ときにはF&Mグラマラス

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45 Jermyn Street   フォーティ・ファイブ・ジャーミン・ストリート

ピカデリーの裏手、セント・ジェームズというのは生粋のロンドナーたちにとっても大変スペシャル感のあるエリアですが、中でもエリアの王様として燦然と輝いているのが超高級グローサリー・ショップ、フォートナム&メイソンです。

一歩足を踏み入れれば途端に高揚感に包まれ、胸にあるトキメキ・スイッチがオンに。よっぽどでないと何も買わないけれど(笑)とりあえず棚を塗って見て回らざるを得ない気にさせられる魔法の空間でもあります。

そのF&Mマジックを、ときにゴージャスにお食事でというとき、いくつか選択肢があります。一つは中2階のカフェ。いちばんカジュアルでお手軽、お買い物の合間にポップインするのに最適なお洒落カフェです。名高いF&Mアフタヌーン・ティーなら日本式5階にあるダイヤモンド・ジュビリー・サロンへ。ワインとおつまみで優雅に乾杯したいときはフード・ホール地階にあるワイン・バーへ♪    そして・・・F&Mできちんとした食事を楽しみたいという場合は、Jermyn Street側のエントランスから入る45 Jermyn Streetへ、どうぞ。2015年末、より現代に見合うレストランとして刷新されました。

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明度の高い赤のソファ席とフォートナム&メイソン・カラーである薄いエメラルド・グリーンを合わせたインテリアはアール・デコ調コンテンポラリーという趣きで、シャンデリア系のロココ・ゴージャスにしなかった意図はきっと、オールデー営業のため気負わず使ってもらいたいという思いもあったのではと推察できます。(もっとも天井が高くないという構造上の問題もありますが。)

左は茄子のグリル、テンダーステム・ブロッコリーなどを組み合わせたベジタリアン料理。美味しかったなぁ♡ パンも外側がパリパリで中がしっとり。

左は茄子のグリル、テンダーステム・ブロッコリーなどを組み合わせたベジタリアン料理。美味しかったなぁ♡ パンも外側がパリパリで中がしっとり。

好感がもてたのは、野菜料理に力を入れていること。工夫に富んだ品々が、肉や魚料理と同等の数で常時用意されているみたいです。私はベジタリアンではないですけれど、野菜料理がおざなりなレストランは現代人の要求をあまり理解していないなとがっかりすることが多く、その点、当店のメニュー構成は素晴らしいと感じました。加えてメインに付け合わせるサイド料理もなかなか充実していますので、バランスという意味でも考え抜かれたメニュー。老舗F&Mといえども時代に合わせて進化しているのだなと改めて痛感した次第です。

こちらマグロのたたき、あんかけソース。新鮮で味もよかったよ!

こちらマグロのたたき、インゲンのあんかけソース。新鮮で味もよかったよ!

これはスズキのグリルだったかなぁ? ソースはどれも間違いなく美味しいです。

これはスズキのグリルだったかなぁ? ソースはどれも間違いなく美味しいです。

この日は4名での食事だったので、いろいろなものを注文してお味見することができました。メニューは季節によって変わるのですが、素材の鮮度、組み合わせ、味のバランスやテクスチャー、どれをとってもロンドンのトップ・レベルで大きな信頼を寄せることができるという印象。お客さんを連れていっても喜ばれること間違いなしです。

鴨の胸肉とポレンタ、赤ワイン・ソース。こういう料理に間違いはありません、はい。

鴨の胸肉とポレンタ、赤ワイン・ソース。こういう料理に間違いはありません、はい。

左上は豚バラ料理。4名ともどもに評判のよかった一品。付け合わせの品々も全部美味しい。右は私がメインで注文した魚介のバーリー・リゾット。魚介類の出汁がパーフェクトに感じられた大正解の一品でした♪

左上は豚バラ料理。4名ともどもに評判のよかった一品。付け合わせの品々も全部美味しい。右は私がメインで注文した魚介のバーリー・リゾット。魚介類の出汁がパーフェクトに感じられた大正解の一品でした♪

そしてF&Mと言えば、デザート・・・ ^^ こちらはシグニチャーと思われるニッカボッカ・グローリー / Knickerbocker Glory。つまりパフェですね ^^

これがウワサのニッカボッカ・グローリーだっ

これがウワサのニッカボッカ・グローリーだっ

アイスクリーム・パフェが、どうしてニッカボッカ・グローリー? ・・・さすがと言わざるを得ないのですが、我らが「イギリスお菓子百科」のMARIKOさんが、すでに紹介されていました! ニッカボッカについて詳しくはこちら〜♪

MARIKOさんによると、すでに1920年代から存在していたアイスクリーム菓子であるため、イギリス人にとってニッカボッカ・グローリーは懐かしのデザートなんですよ、とのこと。でも名前の由来については明確な説はないそうです。なるほど〜、いろいろ勉強になります ^^ 中身は・・・ストロベリー・アイスクリームとクリーム、メレンゲとフレッシュなイチゴとイチゴ・ソース、だったかな。私は一度試せばもう十分というお味 ^^;   でも、こういうアイスクリーム系のパフェが好きでたまらない方もいらっしゃるのでしょうね。

季節のスフレも必ずメニューにあります。プロの仕上がり!

季節のスフレも必ずメニューにあります。プロの仕上がり!

茄子料理があると自動的に頼んでしまう私と友人たちですが、スフレもやはり、マスト注文アイテムですよねw こちらはピスタチオかなにかのスフレだったと記憶してます。スフレも季節によって変わりますが、今はリンゴのスフレ、みたいですね ^^

 

とにかく朝から1日オープンしていることもごちそう。11時に優雅にブランチを食べたくなっても、3時に遅いランチを取りたくなっても、とびきりのサービスの良さと美味しさで迎えてくれる老舗らしい懐深さがあります。お値段は平均よりもお高めですが、その価値はあります。

45 Jermyn Street London SW1Y 6DN

店名45 Jermyn Street
最寄り駅Piccadilly Circus / Green Park
住所45 Jermyn Street London SW1Y 6DN
電話番号020 7205 4545
営業時間月〜金 7:00 – 23:30 土 8:00 – 23:30 日・祝 8:00 – 22:30
URLhttps://www.45jermynst.com
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岡山県倉敷市出身。ロンドンを拠点に活動するライター、編集者。東京の文芸系出版社勤務、雑誌編集・ライターを経て、1998年渡英。英系制作会社にて数多くの日本語プロジェクトに関わった後、2009年からフリーランス、各種媒体に寄稿中。2014年にイギリス情報サイト「あぶそる~とロンドン」を立ち上げ、編集長として「美食都市ロンドン」の普及にいそしむかたわら、オルタナティブな生活、人間の可能性について模索中。著書に『歩いてまわる小さなロンドン』(大和書房) 『ロンドンでしたい100のこと』『イギリスの飾らないのに豊かな暮らし 365日』『コッツウォルズ』(自由国民社)。NHK文化センター名古屋教室「江國まゆのイギリス便り」講師。MUSIC BIRDのラジオ番組「ガウラジ」に月一でゲスト出演。チャネリングをベースとしたヒーラー「エウリーナ」としても活動中(保江邦夫氏との共著『シリウス宇宙連合アシュター司令官 vs.保江邦夫緊急指令対談』もある)。Instagram: @ekumayu

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