West Endで行くべきカフェ ベスト5

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ロンドン中心部はカフェよりもレストランのほうが数も断然多く個性も強いのですが、今回はあぶそる〜とロンドンがスペシャル感のあるカフェを選りすぐってお届け! 歴史やバックグラウンド、商品やインテリアやなど、見るべきものがあるカフェを厳選しました。ベスト5を改めて見ると「移民の街ロンドン 」色が濃いですが、それでもロンドナー仕様になっていることは間違いありません。さぁ、皆さんのお気に入りは? よろしければコメント欄で教えてくださいね!

※ノスタルジーで勝負のグリーシー・スプーンは中心部にもちらほら残っているのですが、ここではカウントしていません^^
※West Endの括りは、ここではSohoからレスター・スクエア、コヴェント・ガーデンを含むエリアとしました。

 

1. Maison Bertaux  メゾン・バトー

1871年、パリ・コミューンのフランス人亡命者が創業したメゾン・バトーは、ロンドン最古のティールームの一つ。現オーナーで女優でもあるミシェルさんは14歳のときからウェイトレスとして同店で働き始め、26歳のとき、資金をかき集めて前オーナーから店を買い受けたという運命に導かれたオーナーさんです。彼女の人柄、60年、70年代の郷愁を漂わせる佇まい、フレンチの矜持をしっかりと保った正統派ケーキ類に惹かれるお客さんで毎日いっぱい。臨時休業中は寄付を募って閉店を免れたお店の一つでもあります(コロナはどれだけそのお店が支持されているか、愛され度のバロメーターにもなってしまいました)。おすすめは完璧なタルト類、クリームたっぷりの白いモンブラン、フレッシュ・クリームに癒されるサントノーレやフルーツ・エクレア、そして焼きたてのクロワッサンなど。いつまでもそこにあってほしい、ソーホーの名物カフェなのです。http://www.maisonbertaux.com

 

2.  The Delaunay Counter  デラウニー・カウンター

劇場街オルドウィッチにある大人のヨーロピアン・レストラン「The Delaunay」のカフェ部門。ここはセント・ジェームズにある姉妹店のWolseleyと並ぶ大人気店で、ロンドナーから絶大な信頼を寄せられているレストラン事業家が手がけるシミひとつない完璧な休憩所です。デラウニー、そしてこちらのカフェは20世紀初頭を思わせるウィーンのグランド・カフェがテーマ。ゆえに軽食もケーキも洗練された大陸の薫りを漂わせているのです。例えばほうれん草とトマト&リコッタのシュトゥルーデル。細長く焼いたものをカットした品格のあるキッシュたち。レストランと同じ厨房からやって来るチキン・シュニッツェルやストロガノフ、ソーセージの盛り合わせなどもあり、ビールを小ぶりのグラスに注いでもらっておしゃべりするのも一興。何十年もそこにあるかのごとき風格、アンビエンスを満喫したいお店です。※現在は臨時休業中。https://www.thedelaunay.com/the-counter/

 

3. Abuelo アブエロ

古風なヨーロッパ調とはまた違って、現代的な爽やかコーヒー文化といえばオーストラリアやニュージーランド発、ブランチ主眼のカフェが担っています。こちらは80年代におけるオーストラリアのカフェ文化黎明期を築いていった立役者さんたちが、ロンドンで実らせた美しい果実。こういったお店は郊外ゾーン2に多いのですが、コヴェント・ガーデン・マーケットのすぐ脇というセントラルな立地でこの独立感は格別。できる限りオーガニック食材を使っているヘルシーなブランチ類は、ベジ、ビーガン、ローフードといった現代的なキーワードが、そのままコンフォート、ジョイフル、パワフルな美味しさに繋がっていくのです。加えて木の温もりを大切にした家具、自然を描いた本物のペインティングを施した壁、瑞々しいたくさんの植物、そしてエスニックな風合いを強調する暖かい青磁色のラグやクッションなど、居心地とセンスの良さでも群を抜いています。https://www.abuelocafe.co.uk

 

4. Black Penny  ブラック・ペニー

コーヒーを片手に延々と文化論を戦わせた17世紀の社交場としての元祖コーヒーハウスをイメージしたという、ブラック・ペニー。当時、コーヒー1杯が1ペニーだったそうです。その文化にあやかり、地下スペースではセミナーなども折に触れて開催されるのだとか。おすすめはランチタイムに利用したいカラフルな惣菜プレート。シェフが丁寧に調理するミートやフィッシュ、サラダはバランス食として完璧だし味もいい。コーヒーも美味しく、奥の落ち着ける空間は長居してしまうこと必至なのです。現在はどうやらチェルシーとサウスバンクにも支店を展開して成長を続けているようですが、こちらのコヴェント・ガーデン店には独特の佇まいが感じられ、イチオシです。https://www.theblackpenny.com

 

5. Bageriet バゲリエット

コヴェント・ガーデンの裏通りにある小さなスウェディッシュ・ベーカリー。ペイストリーやケーキ、パン、そしてビスケット類など、焼いてあるものが全て、それはそれは美味しいのです。先日、久しぶりに訪れてみるとまだイートイン営業はしておらずシナモン・ビスケットをリピート買いして帰ったら、またもやサクサクとした素朴な味の虜に。フォークで型をつけた「Gaffelkakor」というビスケットなので、ぜひ試してみてください。その他スウェーデン人マスターベイカーがせっせと焼いてくれるのはBitarと呼ばれるスウェーデンの伝統的なケーキや、シナモン・バンズ(kanelbullar)、それから北欧風のブリオッシュ。こちらはバターたっぷりのふんわり生地が身上でお味はブリオッシュですが、見た目は完全にドーナッツ^^  9月に入り、ようやくイートインもオープン! 北欧らしいグラスや食器を見るのも楽しみなので再訪が待ち遠しい店でもあります。

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岡山県倉敷市出身。ロンドンを拠点に活動するライター、編集者。東京の文芸系出版社勤務、雑誌編集・ライターを経て、1998年渡英。英系制作会社にて数多くの日本語プロジェクトに関わった後、2009年からフリーランス、各種媒体に寄稿中。2014年にイギリス情報サイト「あぶそる~とロンドン」を立ち上げ、編集長として「美食都市ロンドン」の普及にいそしむかたわら、オルタナティブな生活、人間の可能性について模索中。著書に『歩いてまわる小さなロンドン』(大和書房) 『ロンドンでしたい100のこと』『イギリスの飾らないのに豊かな暮らし 365日』『コッツウォルズ』(自由国民社)。NHK文化センター名古屋教室「江國まゆのイギリス便り」講師。MUSIC BIRDのラジオ番組「ガウラジ」に月一でゲスト出演。チャネリングをベースとしたヒーラー「エウリーナ」としても活動中(保江邦夫氏との共著『シリウス宇宙連合アシュター司令官 vs.保江邦夫緊急指令対談』もある)。Instagram: @ekumayu

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2件のコメント

  1. アバター画像

    LONDONAIさま
    コメントありがとうございます!!
    ブラック・ペニー、すでに利用済みとは通ですね〜^^
    そしてバゲリエットもご存知とは・・・もうロンドナーですねっ。
    次回はぜひ。イートインも始めたと思います^^

  2. まゆさま

    どれもお気に入りリストに入れたいですが、もしこの中で1つ選ぶとしたら、、、
    ブラック・ペニーに1票です! 
    デリーをテイクアウトしたことがありますが、こじんまりとしていて、とても居心地よさそうな雰囲気でした。次回は、ぜひ長居をしてみたいと思います♬。
    あと、バゲリエットも気になっていてFloralStreetを歩いたときは何度か探してみたのですが、
    なぜか発見できず…。次回は、ぜひ行ってみたいと思います。(^^♪

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