで5.50ポンドはかなりお値打ち! サクサクとした仕上がりの変わりフレンチ・トーストに口溶けのよい濃厚クリームをつけて、さぁどうぞ♪  朝食にもぴったりですね・・・。

そして上品な味わいのデーツのピュレを添えたバノッフィー風のボウルもやはり朝食向け。こちらも盛り合わせただけにも見えるのですが、新鮮でかなり美味しくいただきました♡ さっぱりと仕上げたデーツの風味ってすごいですね。

ここまで来たらケーキも試さなくてはと、ローズ・クリームとピスタチオの焼き菓子をシェア。正直、普通のバタークリームのマフィンだと思ってあまり期待していなかったのですが・・・良い意味で大きく期待を裏切られることに。甘さ控えめのしっとりスポンジを半分に割ると、中には甘酸っぱいレッドベリーのジャムが入っていて、その酸味とローズクリームがグッドマッチング。上質なスポンジに惚れました♡

飲み物について触れるのを忘れていました。コールドもホットも中東風のフレーバーを多く取り揃えていて、エキゾチックでバランスよく、とてもおいしかった。おすすめはコールドなら「Aram Iced Tea」、ホットなら「Syrian Chi」!

さて、Aramは3人の友人同志が共同で立ち上げたそうです。

シリア人のシェフで、レストラン事業家のイマド・アルナーブさんを中心に、数々の独立系レストラン・チェーンのマネージャーとして腕を鳴らしたギリシャ人のミハリスさん、そして同じくギリシャ人シェフのクリストスさんが一緒です。

イマドさんはシリアの首都ダマスカス出身。複数のレストランやカフェを経営して順調だったのに、内戦のため国外脱出せざるをえなくなり、レバノン、ヨーロッパ経由で2015年にロンドンに来られたそうです。

最初は自動車のセールスマン(!)などをされていたそうですが、あるチャリティ・イベントで料理を作ったところ大評判に! サパークラブが大人気となり、ついにソーホーのキングリー・コートに2020年、レストラン「Imad’s Syrian Kitchen」をオープン。その後、2023年にソーホーの新店舗へ移転しました。やはり彼はシェフだったのです!

Aramは、ちょうどサマセット・ハウスが文化施設としてオープンして今年で25周年にあたるため、そのお祝いの記念オープニングにもなりました^^  年内には余っているスペースを使って「Salamlik」という名のダイニング・ルームをオープンするそうです。ここは主にサパークラブや料理教室などのイベントを通して、新進気鋭の才能を発掘・育成していくためのものになるのだとか。イマドさんの社会貢献活動はとまりそうにありません!

Aramはとてもカジュアルで気軽なデリ・カフェですが、内装が実に豪華なので、とっても気持ちよく過ごすことができる現代のオアシスです。ぜひぜひ一度、訪れてみてくださいね^^

左から Michalisさん、Imadさん、Christosさん。©️Harriet Langford

South wing (ground floor), Somerset House, London WC2R 1LA

店名Aram
最寄り駅Temple
住所South wing (ground floor), Somerset House, London WC2R 1LA
電話番号020 7759 1246
営業時間月〜土 8:00 – 1600
URLhttps://www.arambyimad.co.uk
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岡山県倉敷市出身。ロンドンを拠点に活動するライター、編集者。東京の文芸系出版社勤務、雑誌編集・ライターを経て、1998年渡英。英系制作会社にて数多くの日本語プロジェクトに関わった後、2009年からフリーランス。2014年にイギリス情報ウェブマガジン「あぶそる~とロンドン」を創設。食をはじめ英国の文化について各種媒体に寄稿中。著書に『歩いてまわる小さなロンドン』(大和書房) 『ロンドンでしたい100のこと』『イギリスの飾らないのに豊かな暮らし 365日』『コッツウォルズ』(自由国民社)。カルチャー講座の講師、ラジオ・テレビ出演なども経験。これまで1700軒以上のロンドンの飲食店をレビュー。英国の外食文化について造詣が深く、近年は企業アドバイザーも請け負っている。チャネリングをベースとしたヒーラー「エウリーナ」としても活動中(保江邦夫氏との共著『シリウス宇宙連合アシュター司令官 vs.保江邦夫緊急指令対談』もある)。仕事のご依頼は ekumayu @ gmail.com までお気軽に。

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