Londrino ロンドリーノ(閉業)
ロンドン・ブリッジにそびえるザ・シャードの裏手に入り組むモダンなビル街。そのうちの一つに現代的なキッチンを備えた気鋭モダン・ポルトガル料理店がひっそりと昨年11月、オープンしています。
びっくりするのは、その広々としたダイニング空間です。エントランスを入ったところに広がるワイン・バー兼ダイニングの大容量スペースのみならず、奥にもう一部屋構えるぜいたくな造り。「ネイバーフッド・レストラン(ご近所のレストラン)」を謳って大勢の人に普段着で食事してもらおうというコンセプトが伺えますが、その中身は食通もあっと驚く実験的な料理を食べられるグルメの館。気軽に「ロンドンの食の今」を試してみたい方におすすめのカジュアルでお洒落なレストランです。
こんなすごいレストランをいきなりオープンしてしまったオーナー・シェフは、リスボンやロンドンの名だたるレストランで頭角を現し、近年ではハックニーのクリムゾン・アーチでポルトガルの気取らないストリート・フードを提供してファンを虜にしていたポルトガル人のリアンドロ・カレイラさん。ロンドンでポルトガルの現代料理と言えば、今はなき伝説のViajanteやいまだ業界を賑わしているChiltern Firehouseなどでおなじみヌノ・メンデスさんが有名ですが、リアンドロさんは、そのViajanteのヘッドシェフだった方・・・と言えば、食事のクオリティがお分かりいただけるでしょうか♪
料理の見た目はシンプルですが、味のほうはむしろ複雑でフレーバーが際立っています。こだわりはズバリ素材。旬のいいものだけを選んで、最も適切な調理法で味を引き出す。仕入れは料理人がいちばん気を配る部分だと思いますが、そこが徹底しているなという印象です。
「1月のキング・キャベツと黒にんにく」は歯ごたえも完璧なキャベツのナチュラルな甘味を感じられる中、黒にんにくが上品なコクを添える素材本位の一品。いくらでも食べられそう。ふっくら仕上げたアサリのスープをコーンブレッドに浸していただくお皿はアサリ出汁のパワーを感じます。
セロリアックと芽キャベツの葉っぱのサラダは松の実の味噌風味。そして、イベリコ豚のプルマ(肩のあたりの特別な高級部位)とサルシファイ(西洋ゴボウ)の皿は高級イベリコ豚のジューシーな柔らかさを堪能できる一品でした。
そして・・・この日最も刺激的だったのは、デザートでお願いした「発酵洋梨」。発酵食品ばやりのロンドンですが、洋梨まで発酵させてしまいました。そして、お味のほうは、この写真の見た目通り・・・甘い奈良漬け!? 確かにデザートとして食べられる甘さではあるのですが、奈良漬けのような食感・味・クオリティです ^^ さらに下に敷いてあるのは、ごぞんじ甘酒。もちろん自家製だと思います。発酵洋梨に甘酒をからめていただく・・・お味を想像いただけるでしょうか・・・ペロリとシェアしてしまいましたけど ^^ でも甘酒を手作りするってことは、やっぱり米麹で洋梨を発酵させてるのかな・・・謎。
他にも、もっともっと試食してみたいメニューがあったのですが、女子2名だとこのくらいがほどよい分量。ぜひまたリピートしていろいろ試したいレストランです。ちなみにリアンドロさんはポルトガル中西部のレイリアという都市のご出身で、ご当地の料理はもちろん、旅先で出会ったバスクや中東の味も取り入れているのだとか。そして、彼の経歴を見ていてピンと来たのですが、うどん屋さんのKoyaでも働いたことがあるみたいなので、そこで日本料理文化に接したのですね ^^
レストランはランチとディナーの間はお休みですが、入り口入ってすぐのところにあるワイン・バーは正午から閉店まで開いています。バー・フードもなにやら気になるものがいっぱい・・・バラ・マーケットやバーモンジー・ストリートの帰り道にでもふらりと立ち寄ってみたい、とっても元気のいいレストランです。
あぶそる〜とロンドンのレストラン・カフェ・パブ検索機能では、
ジャンル、エリアの両方から検索することができますので、
しっかり活用してくださいね〜!
↓
http://absolute-london.co.uk/fooddrink