チェルトナム競馬場の秋のお祭り、11月のビッグ障害レース「ザ・ノーベンバー・ミーティング」に参戦中♪ 前回までの記事はこちら。
第一回:http://absolute-london.co.uk/blog/20750
第二回:http://absolute-london.co.uk/blog/20770
場内に入ってすぐのところに見える5.5階建ての壮麗なビルですが、こちらは2013年から2年かけて総工費4500万ポンド(約68億円!)をかけて改築された「The Princess Royal Stand」。このビルには最初の記事でご紹介したロイヤル・ボックスのほかにプライベート・ボックスが11室あります。プリンセス・ロイヤルすなわち、アン王女にちなんだビル名ですね。アン王女は乗馬が得意でオリンピックにイギリス代表として出場した経歴があり、またコッツウォルズにも別邸を構えていることから、よりチェルトナムには縁が深いのかもしれません。ちなみに改築費4500万ポンドは予算内、だそうです。イギリスにおける競馬文化の厚みとパトロンたちのパワーを感じますね ^^
さて、この絶景を見られるロイヤル・ボックスの隣のお部屋で、美味しいランチをいただきました♪ 料理はチェルトナム競馬場にある全てのレストランやカフェの頂点に立つ総料理長、トム・パリーさんが監修してくださったもので、トムさんも自らお顔を出してくださったんですよ。
料理に使われている食材は当然、近郊の生産者から取り寄せた新鮮なもの。例えばパンはコッツウォルズにあるアルチザン・ベーカリー、Hobbs House Bakeryのものを、 卵はシュロップシャーにある農場の平飼いのもの、野菜や果物はいくつかの近隣農家から特産品を取り寄せています。魚はサステナブルな手法で捕れたもの、そして肉は動物福祉の観点に合致したものだけを採用。どれをいただいても美味しく、全体のクオリティが伺えました ^^
またワインも英国産にこだわった結果、スパークリング・ワインまで、英国産(!)。
南イングランドはサウス・ダウンズで2世代に渡ってワイナリーを営んでいるRidgeviewというブランドによる白とロゼなのですが、ネーミングがBloomsbury、Fitzroviaなどロンドンの歴史的地区にちなんでいるのが興味深い。Bloomsburyのほうはエリザベス女王の戴冠60周年記念のセレブレーションで公式スパークリング・ワインに指定されたもの、またFitzrovia Roseはオバマ元米大統領がバッキンガム宮殿にエリザベス女王を訪れた際に供されたものだとかで、かなり誉れの高いスパークリングです。私は好んでスパークリング・ワインを飲まないので、この銘柄は知りませんでした。英国産スパークリングを飲みたいという人が日本から来たら、ぜひ紹介したいと思います!
もう一つ紹介いただいたのは、世界に先駆けてイギリスで生まれた自然派ノンアルコール・スピリッツ「Seedlip」。これはリンカーンシャーで何世代にも渡って農家を営んでいるブランソン家のベンさんが、大人がお洒落に楽しめるノンアルコール・ドリンクがないことに気づいたことから生まれた世界的な発明なのです。
ノンアルコールのお洒落ドリンクと言えばフルーツ・ジュースなどを使ったものが主流ですが・・・「モクテルは甘すぎる!」というのがベンさんの意見。甘くない現代風の“蒸留ノンアルコール・ドリンク”は作れないかと考えて生まれたのが、Seedlipなのです。アイデアの元ネタは1651年にロンドンで出版された本『The Art of Distillation』(蒸留のアート)! ここに書かれているのはまさに自然の錬金術とも言える蒸留法。実際に当時と同じような古式ゆかしい道具類でえっちらおっちらと開発されたのだそうです ^^
森の中にあるベンさんのキッチンから生まれた“ハーブ・ドリンク”とも言うべきSeedlipはは2種類。「Seedlip Garden 108」と名付けられたほうはグリンピースを原料としているため、トニックウォーターと混ぜてカクテルを作る際は最後にガーニッシュとしてグリンピースを入れます。この日のトニックウォーターが薄いピンク色だったので、とてもキレイ♪ そして「Seedlip Spice 94」のほうはオールスパイスやカルダモン、グレープフルーツからできているので、仕上げには乾かしたオレンジの皮を少し ^^ なんともお洒落です。
豊かなハーブの香りとスパイスのアロマチックな味わいが絶妙なイギリス発のSeedlip。2013年のローンチからじわじわと高級レストランやバー、ホテルなどで見かけるようになりました。アルコールは飲めないけど、ファッショナブルにグラスを傾けたいというあなたは、ぜひ試してみてくださいね。こうした食事や飲み物は、場内に数あるレストランなどで味わうことができます♪
そしてまだおもてなしは続きます。私たち、観戦の合間に伝統のアフタヌーン・ティーまでいただいてしまいました・・・! その際にはベッドフォード公爵夫人の話などアフタヌーン・ティーの歴史やマナーまで教えていただいたんですよ。他のジャーナリスト諸氏は、とても興味深そうに聞き入っていました ^^ アフタヌーン・ティーは超人気メニューで、この3月のザ・フェルティバルでは4日間で4万5000セットがサーブされたそうです!
それでは場内にあるショッピング・ヴィレッジに行ってみましょう♪ 競馬やアウトドアライフを楽しむための、たくさんのアイテムを販売しています。品質重視のストールばかり、というのがざっと見て回った感想です。
写真が女性寄りの視点になってしまっていて恐縮ですが(汗)もちろん男性用のアイテムも多く扱っていますよ!
ショッピング・テントの外に出るとすべてのレースも終了し・・・秋の日は短くあたりは薄闇に包まれていきます・・・
さて、チェルトナム競馬場の楽しみ方、いかがだったでしょうか。
個人的に感じたのは、やはり馬と接する機会が素直に嬉しいということ ^^ 会場自体のフェスティブな雰囲気もさることながら、サラブレッドと言われる馬たちの美しさは格別です。そしてお楽しみとしての賭け。一度でも勝とうものなら、やはり虜になっちゃいますよね ^^
☆チェルトナム競馬場は1月1日元旦から始動します!
http://cheltenham.thejockeyclub.co.uk/events-tickets/2017-2018-racing-dates
☆3月には「The Festival」の開催。ザ・フェスティバル。「TM」まで付いていて「オンリー・ワン・ハロッズ」みたいなネーミングですが(笑)世界でただ一つの、ユニークな祝祭イベント、という意味が強く込められていますよね。2018年は3月13日(木)から16日(日)までの4日間です。女性が着飾ることを推奨するレディース・デーは、3月14日(金)!
レディース・デー:http://cheltenham.thejockeyclub.co.uk/events-tickets/whats-on/ladies-day
ザ・フェスティバルが地元グロースターシャーにもたらす経済効果は抜群です。2017年は4日間で6万5000人が会場を訪れ、1億ポンド(約150億円)のインパクトがあったそうです。ライアンエアはフェスティバル期間のダブリン⇔バーミンガム間のフライトを増発するそうですよ。そしてこの期間だけで6000人ものテンプスタッフが雇われたとか。そしてもちろん、勝った皆様にはそれぞれにスゴい額の払い戻し額が・・・ ^^
歴史的背景の厚みもさることながら、イギリスにおける競馬というのは馬と騎手、ロイヤルたちのバックアップ、そして数多くのスタッフたちによる情熱が創り上げる奇跡のイベントなんだなと再認識。それに 機会あればまた、別の競馬にも参戦してみたいなと強く思いました。
英国政府観光庁ホームページ
https://www.visitbritain.com/jp/ja
チェルトナム競馬場への行き方
London Paddington駅からCheltenham Spa駅まで約30分毎に電車が運行。所要時間は約2時間20分。駅から競馬場まではタクシーで10分(バスの運行もあり)。11月のノーベンバー・ミーティング、3月のフェスティバル開催期間中は毎日Cheltenham Spa駅⇔競馬場間を無料シャトルバスが運行。
チェルトナム競馬場
住所: Cheltenham Racecourse, Cheltenham, Gloucestershire GL50 4SH
電話: 01242 513 014
ウェブサイト: www.cheltenham.co.uk
ツイッター: @CheltenhamRaces
フェイスブック @thehomeofjumpracing
インスタグラム: @CheltenhamRaces