Parsons パーソンズ
【2019年3月31日追記】
ゴエモンさんはパーソンズを辞して新たな挑戦に向けて出発しました!
たまに読んでは参考にしているイギリス人グルメ・ブロガーの記事で絶賛されているのを見て、「行ってみたい店」にブックマークしていたParsons。ただメニューを見るだけではシンプルな魚料理の店といった印象で、今すぐ行ってみたいという思いは湧かなかったのですが、友人が訪れて「日本人シェフがいるよ! めちゃ美味しいよ!」と教えてくれたため、興味が沸騰し、さっそくその友人に連れて行ってもらうことにしました^^
コベント・ガーデンのメイン通りの一つ、Endell Street沿いに昨年末に登場しているパーソンズは、小粋な佇まいの小さな店♡ はす向かいにあるワインを専門とした大人気ビストロ、10 Casesのチームが立ち上げた姉妹店で、シーフードを専門としたブラッスリーです。シンプルで趣味のいいインテリアを一目見るだけで「む、できる」と瞬時に分かる独特の輝き。暖かい季節なら、ウィンドウ席も最高!
ワンフロアのみのこぢんまりとした店の一番奥には、シェフ1名だけが動ける小さなカウンターがあります。あなたがラッキーなら、そこに日本人ヘッドシェフとして店を取り仕切っているゴエモンさんの姿を見ることができるでしょう^^(メイン・キッチンは地下にあります)
ゴエモンさんは、Nobu、Diningsといったロンドンのトップ日本食レストランでの十分な経験に加え、五つ星クラリッジズ併設の星付きレストラン、Feraのキッチン、UK外ではイスラエルの高級ホテルのレストランを経験しているハイプロフィールなシェフ。そして今回、パーソンズの立ち上げに伴いヘッドシェフに任命された極め付きの実力派なのです〜。
仕入れはもちろんゴエモンさんの指揮のもとに行われ、時にはシェフ自らデヴォンやコーンウォールに出向いて品質をチェックします。シーフード専門店として素晴らしいのは水揚げから店に届くまでのロスを最小限に抑えているところ。UK内で最短直送されるシーフードは新鮮そのもので安心できる品質であるため、魚にウルサい日本人でもきっと満足できるはず♪
さて、冒頭でビストロとかブラッスリーといった言葉を使いましたが、料理の基本はブリティッシュです。そこに和とフレンチの要素がキリっと彩りを添える、そんな感じ。素材を生かしたフレッシュな魚料理には日本人シェフならではの創意工夫がみられ、日本人にしか分からないような、懐かしいテイストを感じ取ることもできるかもしれません。例えばキュウリの酢の物を彷彿させる「Cured Cucumber, Seaweed」。これはしっかりマリネされたキュウリの屋形船に特製さわやかドレッシングで和えたキュウリとワカメが載せられた箸休めにぴったりの一品。季節のトマト・サラダも牡蠣のエッセンスを加えた自家製マヨ+土佐酢+鰹節コンビネーションで構築された多重構造で和のハーモニーを感じます。
ちょっとしたおつまみですよ、といった面持ちでメニューの1行目にさりげなく並ぶスナック類でもシェフは手を抜きません。驚きのサクサク感かつ優しい味わいの塩鱈とポテトのフリッター、ロンドンでもトップ・レベルの美味しさと評判のねっとり食べ応えのあるポテッド・シュリンプのコロッケ、カニ肉を練りこんだここでしかいただけないピサラディエールなどなど、ゴエモン特製の個性的なスナック類はマストな美味しさです♡
メイン・セクションには、シートラウトのタルタル&ブラディメアリー・ジェリー、タコ&ダックファット・ポテト、エビ&サンファイアの天ぷら、イカ墨ライスなど、珠玉のお料理の数々が♪ 実は初めての訪問から時を経ずして、別の友人を誘って会食w 短期間のうちに色々なメニューを試すことができて幸せでした。どれもハイレベルな仕上がり、かつ居酒屋感覚で気軽に立ち寄れるところが本当に素晴らしい店です。
その他にも、「本日の仕入れ」から組み立てる日替わりメニューが壁タイルやミラーに手書きしてあるので、ぜひぜひチェックしてみてください!
居酒屋とはいえ、ここはイギリス料理の店。イギリス人の大好きなデザートにもちゃんと力入れてます! 洗練のフランス風アップル・タルトや、北欧のベリー、シーバックソーンのピュレを添えた自家製さっぱりバニラ・アイスクリーム、そして本日のデザート、キャロット・ケーキにはチェリーの濃縮ピュレが添えられ感激♡
さて、足早に日本人ヘッドシェフが率いるパーソンズをご紹介しました。まだまだ試していないメニューがあるので、また近いうちに立ち寄りたいと思っています♡ どんな驚きが待っているのでしょうか ^^ 日本人の方で2名様までなら、もしかするとシェフのそばのカウンター席に座らせてもらえるかも。お店の人に聞いてみてもいいかもしれないですね ^^
パーソンズ。一言で言うとワイン・エキスパートがセレクトした上質ワインと一緒に極上小皿料理をつまめる至福居酒屋、とでも言うのでしょうか。日本人としての誇りを心地よくくすぐられる店でもあります。